第139話
コンビニやカラオケ、他にも飲み屋なんかも、夜になってもまだ開いてるお店の灯りだけが照らしている町の中で行きかう人たちの姿の中で縦に並んで歩いて行ってるハリーと志太の2人は、前者が付いてないスマホを握り締めたままただただ視線を左右に向けながら上唇で下唇を押すみたいな表情をしたまま目とおでこを前に出している。
その一方で後者もその進んで行ってるのに合わせて手が前後に動いてってる様子をただただまっすぐ見つめるみたいにしてて。それはそっちからは後ろ側に下がってきたタイミングでしか見えてないけれど、それは手の甲の部分の関節と指のを強調するみたいな感じになっているせいで、その中において自身の指を体に立てているのを表現しているよう。志田も一度だけ口を開けて外の空気を自分の中へと取り入れるようにしていた。
周囲では、2人で肩を寄せ合いながらスマホを見て黄色い声を上げているキャバクラ嬢の組み合わせや、酔っているのか足が少し左右へと触れながら進んでいる男などがいて。それらを避けるためハリーは間を縫うように不規則な足取りで進む上に、志太もそれの後を着いていくために手の方から視線をたまに正面にあげるしかない。
それのせいで逆方向に進んでくる相手を限界のタイミングで避けなければならない時もあるのか、体を勢いよく回転させて避けようとしたら、その間もハリーが一切遠慮なく前に進んで行ってるのを見てすぐにそれを追う。
ハリーが足を止めたのに気づいてその横へと立つために志太も一度足を止めてその背中を見たら、片手だけをそっちに向けるでもない位置で持ち上げたままにしていて。一度だけ顔を横に向けてからそこを勢いよく戻すことで髪の毛を振るってから、その後をまっすぐ追うのではなく斜め横に移動する。
志太が進んできたのを追ってきてるのを感じながらずっと立ち尽くしてるハリーは、もう一度視線を横へと向けるまま下に落としてそっちにあるお店と地面の間になる角を眺めているようだった。
前者は赤とオレンジが混じったような色のレンガ風の壁が互い違いになるように並んでいるだけで。それの左右にはガラス張りになったことで、その中から出てる光に照らされている様子と、隣の建物との間になる場所の車道側の隅についてる街灯の灯りがある。そして、どちらの灯りも白い物であるせいか、それのせいでハリーが両方の手を握り締めたままわずかに下を見ながらただただまっすぐに立っている様子は影がより濃く見えていて。その中で目をわずかに開けたり閉じたりするために瞼を動かしているようだった。
そんな光景を志太も当然ながら見ているために、わずかに開けた口からほんの少しだけ息を吸っているのに対して、だんだんと口を閉じてその様子をじっと見つめようとする。
しかし、しばらくそのままでいたら、だんだんと周囲にあるお店や街灯の光が眩しく感じたのか、自分の手に力を入れないで手首を内側に曲げるまま前腕を自分の目の前に持ってきて、そこで何度も瞬きを繰り返して。それのペースをだんだんとゆっくりにしてから手を元の位置に戻してた。
一方でハリーはもう一度自分の斜め前にある建物の様子を眺める。数階建てになってるそれの中でも一番下の改装を見ているままであったが、その姿勢のまま指だけを動かしてスマホの電源を入れると、それでお尻の辺りだけが照らされて。そのまま指を使ってロックを解除。それから位置はほぼ変えずにスマホの角度だけを変えるみたいにすることで自身にもそのツイッターの画面が見えるようにしていて。そこに映っている全然知らない人の杏と流那の姿が歩いている姿をかなりブレている状態のまま撮影しているのを見せていた。
「大丈夫」
その声を出しながら自分の肩の前辺りに両方の手を持ってくるみたいにしながらゆっくりと足を動かして行っている様子を見せている志田であったが、その途中でもう一度ハリーの筋肉の形を見せている腕を見たタイミングでわずかな声を出して少し下がっていっていて。そっちへとハリーも顔だけを動かして視線を向けてくる。
肩を相手へと向けるままにしている様子でしばらくいるハリーだったが、それをすぐに元に戻してから少し顔を前へと向けておでこをまた前のめりにしていた。
「僕だって、木月さんのために戦ってるんだ」
相手の様子を見ながら数歩下がった後は息を吐きながら視線を横へと向けるようにしている志田。さらに、少しだけ力を入れていた唇のそれを開放するみたいに開きながら、声は流すみたいな勢いで出して行ってたその声は、周囲の喧騒の中でも確かにハリーの元へと聞こえていたのか、そっちもほんのわずかな声を出しながら肩の位置を整えるみたいに背中を志太の方へと近づけていた。
2人のいる車道のすぐ横では警察が車を止めたままにしているようで、そのランプを音も出さずにくるくると回し続けている様子が中央分離帯の向こう側にいる物の、それでもその光を見せている一方で、その2人の体はそれに染まることは一切なくて、影になっていところと見えてない場所とをくっきりさせているだけであった。
そんな中で志太は一度視線を横へと向けるままに瞼を下ろしていて、それから顎を出すみたいな形で口を閉じたまま動かし、鼻を少しだけ吸ったり吐いたりを繰り返す。特に吸っている時のうちの数回に1度は肩も一緒に動かすようにしていて、しばらくそれを繰り返したら鼻のところに人差し指の側面を当てるままに口元を隠してから目を強く一度だけ瞑ってからもう一度顔を正面へと向けた。
「その、ハリーさんの姉御は、本当にすごいんだね」
最初の言葉を出すタイミングでそれの音を少しだけ大きくするみたいにしている志太は、その後は少しずつ声を小さくして言っていたけれど、それと一緒に顔を横へと逸らして行っていたけれど、それも途中で音を止めたタイミングで、喉を強く締め付けながら顔を一気に持ち上げて、それから顔を上へと向ける形にする。
一方ハリーも、顔をまっすぐに向けながらいたものの、それの視線を下へと向けながら顔も同じ方向へと持っていきながら、顔の影になっている部分を少しずつ増やしていく。足を肩幅ほどに開いたまま瞼をただただずっと同じ範囲にしか開いてないままにしていて。顔にもほとんどしわを作らないまま表情にはどこにもいつもの様子を見せないままでいた。
「僕にとって、心愛さんも、そうなんだ」
その語尾を力強くするみたいにしている志太は足を一歩だけ出すみたいにしながら両方の握り締めたまま腕を振るって胸を張るみたいな形にする。しかし、それに対してハリーは最初はずっとそのままの体勢でいようとしていたものの、言葉の途中で顔を持ち上げて眉も同じようにしながら目も開けていた。
そして、それだけで終わらず、すぐに体を回しながら志田の方へとわずかに丸めた背中を見せるみたいに。
「そういうことかよ」
その声は確かな力が入ったものであったが大きさ的にはほんのわずかなもので、周囲を走っている車の音や話している通行人たちのそれに消えてしまいそうになっていて。2人どちらの髪の毛もそっちを勢いよく走っていったトラックの勢いで風に揺れていて、それのせいで服と髪の毛が勢いよく浮かびあがっている。しかし、2人はそれでも何もしないままただただ立っているだけだった。
その中で、ハリーは一度喉を強く締め付けながら口を使って鼻と口を上へと持っていくような動きをさせつつそこを小刻みに震わせた。でも、それも数秒間だけで終わらせると、自分の手を上へと持っていきながら顔も下へと向けて、それから人差し指と中指の間に右目を、中指と薬指の間に左側を入れるみたいにして背筋を伸ばしながら顔を地面の方へと向けるままにしていた。
「あたしは、やっぱり花笠心愛じゃねぇ」
わずかな言葉となって最初の切れるタイミングでしばらくの間伸ばしているのに対して、志太も少しずつ音もなく鼻から息を吐いて目尻を落っことしていくみたいなままにその姿を見ていて、それから口をくっつけたままにだんだんと力を抜いていく。
でも、そのまま肩を横へと広げるみたいにしようとしたものの、そっち側に歩いている人がいたせいでそれができずにいて。自分の体を一度だけ両方の腕を使って二の腕に力を込めて小さくなろうとしていたけれど、すぐにそれを元へと戻す。
一方でハリーはただただその声が出し終わった後もずっと顔を手の上に乗せたままいるだけで、そこ一帯を影に交えているせいで暗くなっているものの、その体勢のままじっと志太の方を見続けていた。
「お前は、あたしがバカだと思うか」
「ううん、全然。僕も、心愛さんやハリーさんのことを思えば出来る」
ハリーの低い声を聞いた志太はすぐにゆったりと抑揚をはっきりとつけるようにしながらも話している間は1文字1文字をほんの少しだけ伸ばすみたいにした声を出している。しかし、それが終わった後、すぐにハリーが体をまた足で回転させて向きを最初の進行方向へと戻すと、それから一度両方の手を強く握りしめながらその手を自身の体へと近づけるように。
それを数秒間続けるままにしている彼女はそれを終えてから口で吸い込みながら締めなおすと一緒に、歩き始める。
そして、それを見ていた志太も両方の手を強く握りしめてから顔にも一度強くしわを作り上げて。それから限界まで顔を下へと向けてから歩き始める。でも、その間もハリーはどんどん歩いて行くせいで人同士の間に消えて行きそうになっていってるのに気づいて。それから小刻みに足を動かして早歩きにすることでそっちに近づいて行ってた。
「まだ、心愛のこと、愛してるんだな」
その声を出しているのは志太にも確かに聞こえてきていたものの、一方でハリーは未だまっすぐに顔を正面へと向けたままにしていて。止まるたびに数秒間じっとただ周囲の音をただただ聞いているだけになってしまっていた。一方で、そっちへと少しだけ足を速めながら後を着いて行っている志太も少しだけ口を閉じるままにするだけにしていた。
「……ごめん」
一度鼻を覆うようにしたままそこをすする音を立てて動かした志太は、足を動かすペースを明らかに遅くしてて。そのまま止まりそうになったまま何とか歩いている物の、目線を右上の空の方へとむけて。そっちを見ている間ほとんどが雲に覆われて、ほとんど何も見えていないにも関わらず、ずっと目を上にじっと向けたままになっているのはわずかな輝きを見せていた。
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