第134話
体中を歯も含めて何度も激しく震わせ続けるシャドは、歯を強く噛みしめて何とかそれを止めようとしている物の、とても顎を自分の側に近づけてもそれができそうにない。それもあり、肘を両方とも限界まで自分の側に寄せながら体を大きく猫背にするままに進んで行くその姿の前側は、ほとんど影になっていて周囲の町の灯りのどれにも染まらないままだった。
さらに、その姿のすぐそばになる道路を車が勢いよく走った瞬間、一瞬だけその体をヘッドライトが照らしてその暗かった部分が明るくなるものの、それに対してシャドが行ったのは、それが起こす風から体を守るために足を一度止めながら体により強い力を籠めること。そして、車が行き過ぎた後も数秒間そのままでいる間、未だ昨日の雨で濡れた体がそのままになってしまっていて。病衣の足元や袖などのサイズが合っていないせいでしわがたまっている個所の先端から水滴が次から次へと溢れ続けていた。
目を強く瞑ったまま背中を曲げてじっとそこで止まったままにしているシャドは体を素早く回転させてから一度来た道を戻るように数歩足を動かすも、また足を止める。その顔は、ずっと震わせたままであったものの、下の唇を上へと引っ張ったまま小刻みにそこを明確に動かしながら鼻から息を吸ったり吐いたりを繰り返す。そのまま目を細めていると思ったシャドは強くもう一度瞑ってからじっとしていると思った数秒後、また最初の進行方向へと進めて歩き出していた。
その姿の周囲にある建物ではいまだに自身の側面に取り付けられた看板を照らすままにしているものや、コンビニのガラス張りになってる壁が駐車場を挟んでいるせいで道からすると遠くにいる様子、はるか上の方でモニターにキャラクターを映しているパチンコ店の姿などあるも、シャドはそっちへと視線を向けることはなくただただずっと顔を下に向けたまままっすぐに足を進めていた。
そして、その足が止まった時には、オレンジ色の看板を四角く上部に取り付けられていて、その中心部分が黒くなっている快活クラブの看板があって。それをしばらくの間口を半開きにして呼吸したままでいる物の、それに対して周囲からは何も音がしないままで。顔を斜め上へと持っていったままじっとその店舗の中の様子を見つめ続けていた。
未だ着ている服や髪の毛からはずっと水滴が落っこち続けていて、その姿は近くにある道路のへこんだ場所に水たまりができていたものの、シャドの体もその服も相当にくたびれているのかすべて重力に従って下へと落っこちたままになっている姿を一切遠慮なく落っことしたままにしていて。それのせいでそこへと水が落っこちて行くことはなくすでに湿って色が濃くなっている所に落っこちたままになっていた。
それから体を左右へと揺らしながら一歩ずつ進んで行くシャドは、それを始める前に首を強く締め付けるような動きをしたままに喉を一度締め付けるような動きだけをさせてから腕を自分の方へと寄せるような動きをさせてから、頬を上へと持ち上げているままに下瞼を上へと運ぶことでそこを細くして、頭を前のめりにしてそっちへと近づいていく。
それでも、店の入り口になる開き戸の持ち手に一度肘を曲げた体勢のまま顎を自身の体に近づけて目を閉じたままにいようとするけれど、それに対して周囲にまた風が吹いたものの、そのくせ毛が水でまっすぐになっている物が重みでほとんど動かないままになっていた。
しかし、その体はほとんど影響がないのにも関わらず自分の腕を強く肘を押し付けたまま、それのせいで鼻や口からゆっくりと何度も呼吸を繰り返しながら強く息を一気に噴き出していた。それから風が止まった後もしゃっくりをするように顔のパーツをすべて勢いよく上へと引っ張るような動きを何度も繰り返してしまっていて。
それに合わせるようなペースで何度も高い音を喉から漏らし続けてしまっていて。それから両方の手をゆっくりと滑らせながらおでこをそれの下側になる持ち手のところにくっつけたままゆっくりとそれを落っことしていく。でも、それも音を立てないままにしていた。
ゆったりとした音楽が流れ続けている店内で伝票を強く自分の胸元へと押し付けたまま、息を吸ったり吐いたりを繰り返して肩を上下に動かしたままにいるシャドは数秒に1歩を繰り返すようなペースで奥へと進んで行っている。しかし、それに対してすぐ横を他の客が通ったのに気づいたのに目を大きくしたままにして息も止めている物の、目線を数秒間経ってからそっちへと向けると、その男性客はシャドの方を一切見ないどころか足も全く止めずにコップを手に取るとドリンクバーにそのままの勢いでそれを入れて、ボタンが並んでいるところを上から下へと視線を動かし続けていた。
それからまた、シャドはまっすぐに歩き始めて口に力を入れると、シートが並んでいる暗がりの方へとまた足を進めていた。それからその入り口たちが並んでいるより細い通りへと入っていこうとすることで、人が1人ようやく通れるくらいのスペースへと入っていくシャドは、その間も道の後ろにわずかな水滴を落っことし続けることで足跡も残していて。入ってすぐにある曲がり角のせいで、進行方向を90度変えてからまた曲がってさっきと同じ方向へと進んで行くせいで、来た側からみるとその肩の片側しか見えていない上にどんどんと光が届きにくい場所へと進んで行っていた。
当てられた部屋の前へとたどり着いたシャドは引き戸が開ききるよりも先にその体をフルフラットの部屋へと投げ飛ばしてしまったせいで、右肩がドアへとぶつかってしまい、そこが何度も激しく震え続けている物の、それに対してシャドは一瞬それのせいで倒れるペースが遅くなるだけで。サンダルを脱ぎ捨てて道の方にそれが飛んで行っているのを一切見ずにそのまま勢いよく体を投げ飛ばして目線を横へと向けたまま唇を前へと出すようにして目を細めていた。
一方で、シャドはそのまま息をほとんど音も立てないままにしていて。その姿は正面のパソコンのデスクトップが表示されている間もその体が照らされることはほぼない。両方の腕を自分の顔の少し下の辺りで曲げたままにただただ左側の耳をずっとシートの方へとくっつけたままずっとその場で、音も立てずにドアも開けっぱばしでずっと倒れたままでいた。
「みなさんお久しぶりです、生きてます……はいなんとか、死亡説は、うそです……」
体育座りをしたまま座っているシャドの、正面にあるモニターの上に取り付けられたカメラがまっすぐに向いているせいで髪の毛の少し上の方しか映っていないままになった配信は、ずっと配信者もほとんど動かないままでいるせいでその画面も同じくなままでいる。
一方で、コメント欄は次から次へと本人のことを応援するものやただただ挨拶するものなど、様々な内容のものを次から次へと表示している物の、その勢いは一切衰えることのない。
しかし、しばらくブランケットにこもったままに顔を持ち上げている膝にほぼほぼくっつけるくらいの位置にいるままの体勢でわずかに出した声は非常に高い物で、一言ずつ声を出しているその隙間では息を吸ったり吐いたりを繰り返してて、だんだんと目を閉じたままに目に力を入れたり抜いたりを繰り返しながら言葉になっていないわずかな声を出すのを繰り返していた。
「今日はですね、漫喫から配信してるので、声、小さくしてさわげないんですけど……」
また、しゃべっている声を早口にしたり、止まった時には口をいつもの半開きよりも大きい形で開けて息を吸ったり吐いたりを数秒間繰り返しているままにしていて。それからシャドは一度ブランケットの上から膝におでこをくっつけて口を強く紡ぐも、そのままじっとしている間、時間がある程度経ったときには息が苦しくなったのか息を勢いよく吐き出していた。
それから肩を一度落っことしたと思ったら、勢いよくそれを持ち上げてから目を閉じて。さらには体をばたつかせるほどの勢いで両方の手を地面に付けてから膝を曲げて正座するとそれの上に握りこぶしを乗っけて。それからもう一度おでこを強くこすりつける勢いで、土下座をした。
「ごめんなさい……お金が、どうしてもなくて……でも、もう体が凍えて痛くて、つらくて、もう、もう、お願いします、誰か、お金を、スパチャして、して、ください……」
しゃべりながら顔に何度も手をこすりつけて鼻をすすり続けるシャド。その姿はカメラから大きく下の方へと行ってしまっているせいで、その姿は全く画面には映っていなかった。しかし、その配信画面を見ることができないシャドは引き続き言葉になってない高い音を何度も繰り返し出し続けている。その上、シートの上へと乗っけている指に力をくっつけたままいる場所は間接の部分だけを持ち上げるままにしているも、それもすぐにまた顔の方へと持っていっていた。
そのブースでは、入ってきた方の壁についている赤とオレンジが交じり合ったような温かい色をしている灯りはほとんど入り込んでいないせいで、ほぼほぼ暗いままで、唯一あるのはモニターから出ている光だけ。しかし、それは反対側の壁には映っていなくてパソコンから離れれば離れるほどに暗くなり続けていた。
一方でシャドの病衣は濡れたままになっているせいで、その布の奥になる流那以上に白い青色になりつつある肌の色が透けて見えている上に背骨のでこぼことした形までもを表現しているかのよう。そこを丸めたままずっと頭を下げている姿勢でいるそこからはおでこが体の震えに合わせて髪の毛も同じようになっているのか、それがこすれ続けている高い音が微妙に聞こえ続けている。周囲からはたまに聞こえて来る男のいびき声以外には何も聞こえて来るものがなかった。
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