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Lunatic  作者: コンテナ店子
第二部後編
132/216

第132話

 魔法の力で靴下の中にわずかな電気を走らせながら足を動かし続けて、重くなった視線を下の方へとずっと視線をむけたまま瞼も落っことしたままの表情で、杏を抱えた腕が下がりそうになったタイミングでまた頭を前へと出すように動かすことで髪の毛とかぶったままになっているうさ耳パーカーを振るうと、それで腕にも魔力が篭って杏のお尻をもう一度持ち上げる。


 目を強く瞑ったままいても、ある程度後ろの方から聞こえて来るサイレンの音や喧騒を聞いていると、少しだけ口を開きながらそっちの様子を首だけの角度を変えてただただじっと見続けるままになってしまう。そのまま口から呼吸を小さく出たり入ったりしているのを感じ続けてるけど、しばらくしたら顎を使って力を加えることで閉じることになった。でも、それもすぐに辞めてまた杏の体を持ち直してからまっすぐにゆっくりと歩き始めた。


 顔を斜め下に向けたまま右をきょろきょろしながらずっといる私に対して辺りでは人が歩いている姿があったのを見たけど、唇を強く閉じたまま眉を落っことしたけど、目を細くしたままでいる。


 そう思った矢先、近くで男の人の声がして、そっちへと振り返ると、金髪の中にわずかな黒髪が混ざったままになっている、かさかさしてそうな髪をずっといじり続けている男の人が歩いてて。そっちに視線を向けたままいようとしたけれど、私が来た方へと進んで行っているその姿が足を止めながら周囲を見渡すように顔を回してるのに気づいたらすぐに喉を出しながら脇を締め付ける。


 でも、そうしていることで向こうの姿はうさ耳パーカーの奥に消える物の、音も同じように聞こえないままで。そのまま体全身が震えるままに目を強く締め付けていて、口も同じようにしている物の、息ができなくて苦しいままでいたら、それも数秒で限界を迎えて杏の体を支えたままに一気に落っことしてしまい、そのまま両方の腕を前に出して肘を曲げている体勢の上に杏の体の金属で重くなっているのがのしかかってきた。それの重みで私の喉もつぶれてしまうみたいな感覚を味わって、何度も咳こんでしまった。


 でも、上半身の上でいまだに両方の手をこっちの肩に合わせる姿勢のままでいる杏の下敷きになってる私は、息すらろくに通らないその状態のせいで、何度もそこからガラガラした普段以上に早口になっている声を出している。なのに上に乗っかったままの杏は一向に動いてくれそうになくて。咳き込みながらそっちに向けて何度も何度も同じ言葉を口返すことになった。


 それでようやく向こうが私の上からいなくなったころ、こっちは左側の頬を地面へとくっつけたような形でそのまま倒れたままでいるけれど、目を細くして視界を霞ませているせいか、杏の様子は倉敷さんの部下の女性がこっちに渡してくれた靴の姿が見えているだけ。それへと下の唇を力強く当てながらいる表情をしたけど、とても力を入れられずにそのまま腕も曲げたままにしている。


 そのままいるせいか、目は見えにくくても周囲から人々が歩いている足音は絶え間なく聞こえ続けていて。地面と触れている側とそうじゃない方とでそれの聞こえて来る高さが全く異なるせいで篭って聞こえているのとそうでないのと2つがある。


 それのせいで、余計に頭の中が余計に重くなりそう。しかし、何度かそれが異なる形で何種類か聞こえてきたものの、それはすべてだんだんと大きくなっていったと思った後にほぼほぼ同じタイミングで遅くなっていた。


 それらもなくなったころ、私の視界が少しだけ戻りそうになると、黒と青が交じり合った夜の闇に道路のでこのことした様子や歩道の盛り上がりのところにゴミがたまっている様子、その他にもシャッターが閉まったままになっているお店の外壁が色あせつつある様子などなどが見えている。その間も私は顔にも体にもほとんど力を籠められないままにじっとそこでまっすぐ倒れたままにしていることしかできない。


 そのまましばらくいようとしていると、体を貫くみたいにうさ耳パーカーやその中の制服の隙間にすらもスカートから冬特有の風が入り込んでくる気がして。でも、それのせいで私の体はわずかな鳥肌が立つけど、本当にそれだけしか私の体は反応できない。


 そのまま、また瞼が重力に従うように少しずつ落っこち行くままにしていると、下のも一緒にそうなるせいもあって、杏の足が見えていた姿もほとんど視界からいなくなって。小さくゆっくりと息を吐きながらすべてなるままに従っていたところで、こっちへと複数の足音が聞こえてきているのに気づいて。視界が細い1本の線みたいにほんの少しだけ残っている様子をただただ見ているようになる。


「お嬢さん、こんばんは、この子、大丈夫そう?」


 そっちを見ると、2セットの厚い底で作られている靴の様子をじっと見ることになって。それから単語の1つ1つを切るようにしたままに話していくその声の方を見ると、片方の人が膝を上へと向けるままにしゃがんでそれからこっちの背中へと触れてきたのに気づく。


 その低い声がほとんど変わらないような形でこっちにも聞こえさせているのに気づいたら、少しだけ顔を上げようとしたいけど、それもできなくて。口を開けようとしたらそこから唾液が垂れそうになったのに気づいたタイミングで閉じたかったけど、やっぱり体に力を入れることもできなくてわずかな呼吸を繰り返すことしかできない。


 それに向こうが気づいたのか否か、こっちを起こすことを一度言ってきてから腕だけを持ち上げられたら、それを首に引っかけるみたいにすることで持ち上げていた。


 そうすると、その片腕以外はすべて重力に従うような形になってしまうために、もう片方の腕も落っこちたままになってしまって、それに足も膝で降り曲がってつま先だけが地面と触れ合うような形になる。


 そんな体勢で視線もだれもいない斜め下に向けていると、私に肩を貸していない方の男の様子がうっすらと見えているためにその人が警察だったことに気づくと、力なく垂れさがっていた顎にほんの少しだけ力を入れるけど、それでもそこは震えたまま数秒間ついてたらすぐにそれが元へと戻ってしまう。


 その上、私を担いでる方の男の人がもう1人の杏としゃべっている方の人と顔を向けて何か会話している時、こっちの腕が肩の上を滑っていきそうになってしまい、それに私も気づく。その肩の出っ張ったところに指を引っかけようとするけど、でも、それでもやっぱりほとんど力が出なくてそのまま地面へと体が落っこちて行く。


 背中の骨がちょっとだけ出っ張ったところに体がぶつかったのに気づいた私はお腹に両方の手を当てたまま何度も咳こんでしまう。でも、手の方には力が入ってたわけでもないせいで、それによる体の動きに従うほかない。


「とりあえず署まで来てもらってお話し、聞かせてもらってもいいかな?」


 その声へとわずかに目線だけを何とか動かしてそっちを見ると、喉からわずかな音を出すだけでこっちの動きが止まってしまって。そのまま口を強く紡ぐままに相手の様子をじっと見つめるけど、それに対して向こうもこっちを見るように体を前かがみにしてから両方の腕を自身の膝に乗っけている。


 ずっと猫背で地面の上に座ったままにしている私の足は片方が曲がっているせいでもう片方の脛の辺りに靴の裏側を見せている一方で、もう片方のは道路の先が見えていない方へと向けて足をまっすぐに延ばしたままにしてた。


 鼠径部の少し上のお腹の前辺りに置いたままになってる腕もほとんど力を入れないでただただ指の先端同士がわずかに重なるみたいな位置で放置したまま、瞼を落っことした状態で下を見ていると、鼻から息を吸うことでそこを振るわせ続けてて。肘も斜め下に向けて落っこちるような角度のままでいた。


「暖房もついてるし、なんか温かい物でもおごるから」


 顔をわずかに傾けながらこっちを見てきているその声に対して私はわずかな声を出すけれど、それは相手に聞こえているのかもわからないままで。自分でも何を言っているのかわからない。ただただ自分の指の様子と股の下に広がっている地面の様子をただただ薄くなった視界の中で見続けた。


 それから、ずっとこっちを話しかけてきた方の人が私の後ろに回り込んでこっちの脇に手を入れて掴んできたら、もう片方の杏に話しかけていた方もこっちに近づいてきて足を持ったと思ったら、お尻の辺りがへこんだまま落っことして目も細くしたままにしてただただ運ばれて行っているようにしている私は、鼻からゆっくりと息を吐きつついる物の、そのままいると体が揺れているのに気づいて。目を少しずつ閉じていると、唇をわずかに開けたまま息を少しだけ吐き出す。


 運ばれた先にあるパトカーの電気がついている姿を見ているとそれがオレンジ色の明るくて暖かそうな色をしているのがわかって、そのまま倒されたシートの上に座らされたら肩を落っことしたような形になっていて、ゆっくりとわずかに開いてた目の辺りを閉じることになった。


「この辺でね、さっき爆発事件があったみたいでね、その犯人もまだこの辺にいるみたいだから」


 その声を聞いた途端、私は目を開けたままに口から息をはいたままに目をしっかりと開けて相手の杏へと近づいている様子をじっと見ることになってしまう。そのままでいると私に対して向こうはその背中にそれぞれの片手を添えたまま歩き出そうとしている様子が見えていて。一度目を瞑ろうとしたままに手に強く力を籠める。


 口を開けたままでいようとしたけれど、少しだけ魔力を体に込めることで辺りを見ようとしたら、周囲は車の内装が光がだんだんと消えつつあるせいか夜の闇に混ざり合っているようにしか見えなくて。私の体の中から発せられたわずかな紫色の光が見えた途端にまた顔を正面へと戻しながら息をゆっくりと吐く。


 倒れている背もたれに頭を乗せたまま首を上へと向けるような姿勢でいる私に対して、片方の人がただ手を肩と頭の間の高さへと出しながら話している様子をしたままにしてて、もう片方の人がこっちへと指を向けているのが見えた途端。歯を力強く限界まで込めて。でも、それで音が力を感じることもなくて。でも、呼吸を繰り返すのが自然と勝手に出てしまうのが止められない。それから、もう向こうがもう車の外装に触れそうなところまで来てるのに気づいたところで、いつのまにか電気が体にこもって上へと飛んだと思ったらもう天井部分に頭をぶつけてその大きな音がしたのと一緒に首へまた別の痛みが発せられてた。


 それからまた気づけば目を瞑ったままに体を大きく猫背にしてしまった上に、目を強く閉じたまま高い息を何度も吸ったり吐いたりを繰り返しているままにしていると、わずかな高い音をしている呼吸をしてしまってて、それと一緒に目を閉じてしまっているせいで周囲の様子は何も見えない。


 でも、それから1回だけほんの少し息を吸ってから横の辺りを見ると、そっちでは杏を車の中へと入れようとしていた警官たちが目を大きくしながらこっちをじっと見てるのに気づいて。その視線のせいでこっちも背筋を曲げたままただただ頭を抱えた状態でそっちの方を見るようになってしまう。


 しかし、それも1秒くらいの間に終わらせて、また体に魔力を込めてそれで入った力で足を少しだけ持ち上げると、車を足で踏みしめたままの勢いで飛び出して体を飛ばしながら行ったら、警官たちの間を吹き飛び、その向こうの道路に体を何度も転がす羽目になった。


「杏!」


 魔力の力を使って体をすぐに両方の腕を地面につけたまま上半身を起き上がらせると、髪の毛を振りながら頭を動かして鋭い声を出す。でも、それに続いて魔力を抜いたら体が急に重くなって腕が耐えられずにその場に倒れこんでしまった。

読了ありがとうございます。

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