表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Lunatic  作者: コンテナ店子
第二部後編
129/216

第129話

「木月さん! 待ちなさい!」


 倉敷さんの部下の女性の声。それが聞こえた途端に、小走りで建物の奥へと行こうとしている自分の足を止めるしかなくなってしまい、少しだけ滑らせながら後ろへと振り返る。そっちでは、ポケットに入れてた警棒を振るうことで、中に収納されてたそれが一気に伸びあがり、反対側の手でも別に持ったものを同じように伸ばしていて。それを見た途端、私も息を吸い込みながら両方の手に力を籠める。


 それから、親指を握り締めている側を相手に見せつけるみたいな体勢で一歩ずつそっちに近づいていく私は顎をひっこめておでこを女性の方へと近づけながら何度も強い息を繰り返す。しかし、向こうは眉間の辺りにしわを作ってそこに力を込めているのを表現するようにしているだけで。喉へと力を込めたまま一歩ずつ近づいていく。


 それに対して私はそっちの指に力を籠めることで持っていた警棒が青白い光を放ち始めるのに気づいて。さらに私は、一気にその距離を詰めるようにわずかに浮かせた足をスライドさせて敵のすぐそばへと近づくと、そのままおでこに自分の両方の手を押し付けようとしたら、思った以上に手が細い物を掴んだと思った途端に、こっちが強い熱を感じて。その途端に大きな声を上げながら両手を後ろへと飛ばしてしまい、その勢いで体ごと地面へと落っこちてしまう。


「自分が強くなったと勘違いしないでください」


 あおむけに体が倒れたままだと気づいたらすぐに上からまた警棒を振り下ろされそうになっているのに気づいて、体を後転させて相手から距離を取る。さらに、地面についているそれから焼ける音がしたら目を大きく開けることになって、その途端に息を吸い込んだら、今度はこっちがバク転しながらさらに後ろに下がって。その動きの中で体が傾いた瞬間に両手を敵の方へと向けながら電撃を放っていくと、向こうは壁へと勢いよく飛び出して2歩ほどそっちでステップを踏むような勢いで走ると、そのまま肩で着地してから両方の手で一度空へと投げた警棒をキャッチしてた。


 一方で私が飛ばした電気は何もない壁へとぶつかると、それと一緒にそこへと焦げたような跡を残していて。それに気づいて顔をそっちへと向けながら目を大きく開けるけれど、息を吸い込んだままにいようとしたら、その前にも走りながら敵が近づいてきてて。一往復だけ顔を振ってからもう一度正面を見たら、両手を上下から合わせるみたいに音を立ててからもう一度広げることで障壁を作り出し、警棒を振るってくる動きをはじいた。


 その瞬間にこっちが体を前に出したのもあって相手をはじいたら、それのせいで女性の人が腕と足をこっちへと伸ばしながら地面へとお尻から落っこちてしまい、そのままそっちへと落っこちて行っているのに気づいたらそこへと両方の手をついて上半身だけは立てていられるけれど、そこから伸びている両方の足は無造作な方向へと伸びたまま放り出されるような形になっていた。


 それを見てから私はわずかに体を浮かしていたのを元に戻すように足音を立てたまま床に着地。それから相手の方へと向けて数歩歩くと、唇も含めて顔を上へと向けて相手の様子を見下ろす形で確認しようとすると、天井についている電気がついたり消えたりを繰り返しているのがまた確認させられて。


 後ろへと手を使って下がっている女性の人をゆっくりとした足で追いかけて行っていると、向こうの表情が口で呼吸をしながら目をこっちへと向けてわずかな声を出すようにするしかしない。


「杏さえ返してくれれば、何もするつもりはない」


 わずかな動きだけで言葉を発している私に対して、女性の人は苦虫を噛みしめるみたいにしながら横を見るような視線を、じっと何もない部屋の奥の方へと向けるだけにしていて。それを見ている間私は鼻から息を吸いながら唇を横へと向けるままに喉を少しだけ動かすみたいに。


 左右にある部屋からは何も音が聞こえないせいで周囲でしているのはつるつるした床の上を滑っていく女性の服のと私の靴が硬い場所を叩いている音だけがしている。鼻から息をしつつわずかに足を動かし続ける私の姿は、横にあるドアの窓にも映っているけどそれは肩から上がほとんど入っていないせいでこっちはただただその様子を首から上が銀色の枠に途切れていた。


「私は、正義の味方じゃないから」


 一度言葉を切ったところでほとんど言葉の抑揚をつけずに発して言ったつもりだったけど、それもすぐに辞めてただただまっすぐに立ってる私に対して、同じ姿勢と表情のままにただただ立っている女性の人はわずかに口を開いて小さな音をそこから出す。


 でも、それすらも私にとっては何もないとすらも思わなかったその時、後ろから急な気配がして。すぐにそっちへと振り返った時にはもう遅くて。私の体にいつの間にか背中から警棒が飛んできて電撃が一気に体を回って激痛と熱さで体がぶつかっている個所の正面側を前に持ってくるみたいに逸らしてから、その場にうつ伏せで倒れこんでしまう。


「あなたのことなら、手に取れるくらい調べるのが仕事ですから」


 さっきの私よりも早いペースになるいつもと同じ速さのそれで足を動かしている女性の人に対して、鼻からわずかな息を出しているのをわずかな範囲で目を開けたままにお腹を上下に動かし続ける。でも、向こうは私に対して何もしないで床の上に転がってた警棒を拾う様子を音だけで感じ取る羽目になった。


 それに対抗するために腕を床について何とか体を起こしたいのに、そうしようとした途端にまた女性が背中に警棒の先端をぶつけてきて。さっきほどではないけれど強い青い電撃が体を走ったのを目を大きく開いたけど、霞んだままになってる視界の中で見ることになった。


 歯に力を籠めないし、手もわずかな震えをずっと繰り返してて。視界もほとんど霞んでて。そのままに何度も呼吸を繰り返すことしかできない私は、足も重いままだしそれで少しでも体が何とか持ち上がった途端にまた警棒が振るわれるのが風で動いたのに気づいて、頭の上に両方の手を持っていきながら膝を折り曲げる。その瞬間に背骨のところにまたそれが当てられたのに気づいて、喉が声になってない音を数回だけ出しながら開かれるのを感じてしまうも、それに対して電気が走っている音以外の物は終わるまで聞こえてこなかった。


「大人を舐めないでください」


 電気がしばらく流れ続けたせいで、喉から高い音がずっと出続けているのをただただ繰り返すことになった私に対して、女性の人は見下ろしてきているだけにしかなってなくて。そのままこっちが体を動かせずにいるせいか、向こうはただただどこかへと向けて歩いて行っている音が聞こえて来ると、私の脳内で自分の声を使うことで杏の名前を小さく呼ぶ。


 でも、声をわずかに出しながら口の両端を内側へと寄せつつ、ずっと高い音を立てて息を繰り返したのに対して、目を強く閉じながら両方の手を握り締めながら拳と肘を強く床に押し付ける。


 それから、正面を見るけど、つるつるとした表面の上で私の顔が半分フードに隠れたままになっている様子を見ている間、眉を落っことすみたいな表情をすることしかできなくて。そのままの姿勢で私は顔を一気に縮めるみたいに。でも、それでも反射している私の顔の半分が黒くなっている様子は視界の中から消えてくれなくて。見えている方の手に自分の手を開いたままに押し付けると、その瞬間に空気がはじけるみたいな音を感じ取ってそれから指の関節のところを持ち上げるようにすることでそこの腹に引っかかるような力がより強くなって。気づけばその先端部分はすべてうさ耳パーカーの上に来てるのに気づいて。それから、私の指同士のわずかな隙間から見ている目も含めて頭全体がそっちの四角く切り取られたタイル1つの中に入りきってしまっているのをじっと見ることになる。


 それから、おでこを床に向けるままに大きな声を出して頭を上へと向けつつ限界まで口を開くけど、四つん這いになってる姿勢はそのままにしてて。目も力を込めてずっと上を見たままにしている物の、腕をまっすぐに上へと立てたままに、杏の名前をそのボリュームのままで叫ぶ。


 でも、その音も周囲に走ってる電撃の音に比べたら何も聞こえないままになってしまっているようにすらも感じられて。周囲の壁や床が焼けただれるのはもちろんのこと、窓ガラスが砕け散るものやその奥の部屋の中にある物も含めて、はじけて飛んでいるのを感じて。息が続きにくくなったところで顔を上に向けた状態から元へと戻すように顔を上向きにしている状態から、コンクリートや中に入れてる建築物の残骸まみれになっていている廊下の姿を燃えている炎や煙にまみれたままになっているままにまっすぐに見てたら、限界まで力を込めていた状態からそれを元へと戻すことになった。

読了ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ