第119話
ハリーたちと別れてから私は道路の途中にあった東屋の隅で膝を抱えながら周囲の姿が近くに全く照明がない田んぼしかないせいで私の瞼が震えているところの下にある目に映っているのはほぼほぼ真っ黒な闇だけで。それ以外に見えているのは反対側にある古びた木の板の姿だけで。それを見ている間、少しだけ口を開けているけれど、その間に体がわずかに動いたのか、隣にいた杏に体がぶつかったようで、そっちへと視線を向けるけれど、さっきしゃがませた時とほとんど全く体を動かさないままだった。
杏の金属が残ったままになっている腕へと自身の体を寄せるためにお尻を床に触れさせないように一歩だけ足を動かしてこっちのうさ耳パーカーの中の肉がつぶれるのを感じる。
しかし、その一方ですぐに膝が痛くなったのに気づくと、下の唇に強い力を感じながら頭を前へと出すみたいにしていて、そのまま喉にも同じくして目を瞑る。それから、近くにあったベンチに座って。杏にもこっちに来るために促しながら体を横へと倒そうとする。それなのに排除アートの柵があるせいで私の肘の硬いところがそこにあたって、その途端に喉を締め付けるみたいな感覚を味わう。
その一方で、杏はこっちが体を起こそうとしているタイミングでベンチの前に回り込んでくると、私が座っている場所の1個スペースを飛ばした先に座って。それから背筋をまっすぐに伸ばしたまま両方の膝の上に手を乗っけたまま背筋もまっすぐにしたまま動かない。
私はそっちへと数歩近づくためにわずかに体を前のめりにしながら立ち上がって正面に移動する。それから、その名前をやっと出したくらいの声と一緒に手を下げて背を引くするように指示するけど、それで杏はお辞儀する姿勢になっただけで。それを見たら息を吸い込むままに見てると喉をひっこめるような感覚を味わう羽目になって。そのまま顔の角度を変えながら眉を落っことすみたいな表情をする。
それから杏に体を横へと倒しながら排除アートの柵の上に金属側の腕を乗っけさせて。そのまま体重も乗っける姿勢をさせるけど、でも、そこをしっかりと掴んでいるのか、体の位置も傾きも一切変化しようとはしない。
そんな姿を腕を肩からまっすぐに落っことしたまま下の歯を上へと押し付ける態勢でじっと見続けてたけど、目を開けたままに私の膝の少し横辺りに向けて視線を飛ばすその姿をじっと真正面から見下ろし続けることしかできずにいた。
数秒間そのままでいようと思ったけれど、近くを車が走ったせいでその道路の上を走る音がした途端に視線をそっちへと向けることに。
それから目を少しだけ大きくしたままにそっちを見たけれど、それに対して乗っていた金髪の中に数本の茶髪が混じってるみたいになっているその髪の毛がまっすぐに1人でそれに乗ったまままっすぐ向いている姿に気づいた途端、すぐに体をへっこませる。気づいたら、しゃがんで両方の膝の上に両腕を乗っけたまま背筋を曲げてさらにその上に顎を乗っけたままにしてた。
一方で、杏は私の頭のてっぺんの少し横辺りを通り過ぎるみたいに視線を向けたままの全く変わらない姿勢を見せているけれど、そっちを見たいのに、体が重くてそっちに向けられなくて。でも、肘がじんじんしたのに気づいてから無理やり歯を噛みしめる音を立てながら一度ため息ついてもう一度ベンチに座った。
その前のめりになった上に膝の上に肘を乗っけて、そこから上へと伸びた前腕の上についている両方の手の上におでこを乗っけたままにしてた。そのまま周囲に何も音をさせないままにいるけれど、田んぼの近くからカエルの鳴き声がひっきりなしに聞こえてきているのが改めて聞こえてきた途端に、そのわずかな隙間から水が流れる音がしてて。
もう体を起こしてそっちに小刻みで足を進めて、反対側で私の胸元にまで来てた壁に両方の手を乗っけて前のめりになるけど、その下にある側溝の中を流れている姿を眺めてた姿勢をしていたのに気づいたのは、もうそれが終わって数回呼吸を口からしている時だけだった。
そのまま光が屈折していて見えにくくなっているそれの姿を数秒間見つめるままにしているけれど、そっちには何も見えなくて、足を地面から離すほどに前のめりになるけれど、それでもこっち側の角の辺りに見えない位置があって。それを見るために、喉をひっこめる姿勢でおでこの中の冷たい感覚を味わったままに東屋を出たから小走りになって腕を振りながらそっちに近づく。
でも、そこは真っ暗な周囲の闇と交じり合うままにただただ私の方へと近づくように流れ続けているだけで。泡立っているところはどこにもなくて、それはグレーチングの中を覗いた時も全く同じだった。
もう一度体を少しだけ肩を立てるみたいにしたままに歩いていく私に対して杏は未だ同じ体勢のままいて。それへと視線を向けたタイミングで私は足を数歩だけわずかに動かしながら近づいていくと、肩で数回息をするままにしてたのをほんの数秒間だけにしてから、その首に自分の腕を巻き付けてそのまま腰を曲げたままに肩同士をくっつける。そのまま、杏の鉄の匂いがする体にくっつけているせいで、頭の中にまでそれが染み渡りそうになるのを感じる。でも、そうしている間も杏は全く動いてくれなさそうで。それを感じていたら、目を強く瞑るために込めている力をより強くするみたいにする。
そのままずっといようとしたけれど、近くを自転車が通る音がしたのに気づいて一気にそっちへと振り返るけど、それに対してそっちの人はすぐに私たちがいる東屋の外側へと体の向きを変えるようにして走り去ってしまう。そっちを私も見ようとするけど、しゃがんだままでいるせいか、向こうは車程早くないけどすぐに消えていった。
一方で、私は唇同士を強く締め付けるようにしているけれど、だんだんと自転車が走っていく音は消えていくままになっていた。それがなくなったタイミングで勢いよく口から深い呼吸を吐き出す。またベンチの上に前のめりの姿勢のままに座り込んで、スマホを開いたら出てくるジャンヌオルタのイラストを横目にすぐに親指2本を素早く動かしてからパスワードを入力。それからホームの最初にいるTwitterのアイコンを押してそれを起動した。
そしたら、タイムラインの一番上に星田さんのアカウントがシャドのツイートをスクショして「あいつマジで行くみたい」とつぶやいている様子が会ったのに気づいた瞬間、すぐにそれを流すみたいに奥へと追いやると、その先にはヘブバンのガチャのスクショやマスターデュエルの展開ルートを流してる動画が自動で再生されてて。それを見てたら歯を小さく噛みしめるままに眉を少しだけ顰めるみたいに。
一方で、それをしばらく見ている間にまた白い風景の上に水色の新しいツイートを表示したことを知らせる通知が出てきて。それを反射的に押してしまってからわずかに口を開けるけれど、でも、星田さんが一緒にシャドで遊んでいるメンツが、広告の漫画やボーボボにシャドをコラして混ぜてる画像やニコニコにあげてるシャドの音MADやBB素材の動画をくっつけてるツイートを何度もリツイートしていて。それを見た途端、すぐに目を数回握ったこぶしで何度もこすりつけてからスマホを閉じる。
そうしようとした途端に、最初は夕飯の写真を上げている友達のツイートを見たけれど、その下にあったシャドのツイートを見た途端、脇をしめがら肘を自分の体に締め付けるままにそれと同じ力をスマホを持ってる手にも込めて。中に空気が入らないようにする。
そしたら、そこには「木月流那だけは絶対に生かしておかない。木月流那のことを思うだけで胸がきゅーってなるし。一度考えたらもう止まんなくて、もう全然違うこと考えたいのにずっと木月流那のことだけ考えるようになる。あいつだけは刺し違えてでも殺す。死んでも木月流那のことを殺せるなら誰か継いでくれるはずだ。」って書いてあって。それを数秒間眺めていたら口をほんの少しだけ開けたままにじっと眺めてたら、またシャドのツイートが流れてきて。「木月流那が諸悪の根源」とつぶやいたのに気づいて、それを見てたら目を閉じてそこが震えそうになるのを押さえようとする。
それを元に戻してまた視線を戻したらそこに次々と星田さんがリツイートしてる仲間のシャドを煽るツイートや勝手なあだ名をつけているツイートが流れてきてて。それに私は目線を反らしたり戻したりを繰り返しながら見ているうちにもう一度息を強く吐きながらスマホを持ったままにしている手もそうじゃない方もそれぞれの頭の横の面に押し付けるみたいにしたら、それに対してスマホの周囲の空気に比べて冷たくもない感覚を味わいながらそこがわずかに上へと向けて滑り始めるのを感じる。
しかし、その瞬間また小さな通知の音がそこからも聞こえてきてて。それに気づいた途端私はまた顔を上げると、星田さんが私にシャドのツイートのスクショを送ってきてるものだった。そこには「ごめんなさい。最近全然配信出来てくて。でも、自分も配信したいです。配信を付けている間だけ少し強くなれる。マスクをかぶっても強くなれないけど。配信のおかげで自分自身が救われている。」書いてあって。それはさっき私を悪だと決めつけてた文章をツイートしてた十数分後に出たツイートだった。
それを見た途端、私は小さく息を下へと向けて吐くようにほんの少しだけ開けたままにしていると、肘を下へと落っことしたままにただただ目尻をおっことしていて。そうしているせいで歯に重力がのしかかるみたいな感覚をずっと味わうことになって。でも、それに対して辺りでは相変わらず何も音がしないままだった。
それを崩したのは私のほうで、息を強く鼻から吸ってそれを口から吐き出した。それと一緒に肩を動かして、それが終わったタイミングで肘に両方の手を乗っけたままにして体を起こしてそのまま何度も数秒間に1度ほどしゃっくりを繰り替えした。
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