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Lunatic  作者: コンテナ店子
第二部中編
115/216

第114話

「ハリー!」


 林の木の影からわずかに人の影が出てきた途端に両方の手のひらを下へと向けたままに立ち上がるけど、中腰くらいの感じで膝を曲げたままにそっちの方をまっすぐに見る。そのまま口から息を吸い込みながら目を開けつつ体を前へと出すみたいに。


 一方で向こうは少しだけ腕を前後に振る動きのままにいて、そのままずっと同じペースでこっちに近づいてきてるのに気づいたら、私も歩みを進めながら曲げてた足をまっすぐにしていくと共にそっちに一歩ずつ近づいていく。


 こっちが駆け足で近づいてたこともあって、早々にハリーのすぐ正面に来たと思ったら、向こうは腰を横にスライドさせながらそっち側に手を突きながらも口も横へと広げるみたいに。一方で私は自分の肘をお腹の辺りに押し付けながら頬を少しだけ持ち上げる。


 向こうの背中側ではこっちが近づいてきたせいか林の姿がさっきよりもよく見えていて、湿気を帯びることで木の皮がより濃い色になっているようで、その下の土も同じようになっている。さらに、そこからわずかな雑草たちがこっちの靴よりも背の低い様子だけを映してた。


 一方でハリーはポケットからスマホを取りだしてた姿勢から元へと戻ると、それと共に顔がバックライトに照らされてわずかに白くなっていたのが元に戻ったみたいで。またそれをポケットの中へとしまう。それからこっちも背筋をまっすぐに戻すみたいにしてたら、肩を落とすのと同じイメージで手も下に落とすと息を吐く。


 そのまま目尻も一緒にしてたけど、それで体が軽くなった気がしたら、すぐに林の方で何かがこすれる音がして。その途端にせっかく今まで楽になっていた部分がまたこわばる。そのまま息を吸いながら喉を締め付けると共に、両方の手を握り締めながら肩を上へと持ち上げるけれど、一方でハリー腰を回してそっちへと振り返るだけだった。


「こいつはただ着いてきただけだ」


 わずかないつもよりものんびりとしたみたいな声を出しているハリーはそれに続いて一度も言葉を止めずにゆっくりと話していた。それから歯同士を重ね合わせたままに鼻から息を吸い込むみたいにしていたけれど、それに対してそっちから出てきた志田さんはわずかな足を数歩ずつ進めながらこっちに向けて手のひらを上げながら見せるみたいにしてくる。


 それを見た私は、喉を一度飲み込みながら顎を自分に近づける。そのまま数秒間ただただそっちの方を見ていると、向こうは笑うような声をわずかに出したまま顔をほころばせる。


「木月さん、こんばんは」


「こん、ばんは……」


 向こうの一度息と一緒に出してきた声を聞いてから目線を誰もいない斜め後ろに向けるけど、そこにあったのは私の靴でへこんだままになっている芝生の様子だけ。でも、その途端私はわずかな声を出すようにしながら最初に一瞬だけ出た声を止めてから、その後にそれ以上に小さいわずかな声を出して言葉を続ける。


 でも、それ以降は向こうも話さないせいか周囲は静寂に包まれて、遠くから虫が鳴く声だけになった。一方で、私は何もないところを瞼を少しだけ落っことしたままに見つめていたけれど、それから小さな声を出して後ろへと向いて体を前のめりにしながら交互に自分の体の前に持っていくようにして杏のいるベンチへと行く。


 両方の手を近くになる杏の左手に重ねようとした途端、手袋越しに冷たい感覚を味わうことになって。気づいた途端に舌を口の上側に押し付けながら呼吸ができなくなるけど、それも一瞬だけにしておいて。その音を感じながら目を強く一度だけ紡いでから首を左右へと振ってから体をそっちへと向けたままにハリーたちの方へと歩き出していた。


「杏、こっちに来てくれ」


 向こうが立ち上がったタイミングでもう一度進みだしたところで体を杏の方へと向けたままに少しずつ歩いて行ってて、でも、背中から体温が少しずつなくなっていくのに合わせて少しだけ視線をそっちに寄せるみたいにしそうになるけど、でも、動かすのは首だけにしておいた。


 そのまま腕を出来る限りまっすぐに下へと落っことしたままにして小刻みに足を動かしていると、喉を押しつぶしているような感覚を味わった。でも、それも、後ろから2人のわずかに呼吸をしている感覚を味わった途端に視線を横へと動かしながら振り返ったタイミングで少し近づきすぎてたのに気づいて、私の方から小刻みに足を動かしてそっちから距離を取って杏の真横に移動した。


「心愛さんのために、僕もあいつを倒そうと思ってる」


 一度両方の手を握る音がしたのに続くみたいにその声が聞こえて。途端にハリーの斜め後ろにいたその姿が数歩歩いてその前に来た。その途端に私は息を吸い込みながら胸元を強く押し出すみたいに。


 一方で、ハリーは最初にこっちへと向けてきたままのポーズのままそこに立っているだけで。私はそれを数秒間見て視線を向けている間、目を細くすることしかできない。


「でも……」


 志田さんが言葉を進めるのが終わったタイミングで私も2秒くらい経ってそれの再確認が終わってから再び話始める。でも、それも一瞬で途切れて、ハリーの横を通り過ぎるみたいに回転しながら視線を横へと逸らす。そして、その途中で向こうが眉の内側同士をほんの少しだけ落っことすような表情をしてた。


 一方で私は自分の着ているパーカーの裾を掴みながらそのままいようとしたけど、もうその時には向こうから返事が聞こえてきてた。


「知ってるよ、もちろん」


 その声を聞いた途端に私もそっちを見ながら心臓がきゅっと締め付けられた感覚を味わって、杏の方へと握っていた片方の手を強く握りしめて。そのままにハリーの方を今度は一身に視線をしばらく見つめ続けている。


 けれど、向こうは眉を一瞬だけ上に持ち上げたままに唇に込める力を少しだけ抜くみたいにするだけ。それを見ていると私は強く自分の唇を下ので上のを押すくらいにしかできなくて。それからおでこを前へと持っていってそっちをじっと見る。


「そっか……」


 それから誰もしゃべってない中で私が口をほとんど動かさないままにわずかな口の隙間だけを作って言葉を漏らした。そうすると、また周囲が虫のなく音だけになって。それは私が杏の方へと足を近づけることでそっち側の腕がわずかに動いて音が鳴った時も全く同じであった。


 そのまま誰も動かずにただただ数秒間全員が立っているだけの時間がすぎた時、志田さんが足を斜め前に動かすことで私もハリーも見える位置に移動したと思ったら、そのまま目も口を開けるままに視線を左右に動かす。


「とりあえず、木月さんも僕の家に来る?」


 その少しずつ止まりながら出てきた声を聞いた途端、私はわずかな声が出て。そのまま足を一歩だけ動かしたけれど、それを追うみたいにハリーが続いて足をこっちに近づけてきてた。


「とりあえず今はシャドを倒すのが先だ。明日、あたしがタイマンをする。腰抜けも来てくれ」


  こっちに向けて片手だけを出しながらそこを言葉に合わせてわずかに上下させているハリー。それで出ていた声は喉に力を込めているようなものになっている上に、顔をこっちに近づいてくる。でも、私は自然とそっちに視線が吸い寄せられたような感覚があったけれど、舌を上側にくっつけしていたら、瞼を少しずつ落っことすみたいに。


 それから顎もだんだんと自分の体側に近づけると、視界からもそっちの姿がいなくなってて。それから握り締めてた手から力が抜けているのも感じる上に、パーカーの中に入っている体含めて体温が周囲の空気の中へと交じり合うみたいな感覚を味わう。


 それから、私が口を開けてわずかな声を出すした後数歩後ろに下がったけれど、ハリーはこっちを見ていたままに足を一歩も動かそうとはしない。目線を一瞬だけ上へと上げたままにしてそっちを見ていたら杏の手をいまだに持っている方の肘に自分の手を重ねる。


 そのままに目線を固定しているけれど、それに対してそっち側では芝生が等間隔に並んでいるだけで、私の足のいる場所以外は全部上へと向けてまっすぐに伸びたまま。そのまま夜の青と黒が交じり合っている空気の中に交じり合ってた。

読了ありがとうございます。

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