表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Lunatic  作者: コンテナ店子
第二部中編
107/216

第106話

 背中を曲げたままに頭を抱えて廊下に座り込んでいる私はただ1人そこにいると、曲がり始めている場所の付け根の辺りだけがでこぼこしている壁と触れ合っていて。そこの冷たさが体と触れ合っているような気がする。それに対して、わずかに目を開けている物の、そこもまつげで隠れてしまいそうになっているのを感じてて。視界はかなり霞んでしまいそうになっていた。


 見た目では白くなっている一方でそれが瞼の震えで少しだけ持ち上がるタイミングでは、周囲が少し離れたところにある非常口の明かりだけいかないせいで、辺りは緑色に支配されている上に、外を誰かが歩いているのか自転車で走っているのか、男の人特有の意低い声とそれに続いた笑い声もする。それのたびに、私は体を締め付けるみたいに肘を強く腿に押し付けた。


 でも、周囲では何も音が聞こえてこなくて自分のおでこに肘をぶつかるような感じの姿勢をしているせいか、それに対してただただじっとしていた間にわずかな音がしたのにも体が反応してしまう。


 でも、それで肩が狭まるような気がしたくらいでそれ以外には顔の向きも視界の広さも全然変わらないようで。その音が私のすぐ横で止まったのに気づいたのはまた別の音がしたからなだけ。その後に横で息を吸い込む星田さんが座ったいるのを空気の動きで感じ取った。


「木月さん、私の部屋、入れる?」


 そのわずかにささやくみたいに聞こえてきた星田さんの声に対して、私はそれと同タイミングで触れた肩がさっきよりも大きく反応してしまって。それと一緒に嫌でも顔をそっちに向けてあげながら目を大きく開けさせられた。


 星田さんの方へと肘の尖った場所を向けながら口を開けてそこからわずかな声を小さく小刻みに出し続けていると、向こうは口を紡ぐ。私の目尻が少しずつ下がっていくのを感じながらいるものの、それ以外に体が動いたのは体重で後ろに傾きそうになったのを支える左腕くらいで。それ以外は上半身だけをギリギリそっちに向けるようにしている体勢以外一切動きそうになかった。


「ごめんだけど、ここじゃ無理」


 静止している私に対してすぐに両膝に当てた手のひらに力を込めて立ち上がるその姿のせいで私の視界から向こうの顔が消えてなくなって。それと一緒にまっすぐでほとんど抑揚のない声が出てきてた。


 そう思った次の瞬間、向こうが自分から私の方へと背中を向けながら歩いて行ってて。その音は靴の裏側から発してるみたいだったけど、反射するみたいに天井にも音が響き渡る。でも、それに対して私は体を起こそうとするけど、でも腕に力を込めて体を持ち上がらせて、そのまま正座しているみたいな姿勢にしかならない。


 頭は地面側に向かっている一方で、髪の毛は体の方へと向かっているせいでそっち側の姿は髪の毛の影で暗くなってしまっていたど、ドアの前に行った辺りでそこが開けられたら、そっち側から入ってきている光のせいで体が白く輝いている姿が見えていた。


「あの……」


 私が最初の方だけ言葉を大きくしてそっちに向けて声を出すけれど、それで私はようやく膝立ちになるくらいにしか体を持ち上げられない。一方で足を止めていた星田さんは一度首だけでこっちに振り返ってきたと思ったけれど、その1秒後には足を小刻みに動かすみたいにしてこっちに近づいてくる。


 そう思ったけれど、その次の瞬間には足をゆっくり動かすみたいにしてこっちのすぐそばまでやってきたら、膝をまっすぐにしたまま顎を向けつつ見下ろしてきた。


「あのさ、木月さん、私言ったよね、ここのやつらはみんなそんな変わんないって」


 しゃがんでこっちと同じ高さに顔の高さを合わせて来るけれど、それと共に向こうは最初の言葉を強調しながら喉に力を籠めるような声を出してくる。それに対してこっちは心臓を締め付けるみたいにしているせいか体を小さくするしかなくて。


 そのまま向こうのいつもより少し低めになっている声をこっちに聞かせてくる。それに対して私は息をほんの少しだけ吸い込むこともできずに口の中へと冷たいのがただただ行き来しているのを感じるだけだった。


 その力ない表情のまま私はただただいようとしたけれど、星田さんは膝の上に両方の腕を乗っけたままに少しだけ口を動かすだけでそれ以外の個所はただただ制止させている。


「私は、あいつをおもちゃにして遊ぶ、それだけだから」


 さっきよりも言葉の語尾ごとに声を強調していくみたいにしている声を出している星田さん。それと一緒に膝へと力を籠めて横へと腕を向けたままに立ち上がると、それが完全に終わるよりも先に体の向きを変えて小刻みに足を進めていってる。


 それから前のめりになったままに歩いて行っているのに対して、私は歯を食いしばるとそこから音をギリギリ出るか出ないかくらいのとこで動かしたのに気づいて。その瞬間に目を開けたら、自分のメアリーたちと通ってたころから東雲の施設にいた時も、ここに来てからも着てた制服のスカートの姿が目に入った。そして、唇同士に力を込めたままそっちに振り替えるようにする。


「でも、あんなの、その……」


「私には関係ないんだよ」


 こっちが何度も言葉を数回繰り返すみたいに出してるのに対して、星田さんはまだ途中なのにすぐに言うみたいにどこにも抑揚がないみたいな声を出したと思ったら、もうすぐに言い終わってて。わずかに立ち上がろうとしているこっちに対して顎を使って顔を動かしてるだけだった。


 また腰を落っことしたままにしている私に対して、見下ろすみたいな視線を下ろしている星田さん。こっちは数秒間周囲から音が何もしないと思っていた後に、また口を開けてるこっちに対して向こうは未だ同じようになっている。


「でも、いくら何でもあいつは、明らかに」


「だから、私にはそんなの関係ないんだって。ガイジがぶっ壊れたらまた他のガイジに移るだけ。あんなのいくらでもいるんだよ。それに、あいつが言うには木月さんだってやったんでしょ? しらばっくれてるだけで」


 少しだけさっきよりも大きな声を出したこっちに対して一歩前へと足を出した向こうはこっちに顔を近づけてくる。そして、それと一緒に出てきた言葉はまた語尾やそれに近い位置に近づくにつれて強調するみたいに大きな声を出し続けていた。特に、最後のところはより言葉を大きくしながら抑揚をいつも以上に付けている。


 それを聞いた途端、こっちは自分の両方の腕を落っことすままに歯を噛みながら指を強く握りしめる。さらに、おでこをそっちへと近づけるみたいに角度を変えるけどそれに対して向こうは何もしてないのが足元でだけ見えていた。


「本当に覚えてないんだよ……!」


 わずかに、ゆっくりと止まり止まりに出したその声は自分では鋭く出したつもりで、ちゃんと耳にもその声が届く。でも、廊下の周囲の壁からそれが聞こえて来ることはなくて、私はただただまた同じようにおでこを前へと出したままに視線を床へと近づけるみたいにしていた。


「……だろうね」


 鼻から息を吐く音と一緒に出てくるその声に対してこっちは視線を顔の横へと向けると斜め下に向くみたいになって。そのままいるとすぐに星田さんがすぐに振り返って小刻みに足を動かしながら体を前のめりにして歩いて行ってた。


 そっちの背中を見ながら私はわずかな声を出すみたいにして。それと共にそっちに手のひらを見せるみたいに伸ばすけれど、それに対して向こうは何もせずに廊下全体にドアの叩かれる音をたててて。その途端に体がビクンと反応してしまう。それから、周囲からは私がただただそこにずっと取り残されるだけになってた。

読了ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ