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Lunatic  作者: コンテナ店子
第二部中編
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第105話

 目を細くしながら歩幅を限界まで小さくするままに足を動かしていく私だけど、それに対して後ろを歩いてた星田さんは右手の人差し指と中指をくっつけたままに顔のわずかに横辺りで角度を変えるように振った。


 そのまま体ごと角度を変えて私の方へと視線を向けないままにすぐ自分の部屋へと入っていってしまっていた。それに対して私は口を紡ぎながら目線を横へと向けるけど、そのドアがどんどん締まっていっているのを見ていることしかできない。


 それから、廊下で1人になった私は一度ため息をついて肩を落っことすけど、夜の青い色に染まったままになっている周囲の様子を眺めている。しかし、いつもと違うところは私の影が斜め横に向かって伸びてしまって床と壁を通ってから天井に頭の部分が振れそうになるくらい。


 首を斜め後ろに振り替えるみたいにしながらじっと床にできたタイルの隙間をただただ見つめる。でも、リビングの方から引き戸が動く音がしたと思ったら、それも早々にして一度ため息をついてから早歩きをして体を前のめりにした。


 それから、進んでいる勢いのままに自分の部屋のドアを開けたら、足の半分だけ部屋の中へと入ったみたいなタイミングで杏の背中が骨の形もくっきり見ることになって。その途端に背中をまっすぐにしていると、しばらくそのままでいそうになって。駆け足でその体に自分の体重を押し込む。


「杏……!」


 頭を大きく持ち上げるみたいに出したその声に対して、杏は何もしないでただただまっすぐにずっと立っているだけ。でも、息を吸い込みながら喉を強く押し込むみたいに。それでも、目を強く締め付けてたたらその周囲にたくさんのしわが出来上がってて。さらに指も同じくすることで杏の服のところにもそれと同じようなものが無数に出来上がってしまっていた。


 それから声を何度も出そうとするけど、それだけだと何度も咳があふれるみたいになってしまってて。そのたびに杏にそれをぶつけないために横へと顔を向けるけど、それから耳の少し上くらいの位置で髪の毛がそこと擦れる音がすると共にまた鼻をすすって動かす。


「ごめん、そんな、つもりじゃなくて……」


 声を高く出てしまったのに最初の一音で気づいたタイミングで後ろへと下がりながら頭を下へと向けつつ数歩後ろに下がるけれど、それに対して杏は何も動くこともなくて、下を向いたままに肩を落っことしながらその名前をわずかに呼ぶみたいに。でも、それに対して向こうは顔だけを振り返らせた後に肩もくっついていかせるようにしている。


 それから体全身がこっちに向いたタイミングで私は膝をつきながら顔に手を当ててため息をつくけれど、一方で杏はそこから全く動こうとしない。それを空気で感じながらいたら、わずかに膝が前へと出たみたいになった時にそこに教科書が重なって階段を作ったままになっているそれを見つめるけどそれは夜の中のわずかな光しか浴びていないせいでそのつるつるとした表面が何も反射したりしない。


 でも、それを持ったままに一旦カバンの穴を上へと向けてそれを全部適当に突っ込んでから横へと放り投げて杏の方を呼びながら視線を戻そうとしたけれど、その視線の端で立ったままになっていた教科書が背表紙を横へと広げるようにしているせいで、その中が見えていたら、そこが真っ黒になっていて。それを見た途端私は目と口を開けたままに息を軽く吸い込むみたいにさせられる。


 そのまま両方の手を胸の前辺りで爪を下へと向けたままにしてるのに、息は止まったままになっていてそれのせいで喉が苦しくなったのに気づいたら、音を立てないようにしながらそれを始める。でも、それに対して向こうは背表紙の重みに耐えられないみたいにそっち側が垂れたままになっている。


 ずっと中の方を肩でわずかに息を繰り返しながらじっと見ていたけれど、だんだんとそこへと近づきたいのに、数秒に1度だけ足が一歩ずつ動くようになる上に、つま先からかかとを落っこおすことになったと思ったけど、その振動を足の裏で感じ続ける。


 その間も呼吸を吸う方だけ強くするみたいにしているせいか胸が苦しくて心臓が握り締められるみたいなのを味わってた。そして、それは私が両方の手を肩からまっすぐに落っことしたまま背筋も同じようにしている間、目線だけを落として床に落っこちたままになっているそれの様子へと目を落っことす。


 でも、ずっと私がわずかに呼吸をする音だけを聞いていてから、膝を曲げてその中にあったものの中の一つを取ろうとするとその表面が私の影になってしまっていて全体が暗くなる。


 教科書やノートにも無数の落書きのような雑なバツ印が書いてあったのと同じように、私が手に取ったものの中も1ページの中に大きな1つとその周りのたくさんのバツ印が最初のページに書いてあって。さらに、私と同じ鼠色で前髪をギザギザにしている髪の毛を携えている少女が顔が目をバッテンにしてしまっている上に、赤色の口もギザギザの一本線で描かれていてる。その人は肌の部分を強い力を込めたのを表現するように線の1本1本が太く書いてある上に塗り残しになっている個所も多い。


 その絵を見ながらわずかに息を吸い込むのを口の中の唾液が動くので感じていたら、その横のページには真っ赤なボールペンで何の意味もなくただただ殴り書きにしている様子が見えたと思ったら、次のページにも全く同じ模様が跡になって残っているし、その次のページをめくった先にも同じものがあった。


 でも、私がページをめくっている間もそのたびにおでこが広がっているみたいな感覚がするし、喉も一度ひっこめるみたいな感覚を味あわされる。ただ、それに対して教科書の方からそれがわずかに動くみたいなのを手のひらで感じて。その瞬間に上瞼だけを持ち上げるみたいな感覚がして。でも、それに対して周囲は未だ空気が冷たいし音もどこからも聞こえてこない。


 しばらくずっとそのまま、両方の手で教科書の両方の表紙を持ったままにしていたと思ったけれど、また何かがその中で動いたような気がして。その途端に背筋を一気にまっすぐにするどころか胸を前に出すように腰を反る。余計に歯に強く力を籠めたせいで心臓が自分の胸を打つ音を等間隔で訴えかけられた。


 その時、また一瞬だけ振動がして。その途端に背筋をもう一度元に戻すみたいに息を吸い込む。でも、それと同じタイミングでまたその中で何かが動いた気がして。それのせいで手に力が抜けたと思ったら、ぱらぱらとではなく片方に重なってたページが1つの塊になったままに傾くみたいになって。その瞬間、その中でより深く黒くなっている個所があったのが視界に入ったと思ったけれど、そこで細い線が前後に動き続けているのが見えていた。


 ただただページ同士の重なりのところに落っこちるみたいになっているゴキブリを様子を見ていたのに気づいて、そいつがひっくり返って足をバタバタと動かし始めたせいで、それを落っことして背表紙が高い音を立ててカーペットとぶつかったのを背中で感じた時だった。


 そのまま四つん這いになって声を上げながら廊下に向かっていくけれど、その低い羽音を聞いた途端に息を吸い込みながら両方の手に全力の力を込めながらドアを閉じて。そのままに肩から何度も息を吸ったり吐いたりを繰り返してた。


「木月さん、どうしたの……」


 小走りでこっちに近づいてきてる星田さんの様子に気づいたのは、髪の毛を落っことしたままにしているせいでそっちの様子はそれの影越しにしか見えない。でも、それに対して私は息を吸い込むみたいにしかできなくて。周囲の何も音がしない様子をただただ見るみたいにしていた。


 一方で、最初はゆっくりと声を出すけれど、それに続いた後の言葉は最初だけ持ち上げてたら、だんだんとそれもまた小さくなっていくみたいで、聞いててこっちも声を出したくなるけど、でも、喉が全然動いてなくて、唯一そうなってくれてるのは目にこもる力だけだった。


 その間、最初は背中に両方の手を重ねて少しだけ体を前かがみにしている星田さんだったけど、でも、しばらくこっちの様子を見ていたら目を開けたタイミングでしゃがんだら両方の膝の上に自分の両手を乗っける。


「ごきっ、ごきが……きょう、教科書の間に入ってて……」


 私の口が動くのを顎の振動で感じながらいたけれどその声が何も何度も止まるのを繰り返していたのがようやく言い終わったタイミングで、星田さんの方からわずかな声が本当にかすれて空気の中へと消えていきそうな勢いで出ていたと思ったら、そのまま顔を下へと向けるみたいにスマホを操作し始める。


 そっちを私は見てなかったけど爪が当たる高い音を背中で感じながらいると、それと一緒に空気で向こうの顔の位置が後ろに変化している。そっちを見たら、目を大きく開きながらいて、そのまま動く音がないと思ったらそれはスマホから出てきてた。


「みなさんこんにちはシャドです。今日の配信は、もうすぐ終わります。誰か来るのを待ってたいですけど、木月流那が起きたらまずいので、視聴者が来るのを待たないでこのままいきます」


 そっちを見ようとしていたけれど、星田さんが眉毛を大きく持ち上げるみたいにしながらいるのをみたら、私も四つん這いになったまま動けずにいて。そのままいようとしたら、向こうもスマホを持ったままに自分の両足をわずかに開くみたいにしたままそこでずっと立っていたせいで画面が見えない。


 そんな向こうに対して顔を上へと上げようとすると、髪の毛もそれと一緒に持ち上がったのに気づいたけれど顔の上を一緒に滑るみたいになったせいで視界に邪魔になる。でも、私は顔をそのままにすることで白い肌と銀色の髪が交じり合うみたいになるし、影で黒くなっている裏側を私は視界で見ることに。


 でも、そうしている間も星田さんはただただわずかな環境の音がしているスマホをただただ眺めるみたいにしていた。


「あいつ、まじかよ……」


「見てください、これ、受けないですか? このゴキブリの数。これをこいつの部屋にばらまきます。ほら、あはは、木月流那、お前はそう簡単に殺しはしないぞ! ほら、死ね! お前みたいなうんこ野郎はこうしてやる!」


 さっきのゆっくりと1つ1つの言葉を強調するみたいにして話していたさっきとは異なり、半場笑っているような高い声から出てきたそれは、その笑いが頂点に達して話せなくなるタイミングで止まるのはあるものの、それ以外はずっと早口で話していた。


 しかし、それもその顔の半分以上を覆うみたいになる瓶のせいでゆがんで見え始めた上に、その中をはい回っているたくさんのゴキブリが甲だけでなく足がごそごそと動き回っている裏側まで見せている様子をも見せてきた途端、星田さんがスマホを手から落っことして、そのまま上半身を倒すみたいにしながら両方の口を押さえ、何度もそこへと咳を繰り返し続けた。

読了ありがとうございます。

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