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Lunatic  作者: コンテナ店子
第二部中編
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第103話

 星田さんが私の足の辺りに膝立ちになったと思ったら、こっちの膝の上に両方の腕を重ねたままに置くみたいにしてきて。私は両方の手の甲側を膝の上に乗っけたままに、さらに平へとスマホを重ねている。


 そこからいまだに音が聞こえなくなったままになっているその画面の上に浮かんでいるお母さんという文字をただただ見つめるみたいにしているのに対して、鼻をわずかに動かすと一緒にその音がしたら視線を上へと持っていくみたいに。


 数秒間そのままの姿勢でいたけれど、口から息を吐きながら視線を下へと向けるみたいにしていると、顎も自分の側へと向けてから親指を赤くなっているボタンへと触れると共にほとんど力を籠めないままにそこを横へと引っ張ろうとした。


「あっ、流那? 久しぶり。聞いたわよ、最近また別の施設に入ったって」


 その私よりも高い声をしている上に抑揚を大きくつけるみたいにしながらいたものの、特に語尾を大きくするみたいにしているそれを聞いた途端、自分の唇を開けてから喉に力を込めてタップしていた指を震わせながら力を出来るだけ籠めながらだんだんと元へと戻していく。


 それを離してから鼻の穴を大きくしながら星田さんの姿を目線だけで見ると、いまだ私の膝の先端に手のひら同士と顎だけを重ねるみたいにしていたままいて。目と目が合った途端に顎はそのままに顔を前へと出すみたいにして言葉なく催促してくる。それからすぐにまた目をスマホの方へと戻して口を開いた。


「あっ、あの……あの……」


「こっちは朝顔ちゃんが元気すぎてね、さっきも掃除機を倒しちゃってそれを元に戻していたから電話出るのが遅れたの」


 顔ごと左右に動かし続けている私に対してお母さんは言葉をさえぎってまた同じような声を出してきたと思ったけれど、1秒したかしてないかくらいのタイミングでどんどん言葉が速くなっているのに気づくと、途中で一度ため息をついてから息を吸い込んで言葉を進めていく。


 でも、それに対して私は視線を何もない横へと逸らすみたいにしながら太もも同士の隙間をなくすためにそこへと強く力を籠めるみたいにして、それから顎を自分の側に寄せながら足の肉が少しだけ平べったくなるみたいになるように腕に力を込めて押し込んでた。


「流那も見なさいよ、ほら、とってもかわいいでしょ?」


 それから、太ももの上におきっぱになっているスマホの画面のほとんどが白くなっているのに対してその光が私には届いていないのか、それが真っ黒になってわっかの白い箇所が回転している間もそこには私の姿は映っていない。


 それが終わると、そこには画質が悪いのかわずかにモザイクがかかるみたいに白くなっているままに丸いお尻をこっちに見せながらはいはいをしている赤ちゃんの様子をほとんどそれしか映さないくらいのアップで撮っていた。


 私は口を横へと少しだけ伸ばしながら少しだけ息を吐くことしかそれに対してできない。でも、一方でスマホを持っている親はわずかに手をブレさせながら高い意味のない声を上げたり下げたりして朝顔に話しかけ続けている。


「最近はいはいするようになったんだけど、朝顔ちゃん、もう手がかかって大変なのよ、そこもかわいいんだけどね。でも、私も仕事に早く復帰したいし、おばあちゃんに面倒見てもらえないか最近聞いてるんだけどなかなかオッケーしてくれなくて。流那の方からもお願いしてくれない?」


 目を落としたままに眉も下へと下げているままにしていると、気づいたら手をゆっくりと落っことすみたいにしながら手を滑らせていく。その結果当然のように滑って膝から手が落っこちて。そのまま顔からも力が抜けているのに気づいたのは、向こうが朝顔からスマホを遠ざけながらもそれを映像の中から出さないようにしていて、それから自分を画面の中に入れたままにピースサインをしていた時だった。


 でも、その様子が一瞬にして見えなくなったと思ったら、顔を一気に持ち上げておでこを使って目も大きく開けるみたいに。それに対してそっちでは眉をひそめたままにしていた星田さんが腕だけをこっちに伸ばしてきたままに人差し指をスマホの上に乗っけたままにしていた。


 同じ姿勢でずっといた様子をただただ見下ろすみたいにしているこっちに対して向こうも全く動こうとしない。そのまましばらく時間が経ったと思っている間、周囲から音は何もしなくて、それは向こうから言葉にならない声を出しながら視線を横へと逸らすみたいにした時だった。


「ごめんなんか……」


 頭の方だけほんの少し声を大きくするみたいにしてたそれだけど、でも、すぐにだんだんと小さくなっていってて。私も太ももの付け根の辺りに肘を突き立てながらその先端になる手の上におでこを乗っける。


 それから、星田さんが私のスマホを取って離れていく姿を見ていたら、そっちに近づけるみたいに背筋を曲げてって。喉を押し込むと共に目を閉じて。一度だけしわを強く握りしめるけれど、そこからすぐにだんだんとそれをなくしていった。


 そうしているだけで、閉じている瞼の間からわずかに外の光が入り込むような気がして、真っ暗なはずの瞼の裏がわずかに明るくなっているような気がする。でも、正面よりも少し横の辺りから空気が動くことで星田さんがこっちに近づくみたいにして動いているのに気づいて少しだけおでこに力を籠めて顔を起こしたら、目尻を落っことしながら唇を横へと伸ばすために頬を使う。


「いいって。もう知ってたことだから」


 そのまま息と同じタイミングで声を出すことでささやくみたいな声を出したら前のめりになったままにこっちに近づくようにしている姿を見ることになったけど、一度大きなため息をつくみたいにしているその姿を見ることに。それからそっちはベッドの上へと体を投げてから数回バウンドしてて。そのまま目を細めたままに天井を眺めていた。


 それから私も一度息を吐いてからそっちへと向き直って。足を使って体を前のめりにしながら寝転がっている姿へと近づくと、光がほとんどそこには入り込んでいないのか、ただただ上へと向かうみたいな顔をしている姿が布団ごと影になってしまっていて、座ったままに膝同士の間に手を置いている体勢で見つめている私の影がそこに入ることもない。


「直接言いに行くしか……」


「いや、他の友達に頼もう。大森さん以外に友達とかいないの?」


 顔の向きをわずかに変えるみたいにしながら息を吐いている私が何が起こるでもなく発した声の途中で、すぐに体を起こしながら話してくる星田さん。その様子は両方の腕を布団の上に立てるままにベッドと平行になりそうなくらいの形で顔をこっちに向けてきているその姿を眺めるみたいに。


 一方私はその顔を見た途端、反らしたままにしてた顔のままに目を閉じそうなくらいに瞼を下ろすと一緒に手から出来るだけ力を抜こうとするけど、その途端に勝手にまた右手がおでこにぶつかって。でも、それをどかすためにそこを滑らせて手を横へと払う。それから数回瞬きを繰り返している私に対してそっちにあるのは白く照らされているせいでその鼠色みたいな模様のカーペットをただただ映しているだけ。


 それをわずかに霞んだような視界の中で見ていたけれど、それと同じ瞬間に体が急に周囲の空気に同調するみたいに寒気を感じて。その途端に口の位置を整えながら椅子にもう一度座りなおすためにお尻を持ち上げた。


「じゃああれだ、私がやる」


 その声が聞こえた途端、視線をそっちへもっていきながら、ゆっくりと椅子の上にもう一度体を戻そうとした。その途中で急に音を持ち上げるみたいにしているその声を聴いた途端に、私も視線をそっちへと向けるみたいにしてる。


 星田さんはお尻をひっこめながら胡坐を掻く姿勢でマットレスの上に座ってて。それから体をこっちへと向ける。それから足同士が重なっている場所の手前辺りに両方の手を落っことしたままに背中を曲げて前後にゆっくりと体を動かし続けていた。


「いやさ、ガイジはやっぱ、自分で直接弄って反応見るのが一番の醍醐味だけど、こういうのもけっこう楽しいんだ」


 その声と一緒に肘を曲げて体をこっちに近づけるみたいな前のめりと一緒にそれを固定。そのまま特に強い抑揚も作らずにただただ話していくみたいにしているその声を聴いている間、私は唇を開けてからわずかな声を出したまま右手の平をそっちへと近づけるみたいにした状態にしようとしたけれど、その途端に指を落っことすみたいに。それに対して私は息を吸い込むと唾液が動くことがわずかにした。


 でも、星田さんがすぐにこっちに近づいてきたのに気づいて、それから私も体を後ろへ下げるみたいにすると、すぐに向こうは足を使って柵を乗り越えた後、姿見の前に立つと髪の毛を整えたり顔も軽くついたごみを払うみたいに手を動かし続ける。さらには、それから来ていた制服も同じようにしながら服のしわをなくすようにしていた。


 そんな姿を私はただただ、首を上へと向けながら見つめ続ける。それのせいで下唇が少しだけ開くみたいに動くけど、すぐに元に戻した。


「いい子ちゃんのふりしてないとさ、アイツがうるさいじゃん、木月さんも、やっぱあんな奴がいるし、こういう時は自分のこと優先した方がいいって」


 自分の目を鏡へと近づけるみたいに背筋を曲げたままにしてそこから全く体を手と腕以外には動かさないままにこっちへと言葉だけをかけてきて。その声は語尾で止まろうとするごとに少しだけ伸ばすみたいにしていた。それから、一度息を吐きながら背筋を元へと戻して。それと共に口元を横へと伸ばすみたいにしてながら振り返っていた。


 そんな姿を見ながら数回瞬きをして自分の姿を見ようとすると、そこにあったのは前の、メアリーたちと一緒にいた学校と同じデザインのままの制服。その光景を見たままに私は腕の関節を体に強く押し付けた。

読了ありがとうございます。

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