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魔王さま、働いてください!!  作者: 沢山 綱政
第1章 魔王…始動!
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02話 〜この世界の勇者はゴリラ系女子らしい〜

「勇者……?」


 勇者って俺、殺されるの?

 まあ、そんなことをするのはおとぎ話の中だけなんだけどな。


 ━━━━━ティクちゃんの社会━━━━━


 久しぶり? はじめまして? みんな大好きティクちゃんだよ!


 今回は勇者について話していくよ!


 勇者は人族の国で4年に1度行われる10~70歳まで参加できる大会で優勝すると手に入る称号だよ!


 ちなみに勇者の称号を手に入れると聖剣を貰うことができるんだって!


 まあ、こんな感じだよ!


 じゃあ、またね〜!


  ━━━━━━━━━━━━━━━━━


「勇者ってことは人族で最強ってことですよね」


 セアは驚いたようにそう尋ねてくる。


「ああ、人族の大会で最も規模の大きい大会だからな」

「また、お兄ちゃんに()びを売る泥棒猫が1匹増える……」


 アモネが何かを呟いている。

 ドアが3回叩かれる。

 あ、ノック2回はダメだよ。トイレの確認用だからな。


「誰だ?」

「はい! 私は門番のクアーラです!」


 水色の髪のクアーラという女性はピンと背筋を伸ばし、大きな声でそう答えた。


「なんの用?」


 アモネが機嫌の悪そうにそう尋ねている。

 この一瞬で何があった?


「門の前に勇者を名乗る者が……」

「ゆ、勇者だと!」


 今日、許嫁の存在を知ってこんな早く会うとは……。

 どうしよう、緊張してきた……。


「ど、どうしましょうか?」


 クアーラは少し怖がっていた。

 緊張のあまり睨んでしまったか?


「健気な女の子を怖がらせてどうするんですか」


 セアに軽蔑の目を向けられる。

 凄い見下されてる気分になる。


「す、すまん! とりあえず、勇者を応接室まで連れて行っといてくれ。 俺は身支度をしてから行く」

「……了解しました」


 クアーラは涙を軽く拭いてからそう答え、勇者を迎えに行った。

 相当、怖かったんだなー。


「さて、どうするか」

「勇者……早めに消すべきか」


  どうしよう、妹が凄い怖いこと言ってる。それよりも、勇者のことを優先しなければ……。


「とりあえず、会いに行ってみるか。 セアとアモネはそこで待っててくれ」

「いえ、私も行きます」

「わ、私も行くもん!」


 どうやら2人とも行く気満々のようだ。


 その頃、勇者を迎えに行ったクアーラはというと……。


         ▽▲▽▲▽


 さっきの魔王様は少し怖かった。

 本当に驚いていたのだろう。


「なぜ、私がこんなところまで来ないといけないのだ?」


 炎髪の女性が執事にそう尋ねているのが見れた。


「それは、魔族の魔王様が許嫁だからです」


 その執事は無愛想に答えている。

 だけど私は知っている。ああいう人ほど溺愛していることが多いのだと。


「むう、とりあえずどんな男か会ってみないとな!」


 しかし、執事の態度のことは気にしていない様子だった。


「勇者様、魔王様に応接室まで送るように仰せつかっています。」


 丁寧に話しかけた。

 ここまでは完璧!


「なぁ、門番さん」

「はい、なんでしょうか?」

「魔王とはどんな人なんだ?」


 勇者様は興味津々に尋ねてきた。ちょっと顔が近い気もする。


「そうですね、それは魔王様の妹様や秘書様にお聞きすればわかると思います」


「そうか」


 勇者様は少し残念そうにそう答えた。私だって知りたいくらいよ。


「こちらが応接室になります」


 そう後ろの2人に言い、応接室のドアを開けた。


         ▽▲▽▲▽


「どうもはるばる魔王城へお越しくださいました。 私が魔王のバロン・D・テーラです」


 第一印象は大切なので笑顔で迎えた。


 勇者のことを見ると勇者の目はなぜか輝いていた。俺の何か顔についてるか?


「わ、私はストーラト家の長女のメイラース・ストーラトと、言います! どうぞ、メイラとお呼びください!」


 メイラはそう元気に答えた。

 後ろから妹が殺意をメイラに放っている。

 安心しろ。兄は殺されないぞ、多分。


「ま、魔王さん? 後ろから凄い殺気を感じるのですが?」


 メイラは冷や汗をかきながらそう言う。


「俺のことはバロンでいいですよ。 あと、お互いに敬語はやめにしましょう」


「う、うぬ、バロンさんが言うなら」


「さんもいらないよ。 とりあえず本題について話そう」


 アモネからの殺意はいつの間にか消えていた。


「実は手合わせをお願いしたいのだ!」


 俺は目を丸くした。厳密に言えば多分、丸くなっている。

 しかし、メイラは話し続ける。

 てか、喋り方変わりすぎじゃね?


「今日は婚約者への挨拶だけの予定だったのだか、無性に手合わせしたくなってしまったのだ!」


 理解が追いつけない。ナンデ?


「お兄ちゃんと手合わせするなんていい度胸」


 アモネが誰にも聞こえない声でメイラに向けて何かを言っている。

 セアがメイラに自己紹介をしてないことに気づき、1歩前に出る。


「私は、バロン様専属のメイド、セアスティア・イースで、こちらがバロン様の妹様のアモネ・D・テーラです」


「私はメイラース・ストーラトだ。よろしく頼む」


 メイラももう一度自己紹介をした。

 セアさん、秘書が抜けちゃってますよ。


「それよりも、バロン! 手合わせを頼む!」

「……まあ、それくらいなら」


 恐らく引いていれないだろうと渋々受け入れた。


「では、闘技場までご案内致します」


 セアが扉を開け、俺たちは部屋をあとにした。

 ちなみにメイラの執事とクアーラはアモネによって既に違う部屋へと移動していた。さすが俺の妹。


        ◆◇◇◆


 闘技場に着くと俺とメイラは訓練用の木刀を持ち準備運動を。セアとアモネは観客席でその様子を見ている。


「なあ、なんで俺を戦いたいなんて思ったんだ?」


 嬉しそうなメイラにそう尋ねてみた。


「なんと言うか、凄く強そうだったからだ!」


 まさか、戦闘狂か?

 俺はそんなことを考えながら木刀を構え、真剣な表情になろうとしている。


「では、双方共に構えてください」


 セアが試合開始の合図を出すようだ。


「ルールは致命傷になる攻撃の寸止め、あるいは相手の無力化です。 魔法の使用は可能ですが、木刀以外の道具は使用禁止です。」


 セアが丁寧にルール説明をする。ちゃんと聞きやすい声量だ。


「では、はじめてください!」


 開始の合図と共にメイラは地面を蹴った。


 はぁ、一瞬で終わらせるか。一瞬で終わらせるのってかっこいいよな。

 木刀を持っていない左手を前に出し、呪文を唱える。


優しい悪夢(ナイトメア)


 一言そう呟くと手から黒い球体の物質がメイラに向かって飛んで行った。勝ったな!


「あれは、魔法だな」


 メイラは球体を見ると、木刀が金色(こんじき)に輝いた。


「はぁぁぁ!!」


 メイラが大声と共に球体を斬ると黒い球体が消滅した。


「ま、まじか。まさか、魔法剣を使うとはな」

「ああ、私をあまり侮らない方がいいぞ!」


 確かに侮ってた。少し本気を出した方がいいようだな

 全身に魔力を流し、メイラの方へ跳ぶ。


「喰らえッ!」


 身体強化を使い、全力でメイラに斬りかかった。さすがに倒れてないと困る。


 しかし、すぐに反撃が返ってきた。


「今のを受け止めるとか、ゴリラかよ」


 思わず苦笑してしまう。これすれば大抵のやつは倒せるんだぞ!

 てか、ゴリラ系女子って褒め言葉なんだぞ!


「では、今度はこちらから行くぞ!」


 メイラがそう言った頃には胸元にいた。

 新手の転移魔法か?


「なっ!?」


 驚くと同時にメイラが木刀を振った。

 そうして俺は大きく吹っ飛ばされた。

 こうなったら七転び八起きだ。死に戻りでもタイムループでもドンと来い!


        ▽▲▽▲▽


「これって、本当に木刀を使っているんですかね」

「私も同感」


 こんな戦闘を見てるとついこんなことを思ってしまいます。

 お城、――いや、世界を壊さないでくださいね、と……。


        ▽▲▽▲▽


「む、今の手応えは障壁を張ったか」


 メイラが言った通り、俺は魔法障壁を貼る っていた。セーフ! これで時間を戻らなくて済む。


「スゥー、ハァー、 よし」


 深呼吸をすると視界が薄く紫色になる。

 それはそうだ。目が紫色に変化してるからな。


「おっ、やっと本気を出してくれたようだな!」


 メイラはとても嬉しそうだ。


「ああ、それじゃあ、反撃だ」


 そう言うと同時にメイラを後ろに吹っ飛ばした。

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