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念い(おもい)  作者: カワラヒワ
3/3

 それからオレは、しばらくの間は、あの部屋の前を通るのがいやだったし、おふくろの顔を見ても、ちょっと気味が悪く感じた。

 

 それでも、日が経つにつれて、そのことはすっかり忘れて数年が過ぎた。

 

 その後、両親は離婚し、父親の幻を見るようになって、そして、すぐ後にまたおふくろの幻を見るようになったのだ。

 

 おふくろの幻は、年に一、二回は見ていたけれど、二年前におふくろが亡くなってからは、一度も見ていない。

 あれは、生霊みたいなものだったから、本人がいなくなったから、もう出てこなくなったってことか?

 

 ということは、現実の父親とはあの夏の日以来会っていないので生死は知らないけれど、

父親はまだ生きていることになる。


 「やっぱり、まだこの家から出られないな」

 マグカップにお湯を注ぎながら、オレは独り言をいった。

 

 どっちにしろ、二人の辛かった思いが、一刻も早く消えてなくなることをオレは願っている。



   おわり

読んで頂きありがとうございました!

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