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第40話 ドキドキシャワータイム

 俺はこれから、さらなる潜入調査に挑もうとしている!


 失敗したら、名誉を失うだろう。

 それどころか、命を落とすかもしれない。

 それでも、俺はやり遂げなければならないんだ。


「格好つけてますけど、覗きですよね?」


「理由付けしてるけど、犯罪っすよね?」


 呆れスラマロとゴレスケ。


「二度も襲われただろ? 紳士の振る舞いだよ!」


 女子二人は、汗を流すためにシャワータイムに入っている。

 その風呂場に、密かに潜り込むつもりなんだ。

 もちろん、二人の安全確認のために。


「変態ですね!」


「変質者っすね!」


 呆れ返るスラマロとゴレスケ。


「前は失敗したけど、今度こそ成功させるぞ!」


「本当の馬鹿だ……」


「本物の阿呆だ……」


 仲間の嫌味を無視して、俺は屋根裏に忍び込む。


「スラマロ、ゴレスケ、お前らは来るなよ?」


 そう仲間に釘を刺して、俺は屋根裏を進む。


「俺を応援してくれるみんなのために、覗きを成功させるぞ!」


 屋根裏を通って、シャワー室にたどり着く。

 湯煙の向こう側には、パラダイスが広がっている。

 俺は、ごくりと唾を呑み込む。


 ゆっくり進んでいくと――


 二つの人影が見える。

 どちらも裸らしく、体の線があらわになっている。

 すごいプロポーションだ。


「勝った!」


 勝利宣言した俺は中に忍び込む。


「ドキドキシャワータイム!」


 俺は歓喜の声を上げる。


「変態なのじゃ!」


「変質者ですわ!」


 そこにいたのは――


 エリスとナンナじゃなく、スラリーヌとゴレアンテ。


「どうして、お前らなんだよぉぉぉぉぉぉぉぉ!」


 俺は絶叫する。


「ワラワじゃないと、正体バレるのじゃ!」


「アタクシじゃないと、目的バレますわ!」


 スラリーヌとゴレアンテは怒る。


 二人は俺の正体と目的がバレないように、女子二人を追い出したらしい。

 ナイスアシスト?

 ふざけるなと、声を大にして言いたい!


「そういうことじゃないだろ! お前らは、期待を裏切ったんだぞ?」


 二度目の失敗に、俺は泣きたくなる。


「絶世の美女じゃぞ!」


「絶世の美少女ですわ!」


「お前らの裸は、まったく嬉しくないんだよ!」


 俺は嘆く。


「差別なのじゃ!」


「訴訟ですわ!」


「スライム娘とゴーレム娘には、需要がないんだよ!」


 俺は怒る。


「父上に言いつけて、縛り首にするのじゃ!」


「ゴーレムの人権大使に告げ口して、斬首ですわ!」


「上等だ!」


 俺は切れる。


 こうして――


 俺の潜入調査一日目は終わった。

 二日目?

 一日目と違って、本当にシャワータイムがあるといいなぁ。

 お読みいただき、ありがとうございます。

 完全に趣味に走ったネタ回ですね。

 次回以降は物語が一気に進み、黒幕との対決に向かいます。

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