神に目をつけられた男
片岡修平は無敵だった。
片岡は1分間だけ作中無敵になれる能力を備えていた。無敵の間の片岡はいかなる攻撃にもダメージを受けず、いかなる防御も貫く攻撃を行える最強無敵の存在。
しかしこの能力は1日に3回までしか使えない。合計3分間だけのヒーロー。さしずめウルトラマンだ。
そんな彼をこの時空以外に無限に存在するすべての平行世界を支配するまさに頂点とも言えるべきの存在、人はそれを神と呼ぶ存在が片岡に目をつけた。
片岡の出現は神が意図したことではなく、後に気付いたこと。この神は全能であっても全知ではなかった。
この世界は無限の可能性によって成り立つ無限多次元を統括するのがこの神である。
しかし、その無限多次元自体も別に無限に存在しているらしく、それらの無限多次元1つをまた統括する別の神もそれぞれ無限にいるらしい。
さらに、無限多次元を統括する無限に存在する神を統括する最上位の神が存在するといわれているが、単に無限多次元を統括している神からはそれらの神は知覚すら出来ず、その存在は不明である。
その最上位の神ですら無限に存在していて、その無限に存在する最上位の神を統括する最最上位の神が・・・とこの流れが無限にループしている。
つまり片岡に注目した神は最も下っ端の神である。その上位の神は片岡の人生の終わりまでもう見えていると思うが、上位の神は下っ端の神とコミュニケーションをとることが出来ないのだ。
下っ端の神は名を「歯ブラシ」と言う。歯ブラシのいう世界は歯ブラシによって好き放題に世界改変されまくりだった。もちろん下位世界である片岡の世界にも歯ブラシは自由に改変可能である。
その世界改変で歯ブラシは下位世界を舵取りしてきたが、この世界改変でも一切改変できない奴がいた。
片岡である。
下位世界の存在である片岡を歯ブラシは世界改変でなかったことにしようとしても奴は消え去らない。全能の神である世界改変ですら奴には通じないのだ。
片岡の能力は自分の意志で使うと考えなければ発動しない。しかし、この能力は自動防衛システムも備えており、一定以上威力の片岡に対して悪意を持った攻撃、行為に対して自動発動するのだ。
歯ブラシは全能の能力で片岡の心の中を覗いて秘密を知ろうとしたが謎の規制が入って片岡の心の中は読めなかった。
ちなみに心の中を覗き見るという悪意を持った攻撃は無敵にならずとも全て無効化されるのである。片岡には洗脳、毒、麻痺などは全てデフォルトで通じない。
この無敵の能力によって後天的に片岡に身についた体質と思われる。
そこで片岡に興味がわいた歯ブラシは神自らが能力で作り出した刺客を片岡に送り込んで反応を見ることにした。
「奴はいくら下っ端とはいえ神である俺をもってしてでも御することは出来ない。面白い奴だ。刺客を送り込んで反応を見るとするか」
歯ブラシは想像する。片岡にふさわしい刺客を。
「まずはパワータイプといこうか。黒人のヘビー級のチャンピオンボクサーだ。こいつを片岡と戦わせてみよう。世界改変や状態異常無効だとしても物理特化のこの肉体を持つ人間に果たして勝てるかな」
何も知らない片岡。物理攻撃は能力のタイミングが重要だぞ片岡。勝てるのか片岡。果たして片岡の運命やいかに。




