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クラスマッチ-作戦の話

今日は朝の鍛錬もそこそこに授業の準備をし、かなり早めに部屋を出た。

教室に着くとまだ俺ら3人以外には誰も来ていない。まだ6時半だしな。


「あと30分もしたらみんな来るだろうな。それまでどうしようか?」


「イリアス君はクラスマッチのルールほとんど知りませんよね?少し教えておきましょうか。」


「確かにそうだな。頼んだ。」


「これは昨日話したんですが念のためもう一度。クラスマッチでは魔法を使って敵勢力を倒すことができます。ケガしても勝手に治るので気にせずばんばん撃っちゃってください。」


「ああ、バラバラになっても生き返るとか言ってたな。」


「そうです。で、試合のルールなんですけど、まずクラスに大将と指揮官の役職を作ります。大将は1人だけですが、指揮官の人数については特に制限はありません。だいたい3、4人ですね。残った生徒はそれぞれの指揮官の下か大将の護衛に着きます。まぁ本隊と分隊に分けるってことですね。普通の生徒は死んでも5回まで前線に戻ることができます。指揮官は3回まで、大将が死んだらそのクラスは敗北です。」


「なるほどな。要するに大将が死なないよう守りながら敵の大将をぶっ倒せばいいんだろ。」


「口で言うのは簡単ですけど、実際は50人分の魔法が飛び交ってますからね。当たらないようにするだけで必死ですよ。」


「カノンは生徒序列でも下の方だからしょうがないわねぇ。それに大将や指揮官にでもなれば大変よぉ?自分のことだけじゃなくて他の人のことも守らなきゃいけないんだからぁ。」


「それくらいわかってます!あ、あとクラスマッチは2戦ありますけど、同じ日にあるので2戦目は体力も消費していてかなりきついんです。そこも考慮して作戦を立てないといけません。」


「本物の戦争みたいだな。ところで、その役職はどうやって決めるんだ?くじ引きか何かか?」


「まさか!基本的に大将はそのクラスで最も優れた人で、指揮官は状況把握に優れた落ち着いた人がなります。普通は他薦で名前の上がった人たちで投票して決めますね。」


「つまりフリージアちゃんは相当なキレものなわけか… 怒らせないようにしないとな。」


俺たちが話しているところへやっと他の生徒が来はじめた。最初に来たのは委員長のユキちゃんだ。


「あら、おはようございます。3人とも早いですね。」


「おはよう。さっき聞いたんだけど今日は役職決めをするんだろう?」


「ええ、そうですね。全員が揃ったら始めようかと思います。」




7時を迎える5分ほど前に全員揃った。


「では、全員揃ったようなのでクラスマッチに向けた話し合いを始めたいと思います。まずは大将から決めましょうか。この人がいい、と思う人を推薦してください。」


「はいはい!」


まず最初に、勢いよく手を挙げたのはカノンちゃんだ。


「私はイリアス君がいいと思います!」


まじか!?まさか俺を推薦してくるとは…


「イリアス君、候補に上げてもいいですね?」


「ちょ、ちょっと待て!確かに昨日学園長に言われた話じゃ、俺には異常な魔力があるのかもしれない。だけどそれをコントロールできるかどうかは話が別だ。事実昨日だって暴走に近かっただろ?」


「あと三週間もありますし、どうにかなりますよ!私が保証します!」


「せっかく名前が上がったんですし、候補になるくらいいいじゃないですか。いいですよね?」


「ぐぬぬ… わかったよ。どうせ他にも候補が出てくるんだろう。」


「では、他に推薦できそうな人はいませんか?イリアス君に張るくらい強い人は。」


おい、そんな言い方をしたら…


「…………………………」


ほら、やっぱりな。誰も手を挙げない。


「では、大将はイリアス君で決まり、ということでいいですね?」


ユキちゃんはニッコリと微笑みながらこっちを見てきた。こいつ絶対こうなることを予想してやがったな…


「では次に指揮官なんですけど、まずは人数ですね。今年は何人でいきますか?ちょっと近くの人と話し合ってください。」


みんながザワザワとしだす。席の近い俺とカノンちゃんとフリージアちゃんも向き合って話し始める。


「1つ聞いていいか?魔法にバリアみたいな感じのはあるか?他の魔法を弾く、みたいな。」


「あるわよぉ。ウォールねぇ。」


「フレイムもそうだけど、魔法の名前って安直だよな。もうちょっとどうにかならなかったのかね…」


「長ったらしい名前よりわかりやすいしいいじゃないぃ。で、それがどうかしたのぉ?」


「あるならいいんだ。俺にいい作戦がある。」




「そろそろいいですか?何かいい考えがある人は挙手をお願いします。」


俺はゆっくりと手を挙げる。どうやら他に意見を言おうとするやつはいないみたいだ。


「イリアス君、どうぞ。」


「指揮官は12人だ。そして2人班を12個作るんだ。」


「え?12…?当然何か作戦があるのでしょうね?」


「もちろんだ。試合が始まったらすぐに俺以外の全員は散開してくれ。敵の攻撃は2人で協力しながら対応して、できるだけ遠くに。孤立している俺を見たら敵はこっちに注意を向けるはずだ。」


「でも大将がやられたら負けなんですよ?25人を1人で相手できると思ってるんですか?」


「そこからが作戦だ。俺はウォールの魔法で耐え凌ぐ。頃合いを見計らってお前らは戻ってきてくれ。あとは包囲殲滅するだけだ。」


「確かにその筋書き通りに事が進めば勝てるでしょう。でもリスクが高すぎます。」


「俺なら絶対に大丈夫だ、信じてくれ。それにクラスマッチは2戦ある。なら1戦目はなるべく体力の消耗を抑えないといけない。これ以上被害の少ない作戦は無いと思うんだが、どうだ?」


「なるほどですね… わかりました。私はその作戦に乗ります。他のみんなはどうですか?」


確かにそれなら… とみんな納得してくれている。12班包囲殲滅作戦は採用されそうだ。


「決まりですね。ところで、そこまで見据えているのなら2戦目の作戦も考えていますよね?」


「ああ、もちろんだ。それは………」




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