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イベントの話

今日の一連の出来事は学園中に広まっているらしく、どこに行っても好奇の目に晒された。寮に帰ってからもそれは続き、正直うんざりしている。俺が部屋で1人ぼーっとしていたところへカノンちゃんとリナちゃんが帰ってきた。


「なーに1人で黄昏てんだよ!いじめられたわけでもないし別にいいじゃん!それだけみんな、あんたに興味深々なんだよ!」


「正直、俺は目立つのがあんまり好きじゃないんだ。家でも… いや、これはいいか。」


「でもさすが噂の転校生って感じでしたよね!あの学園長にあそこまで言わせるなんてすごいと思います!メリルちゃんにも剣で勝ってましたし!」


「魔法はともかく、剣は常に鍛えているからな。ところでさ、学園長の名前って何なんだ?未だに教えて貰ってなくてさ。」


「あーそれはですね… ちょっと訳があってですね… 知らない方がいいと思いますよ?」


「なんだよ意味深な… 別に名前くらいならいいんじゃないか?」


「いえ、変な名前だからとかじゃないんですよ。実は… 学園長の名前は誰も知らないんです。先生方でさえも。それに自称精霊ですし、学園の七不思議の一つなんですよ。学園長は。」


「なんだそりゃ。まぁ別にいいか、学園長って呼べばいいだけだしな。」


会話もキリのいいところでチャイムが鳴り、また3人で食堂へ向かった。




学園生活も二日目、今日も朝からフリージアちゃんに会い、少し話をした。彼女は北国の出身らしく、その独特な話し方は方言なんだそうだ。そして昨日とは違い朝食を学園長に邪魔されることもなく、のんびりと授業の支度をすることができた。


「イリアスくーん、行きますよー!」


「おまたせ、行こうか。」


リナちゃんたち最高学年はレポートと実技しかすることがないらしいので彼女は部屋に残ったが、途中で合流したセレンちゃんとフリージアちゃん、4人で校舎へ向かった。


セレンちゃんだけは別のクラスなので廊下で別れた。ちなみに学年は1から8まであり、それぞれの学年がA,B,Cの3クラスに分けられている。俺たちは7-Aだ。


「そういえば、もうすぐクラスマッチですね。イリアス君と同じクラスですし、今年は優勝したいところですね!」


「私は5年の時優勝したんだけどねぇ。それにしても6年間一度も優勝クラスにいたことがないなんて逆にすごいと思うわぁ。」


「クラスマッチって何するんだ?」


「クラス対抗の実戦形式の対戦をするんですよ。そしてその後に各学年の優勝クラス同士で対戦して、学園一のクラスを決めるんです。基本的に8年生が優勝しますけど今年はイリアス君もいますし、どうなるかわかりませんね。」


「なるほどな。でも実戦形式ってことはかなり危険なんじゃないのか?」


「確かに毎年死人が出てますけど…」


「死人が出るって相当だぞ!?」


「安心してください。クラスマッチが行われるコロシアムにはどんなケガでも治せるような術式が施されてます。たとえ身体がバラバラになっても生き返れるんですよ。」


「バラバラにって… 物騒だなおい。」


「クラスマッチまでだいたいあと20日だしぃ、そろそろ朝練と夕練が始まりそうねぇ。」




授業も滞りなく進み、放課後になった。俺も自分の頭がいいとは思ってないが、ここの授業はあまり程度の高いものではなく、ついていけないということはなさそうだった。きっとその分は実技の方に回されるのだろう。


「あ、みなさん、ちょっといいですか?三週間後のクラスマッチのことなんですけど…」


5コマめの授業も終わり、みんな帰る支度や部活の準備などをしているところへ1人の生徒が話し始めた。確かクラス委員の… 名前はユキ=マニケルとか言ったっけか。


「明日から朝練を始めようかと思うんですけどどうしますか?夕練はまだ始めなくてもいいと思いますけど。」


みんな口々に やりたい! だの えー… だの言っている。まだ少し温度差があるようだ。


「とりあえず明日は1時間早く、7時にはここに集まってください。朝ごはんはこちらに届けてもらうよう申請しておきますので、お願いします。」


まいったな。俺の朝練の時間も短くなるのか。まぁクラスで決まったことだし仕方が無いか。


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