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テストの話

5月の終わりになってようやくひと段落着いた。だいたい新学期始まってそうそう事件が起こりすぎなんだよ。俺なんか入学したばっかだってのに…

なぜ俺が一人、ベッドに腰掛けて愚痴ってるのかというとだな…


「イリアス君、勉強は捗ってますか!?」


「なんで魔法使うのにこんな勉強しなきゃいけないんだよ!歴史とかならともかく数学とか絶対いらないだろ!生きていく上で必要か!?」


「イリアス君… 私たちがやってるのはもはや数学じゃなくて算数ですよ… もっと頑張ってください!さもないと…」


「さもないと…?」


「"留年"ですよ。」


「……………。わかったよ。やればいいんだろ、やれば。中間テストくらい軽く突破してやるよ!」


「あと一週間の辛抱ですし、その意気で頑張ってくださいね!」


やるしかないと悟った俺は机に向かった。


「おぉー、やってるねぇ。まぁ定期テストなんてあるの今年までだからさ。」


「えっ!来年は無いの!?」


「そだよー。8年生は卒業試験がある代わりに定期テストが無いのー。落ちたら留年ってのは一緒だけどねー。」


「知らなかった… じゃあ私も勉強始めるね!」


「2人とも勉強するのかー。じゃああたしは訓練場にでも行ってこようかなー。」


訓練場… 今はただの耐衝撃構造の建物だが、クラスマッチの期間だけは大規模な設備が導入されて、そこへ来た生徒はVRによって作り出された仮想空間に飛ばされる。その理由は学園長曰く"混雑を避けるため"らしい。




「おはよぉ。今日も早いわねぇ。」


フリージアちゃんとの朝の会話も日課となっている。俺は神を信じていないから、礼拝の為に早起きするこの子の気持ちは理解出来ない。


「今日も朝の祈りか。」


「えぇ、そおよぉ。イリアス君こそ今日も鍛錬してるのねぇ。」


「魔法で倒せない魔獣もいると聞いたからな。魔道士になったといえ、剣の腕を鈍らせる訳にはいかない。」


「えらいわぁ。私は剣も弓も扱えないから、何か覚えないとねぇ。」


「武器は誰でも使えるが、魔法は魔道士しか使えない。せっかくその力を持っているんだ。そっちを伸ばすのに専念した方がいいと思うぞ。」


「そうねぇ。君は私の持ってないものをたくさん持ってるわぁ。私も君みたいに強ければ…」


「どうかしたのか?」


「いいえぇ、何もないわぁ。さぁ、もうすぐ朝食よぉ。行きましょぉ。」


彼女も何か秘密があるのかもしれない。だが、あまり詮索するのはよくないだろう。何も気づいていない振りをしておこう。




「おはよう…」


「どうしたんですかイリアス君!?ひどいくまができてますよ!?」


「今日はテストだからな… 徹夜で勉強を…」


「それは… なんと言えばいいか… ともかくお疲れ様でした。」


「さあ行こう… 1日一科目、5日間受ければこの苦しみから逃れられるんだ…」


ここまで来たらひたすら暗記するしかなかった… 早くテストを受けないと覚えたものが抜けてしまう…


「おはよー。今日からテストだねー。」


「本当嫌になっちゃうよー。」


みんなテストは嫌いなんだな。俺だけじゃなくてよかった… それにしてもカノンちゃんはあんまり嫌そうじゃないが… いや、魔法があれなんだ。きっと俺と同じくらいの成績なはず…


「じゃあイリアス君、頑張ってくださいね!最後まで諦めちゃダメですよ?」


赤点さえ避けられればそれでいいや。




ようやく受け終わった… なんで一科目あたり300分もテスト時間があるんだよ…


「イリアス君!手応えはどうでしたか!?」


「今日は語学だからなんとかなった… 気がする。数学以外なら赤点は多分ないだろうしな。」


「あらぁ?数学が苦手なのぉ?科学って数学の知識が必要だって聞いたことがあるけどぉ。」


「あれは簡単な計算ができればいいんだよ。なんだよ二次関数って!あんなのいらねぇよ!」


「そんなこと言われてもねぇ… ところでカノンはどうだったのぉ?」


「私ですか?私はまぁ… いつも通りですね。」


「仲間だよな…? カノンちゃんだってぎりぎりのところにいるよな…?」


「あぁ… 期待してるところ悪いんだけどぉ、 カノンは学年トップの成績よぉ。」


「嘘… だろ…」


えへへ、と照れ笑いしているカノンちゃんがなぜだか遠くにいるように見える…

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