第一話 ミッドウエー
取りあえず触りだけ書いてみました。
昭和拾七年(1942)六月五日
■太平洋ミッドウェー環礁近海
「敵機直上急降下!」
見張り員の悲鳴のような金切り声が第一航空戦隊旗艦赤城の艦橋に響き渡った。
その声に上空を見上げる南雲中将以下の面々。
雷撃を行おうと海面を這うように現れたダグラスTBDデヴァステイターを攻撃するべく、上空の零戦は降下してしまい、雲の切れ間から急降下を開始したダグラスSBDドーントレスを阻止する者は誰もいないかに思われた。
しかし、急降下を始めたドーントレスの先頭機が突然、横合いからの銃撃でガクッと力尽きたように明後日の方向へと墜ちていく。続く後続機は何が起こったのか判らないまま次々と野太い銃弾に貫かれ、有るものはパイロットが死んだか負傷したのか、フラフラと進路を変え、又あるものは主翼が吹き飛び、又あるものは空中分解していった。
それでもヤンキー魂の執念なのか、一機のドーントレスが炎を上げながら第一航空戦隊空母加賀へ体当たりを行った。
ピカッと閃光が走り、それから数秒後の“ドーン”と言う爆裂音が加賀の飛行甲板から聞こえた。それを見ながら南雲達は心配するが、航空参謀の源田実が落ち着かせるように話し始める。
「長官、大丈夫です。加賀も本艦も第二次攻撃隊を既に発艦後ですから、類焼はないでしょう」
それでも、心配そうに加賀を見る南雲中将と参謀長の草鹿少将。
暫くすると加賀から、“損害軽微、火災は鎮火しつつあり”の発光信号が送られ、艦橋は安堵に包まれる。
艦隊の上空にドーントレスを撃退した立役者が再度の奇襲を用心し気を引き締め編隊で旋回していた。
上空を見ていた源田実大佐が拳を握りながら『よっし』と叫んだ。
明灰白色のその機体は優雅な姿と特徴のある垂直尾翼を朝日に輝かせ、大出力双発発動機独特の力強いサウンドと強制冷却ファンの“キーーン”という音を奏でながら、艦隊上空を飛んでいた。
そうこの機体こそ、後にアメリカ兵から双発の悪魔と呼ばれるようになるJ1M2-Aの空母初見参の日であった。
なんか川又千秋先生のラバウル烈風空戦録風になってしまいました。




