対 面
今日中には今日中なのですが、これはひどい。
まさかこんなギリギリに更新するとは思いもしませんでした……。
只今、現在。
細身で筋肉質な男と、麒麟さんことニコが公衆の面前で喧嘩をしております。
……恥ずかしくないのかなあ。
喧嘩の始め、ボクシングなどで使うゴングが、鳴ったような気がしたのは空耳だと思いたい。
ニコは舌打ちをする。
「貴様、何故、ここにきた!!」
「迎えに決まっているだろ? 詫びがほしいなら、いくらでも詫びる。戻れ」
男は、表情なく言った。
男が何を考えているのか、あたしにはわからない。
ただかつてないほどの威圧を感じて、二人の会話を止めるのも憚りかねた。
ニコは、その下にいたというのだから、おくびにもださず平然とした様子。
……男もすごいと思うけど、ニコもすごいと思った。
「ここでも命令するのか。詫びなど結構だ、それにしばらく我は暇をもらう。手紙にも書いたであろうが」
「……机に放り出されたあの落書きのことか?どう理解しろと」
「貴様! 我が、まがりなりにも、一生懸命、書いた文字を、愚弄するとは、何事だ!!」
「事実だ、現に周りは誰一人解からなかったぞ。誰一人、な」
「強調するな!!」
辛辣ッ!!
男が話す言葉を、一言で表すならこれだろう。
きつい。
他人事だけど、泣きたくなった。
だけど男の言葉より何より、疑問に思うことが一つ。
……その4足で、どうやってニコは文字を書いたと。
男とニコのやりとりをしばらく聞いていると、なんだか子供が大人に食いかかっているような感じだった。
兄と妹の喧嘩のようだと思い、微笑ましく感じる。
「ああ、こんな男よりハナがよかった。ハナであれば、我を優しく労り、おやつも充実していたというのに」
「お前……結局、それか。そもそも家出の原因もこれだと思うと、呆れて溜め息がでる」
「うううるさい!! こおひいぜりいの怨みは末恐ろしいぞ!!」
……ん?
今、コーヒーゼリーって言った??
この世界に、コーヒーゼリーがあったのか。
いやいやそれにしてもニコの家出原因って……。
「下らんの一言に尽きるだろう?」
男は、あたしを見て言った。
よ、読まれてる?
……いえいえ違いますよ何も思ってないですよ。
思ってませんから!