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家族の話。

それから何度か眠ったり起きたりを繰り返した。

本当にヤバかったみたいで、ずっとシャルが付きっきりで魔素補給…を、してくれた。

なんか……もう色々と諦めた。

馴れちゃったというか…

最初はまだ精神的にも不安定なシャルに、俺の状態を教えるつもりはなかったらしい。しかし、この状態だと魔素を補給させるための方法が、魔宝石か快楽しかないため…シャルをつれてきたそうだ。

リラックと、リュウ、騎士リュースも時々俺の状態を確かめていた。

それから使用人のおばさん達二人も。

対外的には強盗にあったらしいことになっているようだ。おばさん達は俺と赤ちゃんが助かって良かったと泣いてくれた。

個人的にも二人は巻き込まれてなくて、良かった。

二人で働くには大きすぎる家だったので、二人はいつも忙しそうで大変そうだった。

そして二人だけが、あの家で俺のことを気にかけてくれていた。

なにせ、お手伝いのお駄賃をくれるのは、この二人だったのだ……使用人なのに。

二人は騎士リュースの家で働くことになったらしい。俺つきで。

うん、両親の家で俺にかまってると、サボっていると叱られたもんな…兄達はすぐ両親に告げ口してたし。

二人も嬉しそうで良かった。

ようやく視力も回復して、起き上がれるようになるとシャルは塔へと帰ることとなった。

なにせ二種の精霊に愛されし子だ。魔術の基礎や制御、常識を教えなければならない。

これまでここに居れたのは講師であるリラックが、休暇申請をしてまで付き添ってくれたからである。

俺が死ぬとシャルの精神が危険ということも、原因ではある。

ちゃんと魔術師となって塔に貢献すれば、好きに俺に会いにこれると教えられて、シャルのやる気は上がっていた。

まぁ、それまでも休日ごとに、リラックを引っ張って俺に会いに来そうではあるが。

そして…シャルとリラックが塔へと戻り…


俺はリュウと騎士リュースとの、話し合いの席につくこととなった。



回復した視力で、初めて見る騎士リュースは正しく老紳士だった。白髪に深い湖畔のような青緑の目、その物腰や表情、眼差しは老いよりも経験を感じさせるし…なんつーか、体も細身なのにがっしりしていて強そうなのが素人な一般人の俺でも分かる感じ。

老人の年齢には達していそうなのに、凄く若く感じるのだ。

ゲームで見た時にも思ったけど、男としてこんな風に歳が取れたら…と、憧れる理想の姿…だ。姉には絶対会わせたくないな、穢される。

しかしゲームの絵柄と、よく実物が繋げられるものだと、ちょっと自分に呆れた。でも、なんか似てるんだよな……

そんなどうでもいいことを考えている間に、二人はベッドの横に椅子とテーブルを持ってきて座った。

「さて、改めて自己紹介しようか、私の名はリュース。この国で騎士団長を務めている」

「リュウ…魔術師だ。塔を卒業後は魔法騎士として国に仕えることが、決定している」

リュースは俺を見て、リュウは無表情で俺から僅かに視線を反らして言った。

「リュクヤ、四歳です」

ぺこりと頭を下げる。

「君はどうして死にかけたか、覚えているかい?」

騎士リュースの問いかけに、思わずリュウを見る。

彼に、あの夜のリュウのことを言ってもいいのだろうか?と。

「うん、覚えているのだね」

しかし俺の反応が、十分答えになったようだった。

そしてそれはつまり、リュウの復讐を騎士リュースも知っているということで……

うーん、何を考えているか分からん。ゲームの世界では過去話にしか出てこない、死亡済みキャラだったし…ゲームの中でリラックが、リュウは義父を美化しているとか言っていた話も聞いた。

二つ名は高潔の騎士で、リュウの病を治す手段を探して、過労と心労で亡くなってしまった人…リュウの病が癒えれば、早々死にそうな気配もない。

穏やかさを保ったまま、騎士リュースは頷いた。

「君は、ご両親や兄弟のことを、好きだったかね?」

「へ?」

「正直に答えてくれるかな?」

リュウの纏っている空気が、ピリピリしだす。

いや、実際光の精霊がリュウにつられて、静電気現象を空中で小さく起こしているのだ。

綺麗だけど物騒だ。

あ…この答えで、俺の命運決まりそうだと思う……ゲームでいえば分岐点、か。

俺、相手に合わせるの苦痛なんだよな、選択肢も選択肢だったりしてさ…

まぁ、これは攻略方法のガイドなどもない、俺自身の話なのだから……死にかけた身としては、自分に正直にで構わないだろう。

「正直、どうでもよかったです」

二人の目が丸くなった。

だってなぁ、ほとんど放置で無関心で、浮かんだとしても「つかえない」とか「いたのか」とかいう感情だったり…年としては近しい兄達はもっとアレで、優越感と嗜虐性しか見えなかった。

あのままあの家で生きてたら、たぶん実質的ないじめが始まっていただろうと思う。意識がぼぅっとしていた頃から、蹴られたり、すれ違いざまに足を引っ掛けられて笑われるようなことはよくあったし。

最初、選択肢としては、家族との関係改善も目指す道の一つにはあったかもしれないが、俺は朦朧としていた感情を振りかえって早々に、ダメだこりゃと見切りをつけていたのだ。

「最悪、七歳になったら娼館に売られるという可能性のもと、日々その前にこっちから家族を捨てて魔術師の塔に行くぞと努力してたので…生々しい死体は初めて見たので驚きましたけど、それ以外は別に」

うーん、本当にこれっぽっちも感情は動いていない。


そう、見切りをつけた時から、俺こそ家族には無関心だったのだから、当然だろう。




騎士リュース・ゲームの中ではすでに死亡していて、リュウとの過去話にしか出てこない。高潔な騎士で、騎士団長を務めている。義息子を溺愛しており、実は親ばか?もっと甘えてほしいと思っている。最近リュウが自分を見る目に熱を感じてしまい、ちょっとドキドキしているが、年齢差を自身に言い聞かせ気のせいとしている。ゲーム世界では、リュウにかかった不治の病の治癒へと奮闘し、過労と心労で亡くなってしまったが…この世界では未定。高潔の騎士と呼ばれるわりに、イイ性格をしている老紳士。



回避済みバットコース・親兄弟輪姦コース

覚醒してから、家族間との関係を取り繕うとすると高確率で訪れた。少しリュクヤのことや体質に興味をもった長男が、魔術体質は娼館で重宝されると知ってまだ四歳の子供の体を悪戯しだし、それに弟達も加わる。父親も興味を持ち、手を出して妹を作るタイミングがなくなる。この場合、リュウが発病するまで誰も助けてくれる存在はなく、娼館に売られはしないが親兄弟専用の性奴隷化。勿論リュウが知れば親兄弟は惨殺だが、それまでリュクヤが正気でいられるかは謎。


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