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魔術師協会。

俺はシャルの手を引いて、魔術師教会を目指した。

シャルが起き上がって気づいたが、どうやらシャルは俺より年上だったらしい。

聞けば二歳年上だった。

…仕方ない、だって中身の感覚の方が強いんだ。


魔術師協会は、魔術師の塔の出張窓口みたいなものだ。

まぁ、そこに派遣されてる魔術師は、落ちこぼれの学生アルバイトみたいな奴らで、その割に威張っている嫌な奴らだ。

はっきり言って、シャルのことを塔に告げるよう言いに行くのは憂鬱だ。

けど

「ごめんな、俺子供だし六男で魔術師体質だから、七歳になったら娼館に売られる可能性高いんだ。これ以上シャルを助ける方法、思いつかない」

俺が精霊に愛されし子なら、塔が無償で世話してくれると告げた時から、まるで再び捨てられてしまうかのような暗い表情をしたシャルに、俺は卑怯にもそう言って謝った。

優しくしても、結局他に預けるしかない事情

相手は子供だ。だから、俺が同じ子供で力がないのだと、ちゃんと教えなければ分からない。

そしてある程度成長するまで、自分は捨てられたと思いながら過ごすのは悲しすぎるから。

「リュクヤ…ぼく、いっしょにしょうかんに行くよ?」

……そうだよねっ、こんな子供が娼館の意味を知ってるわけがないよねっ

そ、そんな純粋な目で見ないでぇぇぇぇぇっっ

「しょ、娼館はね…シャルのお父さんになる予定だった人が、シャルにしようとしたようなことや、もっと酷くて怖いことする人が、いっぱい来る所だよ……」

シャルは真っ青になった。

俺は慌てて言葉を続ける。

「俺もね、親に売られる前に、親を捨てて魔術師の塔に行きたいんだ。でもまだ魔力を発動出来ないし、精霊に愛されてもないから、資格がないんだ……だから、先に行って待っててくれる?」

シャルは半泣きの表情で、コクリと頷いた。


そして


少年の喘ぎ声と、肌のぶつかり合う音やら、粘着質な水音

扉を開けたとたん、カウンター内部で重なり合っている男どもに俺は硬直した。

うぎゃーっ、てめぇら、仕事中に何してやがるっっ

シャルはよく分からないのか、小首を傾げている。

「ん?なんだガキども、何か用か?邪魔だ、さっさと出ていけっ」

腰を振っていた男が、苛立たしげに指先を向けた。

空中に術式を書く。

水の飛礫

訪ねてきた客に魔術かよっと内心で突っ込む暇も無かった。

「うぁっ」

顔に向ってきたソレから庇うよう、腕でガードしたが、激痛とともに体が吹っ飛んだ。

魔術を飛ばした奴が「あ、まず」とか呟いていたが、壁に頭を打ち付けていて痛くて意識が朦朧としていた。

…誰かと繋がりながら、魔術を使うと威力が倍にも数百倍にもなる危険性がある…忘れていたなんて本当に使えない落ちこぼれだ。しかも、威力拡大していて子供を吹っ飛ばすくらいしか…って…と、内心で呆れていたら……正直それ所じゃなくなってた。

シャルが俺の名を悲鳴のように呼んで、それに呼応するかのように…炎と闇の精霊の力が吹き荒れた。

「よくも、リュクヤをっ」

次の瞬間、ドォオオオンッという大きな音がして…朦朧としていた俺の意識はそこで落ちてしまった。




それから、どれだけたったか分からないが、気づくとシャルに泣きながらキスされていた。

「ん…う?」

「リュクヤ、リュクヤっ、よかった」

「シャル?俺、いったい…」

体に痛みは無く…ゆっくりと身を起こす。

……魔術師協会は、半壊していた。

受け付けの辺りは特に酷く…何人か騎士と魔術師がうろついていた。

「お、坊主気づいたか」

声をかけられてそちらを見る。

シャルと俺の周囲には、寄れないみたいだった。

……あぁ、これアクラスの術として見たことあるや、闇の精霊の結界…黒い大蛇の形をした影が俺達を中心に丸く円を描き蠢いている。

これって中の人間以外が触れたら死ぬんだよな……


そして困ったように、こちらを見ている無精ひげの青年には見覚えがあった。


魔術師の塔の、講師で闇の魔術師…初の、ゲーム登場キャラだった。







ん、勿論初キャラではありません。

紹介は次回?


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