新事実。
そして、まったく話は変わるが…新事実が発覚した。
やっと図書館とかの本を読む余裕が、出来たからでもある。
『採取動植物図鑑』
なんと『味噌』も『醤油』も、この世界では植物の果肉と樹液だったのだ!
豆から作ってたわけじゃなかったっ
どうりで、赤味噌とか白味噌とかの種類がないはずだよっ!
確かに簡単調理法しか無かった世界で、味噌とか醤油が作られているというのもアンバランスだ。
試しに探してみたら、砂糖とか塩とかも、そのものが取れる実があるらしい。
勿論、岩塩とかもあるけれど…消費率としては実の方が多いらしい。
……食材や調味料に恵まれすぎてて、創意工夫ってのが発達しなかったんだなぁ…としみじみと思い…
とりあえず、手作り味噌の仕込みを始めた俺だった。
漬物とか干物とかも作りたいなぁ…
「俺…魔術師になるために塔に来たんだよな?」
味噌を仕込みながら呟いた。
あれ?料理人でも身を立てられそう?
「やめといた方がいいぜぇ?シャルのやつがまた切れるぜ」
なんとなくの呟きに、コジーィの言葉が響きロジーィが頷く。
時が止まるのは最高の保存法かもしれないが、発酵させたい物には不向きだから…二人は冷蔵効果のある箱を作ってくれながら言った。
温度的に、これから暑くなってゆく季節だからな…
ちなみに二人が得意な属性は、水と闇と風で、氷系統だ。物に力を刻む魔法陣製作も得意だから手伝ってもらった。
……俺、姉達のために色々作ってたから、当然スイーツのレシピも山ほどある。そして二人は甘党だ。
ちょっとした焼き菓子やプリン、ケーキなどで、彼らは最近自ら進んで色んなことを手伝ってくれるのだ。無償で。
いや、菓子が報酬といえば報酬なのか?
金を取らない=好感度マックスのゲーム設定が脳裏にちらつくが、完全に食欲前提の好感値なので安心しておく。
まぁ、まだ俺は七歳にもならない子供だしな…
そういえば娼館に売られる子供が七歳からなのは、魔術師体質の男の子供の使い道のない場所が性器として使えるようになるのが、その年くらいから…だかららしい。
そうゆう知識も改めて習った。
いや、子供を作る器官が成熟するのは、もっと大人になってからだが…入れられる場所は…ってことだ。
嫌なこと習ったな…でも行為は一応非常手段だから、仕方ないのかもしれない。
ちなみに女性の魔術師体質者は少ない…どうも子宮の中でも魔素を分解吸収してしまうらしく、子供が産めないのだ、その代わり凄く強い力を持っていたそうだが…その分なのか生まれる率が少ないのだ。
百年に一人…そうゆう設定までは知らなかったからなぁ…ちょっと気になってたことが知れてよかった。姉に女性の魔術師はいないの?と聞いたら、返ってきた答えは「だってBLだもん」だったしな……実はステフがサフルの子孫であるなんて、裏設定は姉に教えてもらったことはあるが。
「証明出来ないし、この驚愕の事実を共鳴してくれる人を求められないのが辛いだけの知識だな…」
「あ?なんか言ったかリュクヤ」
「こっちはそろそろ完成しますよ」
「あ、うん。なんでもないよ~、わぁ、すごいっ、ありがとうっ」
「こっちは冷凍庫、凍らせる方な…これで冷たい菓子が作れるんだよな?」
「うん、俺まだ凍らせる術式上手く操れないから、コジーィとロジーィなら作り方さえ覚えれば好きな時にすぐ作れるかも」
これからどんどん暑くなってく、アイスやシャーベット、かき氷…欲しかったんだよな♪
ひとまず…話を戻して
料理人でも身を立てれそうだが、確かに双子が言うようにシャルが心配だし…戦う手段に強さは持っていないと、やっぱり危険だろう。
塔の所属でなくなれば、双子の警護は外れてしまうし…個人で護衛を雇うにしても、その護衛を信頼できるかは怪しいし。
弱さはバッドエンドへの道を太くするしな。敗北ルートの約九割がエログロだ…残り一割が死亡コースだったが、マジで死んだ方がマシだったものっ
日本語魔術使えても油断できねぇよ……
ちなみに、普通の魔術の方は足踏み状態だ。忙しくて練習出来なかったし、日本語魔術の方もだ。
どうも料理関係のことで、上の方が忙しくて…日本語魔術に興味のあるサフルが立ち会えなくて…俺の『あの』魔術では練習場を貸し切りにしなければだし、練習場にかけられた守りと凝固の魔法陣が耐えられるかどうかも分からないからだ。
『あの』威力を止めたり出来るのは、時の精霊に愛され時の魔術を扱えるサフルだけだろうから仕方ない。
破壊してしまう物も、事前に時の魔術をかけておくと、壊れる前の状態に戻せるらしいし。
そういえばゲームでは、不老不死を望む貴族がサフルに愛された主人公を浚うルートがあった。
まぁ、時の魔術は基本、生き物にはかけられないけれど。
辛うじて植物と、時の精霊に愛されし者…そして時の精霊に祝福された者だけが『狂わずにいれる』
あんなとんでもない性格のサフルだが、精霊に愛された初めの頃…恋人に自分と同じ時を望まれて『狂わせて』しまった過去がある。
ハーレムを作っているのも、自分と同じ時を生きることのできる…精霊に認められる…不老不死を望まずに、自分を愛してくれる人を作るためだったりするのだ。
本当、重い過去が無いキャラは、料理人のステフと剣士のハッシュ、風の精霊に愛されし子のフルファくらいだろう。
土の精霊に愛されし子のキオは、優秀な土の魔術師の父親とちょっとしたすれ違いの誤解から、殺してしまうのだが……覚えているだろうか?
講堂を建ててくれた魔術師のリーダー的存在だったロワーズさん……キオの父親だったーっ
誕生日のプレゼントにケーキを作ってあげたいって、しばらくの間講義に参加してて、こないだお礼を言われて判明した。
なんかちょっとしたすれ違いで、自分は父親から疎まれてると思い込んでたようで、そこに誕生日で手作りのケーキである。わんわん泣いて心情を訴えられ、誤解は溶けたそうである。
うん、ロワーズさんは土の精霊の祝福受けてるんだよね…愛されし子を大切に思い思われてないと、祝福の対象にはならないってことを、彼は知ってたけど、子供のキオは知らなかったのだ。
そして知った時には、父親を殺してしまった後というのがゲームでの『過去』だ。
その話を聞いて、計算した…うん、ゲームでは魔術に関する本がプレゼントで、そこで塔入りの話をされ、捨てられるのだと思い込んで暴走してしまう誕生日……まさにその日だった!
まさかバタフライ効果が、意識もしてなかった所で起こるとは…
なんか見覚えあるはずだった。
引きこもりでホラー映画に出てきそうな髪の毛で全身を覆ったキオが、ハッピーエンドで主人公とくっつくと、ちらっと顔を出してくれるその顔とロワーズさん、確かに似ていたのだ。
あれ?もしかして引きこもりの毛むくじゃらにはならないのか?
まぁ、ロワーズさん死なない方がいいけど…キオは俺、毛むくじゃらのイメージが強いんだよなぁ……
※ちなみにキオのキャラ紹介は、直接リュクヤと会うまでお預けです。
敗北ルート
戦闘に敗北すると、実は約九割はエログロで死亡は一割と少ない…が、陸弥いわく「死んだ方がマシ」とのこと。
宣伝文句のエログロのグロはここ。




