妹は猊下です。
来年から小学校という私の屋敷に2つ年下のアナが来た。
貴族と農民の間に生まれながらも、神のお告げで生まれながらに猊下となった少女。
でも、それは私には関係ない話だと思っていた。
ところが、アナがうちに住むことになったのだ。
初めて会ったアナは傷だらけで、意識が無かった。
アナの一家が命を狙われ、両親が亡くなった。
十貴族であるお父様と同じく十貴族であるボルテール卿がアナの屋敷の周りを連日連夜探したがアナは見つからなかったらしい。
数日後、草むらから物音がしたため確認するとそこにはアナの執事のリュウが潜んでいたという。
「リュウ、無事だったのか?」
「閣下!
アナ様を…アナ様をお助け下さい!」
傷だらけで動けないリュウ。
「猊下は無事なのか?」
「あそこの洞窟に…
もう息絶えそうなのです…」
リュウが泣き出す。
兵士の一人がリュウを背負い、アナの元へ案内させた。
洞窟の奥でひっそりと死にかけていたアナにお父様たちが魔力を使う。
「とりあえずは大丈夫だ」
その言葉にリュウはホッとしたのか意識を失った。
それから、アナの伯父にあたるお父様のもとでアナは過ごすことになった。
従兄弟同士である私たち。
でも、最初お父様に言われたのは、厳しい現実だった。
「普段、姉妹のように接していい。
だが、忘れてはならないよ。
お前はただの貴族の子。
あちらは猊下だ。
立場を常に考えて生活しなさい」
こうして私の不思議な生活は始まった。




