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告白
「とりあえず、座ろうよ。まだ母さん来ないから」
そう言って、木下君は座り込んだ。私は言われるまま、隣に座る。
「今さっきのことなんだけどさ」
木下君の言葉で、ついさっきの出来事を思い出す。
「1個、言ってなかったことがあるんだ」
「う、うん」
王子様との至近距離。何だかドキドキして、木下君から目を背けてしまう。
「俺ね、二重人格なんだ」
木下君の声の震えが伝わる。
「二重人格?」
いつも笑顔の王子様にも辛い事はあるんだよね、人間なんだから。
「うん。俺が主人格の木下啓斗。もう1人は『罪の翼』」