13/38
王子待ち
部長に協力してもらいながら、私は木下君の分も準備していた。
被服室で私達は食べる。机は先生の使用する机以外に9つあり、6人ずつ座って食べるらしい。
私と木下君は、真ん中の机の一番前に向かい合って座る。
ちなみに横は部長。残りの3人は上級生。
私の準備も終わり、みんなで木下君が帰ってくるのを待つ。
「王子遅くない?」
「座る方のやつだよ、きっと」
「ちょっと汚いー」
「つか男ってしゃがむの?」
ざわめく被服室で一番聞こえる大きな声。木下君目当てで入部した2年生だ。
髪を茶髪に染めた先輩と明らかにメイクしている先輩、そして走るとスカートの中が見えそうな先輩の3人だ。
私よりは料理できるみたいだけど、基本的にサボってる。
……よりによって何でこの3人と同じ机なんだろう。