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二重彼氏  作者: 風宮吠魅
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天然部長

 私は部長を怖い人だって勘違いしてた。でも本当は天然の入った人だった。


 例えば、机に敷くテーブルクロスと間違えて、なぜか風呂敷を持って来たり。


 しゃもじと木ベラを間違えたり。


 部長曰わく


「厳しくしようとしないと間違えちゃう」


 らしい。


 今までは、威圧感しか感じなかった真っ黒のストレートヘアも、可愛らしく感じる。


「不思議です。今さっきまで怖い対象だったのにこんなに変わるなんて」


 そう言うと、先輩は顔を隠しながら逃げ、照れたのか、茶碗と汁椀を間違えていた。


 家庭科部に入って良かったかも。


 私は、笑いながらそう思えるようになった。

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