Realigi 29 終章──或いは──新章 「人として生きるために、生まれてきたの」
「……レ、レアリーギさん……」
ヴィヴィが、微かに言う。
「レアリーギ……」
アクティが、掠れた声で言う。
「……レ……ア……」
ビリーヴが、声を出す。
「━━⁉︎」
倒れたままの三人へ振り返り、リアライズは口を開く。
「おまえら、まだ生きて……。ていうか……おまえ、声……⁉︎ しまった、効果が切れ……」
ビリーヴは、諦めを知らないような目で、言った。
「レア、君に、生きる力を……!」
ビリーヴたちから、虹色の光が伸び、レアリーギの体に吸い込まれる。
「な、何⁉︎ レアのビリーザへの、最後の分の願いが発動した‼︎?」
リアライズは動揺し、起きあがるレアリーギから後ずさる。
レアリーギは立ち上がり、リアライズと、倒れ伏したビリーヴたちを見る。
「な、なんだ、この強い力‼︎? 化け物のような波動が、伝わってくる……!」
リアライズは、更に後じさり、誰も座っていない王座を振り返る。
「みんなの生きる意志が注がれ━━わたくしの中に眠る力が覚醒した……。
……そうだ。わたくしは、《《神仙の生まれ変わり》》……。リア、あなたはわたくしの双子だから、力があったけど……でも、独りきりのあなたより……わたくしのほうが……」
「━━へ、兵よ、来い‼︎ オレを助け━━」
氷で封印された扉へ手をかざす。
「━━⁉︎」
何も起こらない。扉の水は少しも溶けない。
「……都合のいいときだけ、助けを求める。……それって、あなた自身にも当てはまるのね、リア」
レアリーギは、気絶しているビリーヴたちへ手を向ける。
彼らの傷が、虹色の光と共にすべて治る。
「ねぇ、リア。三つの奇跡は、大切な人のために。そうして━━……大切な人たちから力をもらった今なら……」
レアリーギは、ビリーヴたちを見つめてから、リアライズへ歩み寄る。
「今なら、わたくしは、自分で奇跡を起こせる」
「━━⁉︎ く、来るな⁉︎ 王座は━━オレだけの、オレだけの、ものなんだよォォッッッ‼︎!」
「……そのイスは、ただのイスじゃないのよ。そこに座ることにより、たくさんの民たちの未来を━━責任を背負うのよ。あなたに、それができるの……。王座は、民のためにあるのよ。決して、ただ一人の王のためだけに━━専制君主のためにあるわけじゃない」
「嘘だよ! 王は、たくさんの民を搾取し、いい思いをし━━自分のことしか、考えない‼︎」
「民のことを第一に考える。それが、王じゃない? 王の暮らしは、万能じゃないわ。たくさんの自由や権利には、たくさんの義務や責任が付随しているのよ……•。君主制が絶対だとは言わないわ。でも……。王になるからには━━」
「理想論者! じゃあなんで、力でねじふせられ、泣く人がいるよ⁉︎ 戦に駆り出され、巻き込まれ、死ぬ人がいるよ━━………」
「理想で構わないわ。わたくしは、理想を捨てやしない。だって、現実を━━今の現実を受け入れるだけで諦め、理想を捨て、信じないままでいたら━━何も実現しないわ! 何かをじ続け、努力し続け、叶える━━。それが、わたくしの理想━━夢よ」
レアリーギは、悲しげに笑んだ。
「今なら、あなたを力で倒すことだって、できるのよ。その瞳を、別の他に変えてしまうことだって、わたくしの意志でできるのよ。でもね、リア。わたくしは、そんな力は望まない。わたくしは━━人として━━人として生きるために、生まれてきたの」




