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Realigi(レアリーギ) ━━世界が誰もに微笑むなら━━  作者: うさぎさん⭐︎


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Realigi 10 第一部 第四章 第二話 「愛し合っているのです」

 

   3


 第一王子ホープの獲物はアクスである。

 その巨漢に見合った大斧は、青き瞳の奴隷たちの血を吸い、赤く濡れている。

「おやめください、お兄様!」

 大剣を振り下ろし、ホープと戦うミストを━━弓を構えたハープがサポートしながら叫ぷ。

 ここは戦略的重要拠点の一つ。交通のかなめ、商業都市ホーリールードを守護するための砦。

 ここを取られるのは、ホープにはかなり痛い。奴らを王都へ近づけることに繋がる。

 累々《るいるい》たる双方の死体と。戦場に響くときの声。獲物の上げる音と、断末魔の悲鳴。濃い、血の匂い。

 ━━妹を操る、にっくき敵軍司令官━━ミスト。

 そう、操られているのだ、ハープは、このミスト(ばけもの)に。そうして、最近奴隷たちが祭り上げている、赤毛の小姫━━あの、魔王の力を使う、魔法使いに。

「私は、操られてなどいない! 自分の意志で、ミストについているのです! もう、何度も申し上げいるはずではありませんか……!」

 王都から離れた田舎、乳母の実家にほど近い離宮にハープがいたとき、青の革命軍と紫の正規軍が交戦した。町が、離宮が奴隷たちに占拠された。

 だけど、ミストは自分を殺さず、辱めず、身代金も要求しなかった。すぐに、解放してくれようとした。自分は軍人ではない。姫といっても、ただの非力な娘にすぎない。

 ハープはミストの善良で真摯な態度と、その汚れなき大義に打たれた。

 青も紫も関係ない。

 ━━真の、平等を。

 奴隷も、支配者もない世を創る……!

「ハープ、おまえは、操られ、騙され、利用されているだけだ……! 平等な世? そんなものを、誰が望む? 奴隷を搾取するからこそ、我らは華やいだ安穏な暮らしができる! ━━コイツだって、」

 ミストの剣を叩き折り、ホープは嗤う。

「たとえ父上を倒したとて、望は新たな支配者。柴の瞳を奴隷にしたがるに決まっている!」

 地に倒し、押さえつけたミストに、戦斧を振り下ろす!

 間一髪、ミストは脚に装備していた短剣をホープに笑き刺し、彼から離れ、態勢を立て直す。

 しかしホープも、すぐに立ち上がる。

「ミストは違うわ! 彼が真王になれば、この世は、青も紫もない、真の楽園になる……!」

 ハープはつがえた先を持つ手を震わせ、ホープに狙いを定める。

「お兄様、私には、子どもがいるのです!」

「「━━⁉︎」」

 ミスト、ホープとも、動きが止まる。両者とも、初耳だったのだ。

「……ミストの、子どもです」

 フリーズから解けたのは、ホープが先だった。

「貴様ァァァァッッッッ‼︎!」

 アクスをなんとかショルダーガードで防ぎ、後方へ跳ぶミスト。

「ミスト!」

 火球を飛ばし、革命軍と共に、周囲の紫軍しぐん兵士たちからミストをガードをしていたレアリーギが、剣をミストに投げ渡す。

 アクスを振り下ろし、ホープが吠える。

「俺の、俺のかわいい妹に、よくもォォッッ‼︎!」

「違います、お兄様‼︎ 私は、彼と━━ミストと、心から愛し合っているのです!」


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