章題2 僕らに何ができたというのだろうか。
僕は君を傷つけてしまった。
君が何より大切だったはずなのに。
今でも僕は君を愛してるよ。君が僕を愛さなくなっても。
君がどこへ行こうと構わない。
僕のところへ戻ってくるなら。
わかっている。この行為が許されないことも。
わかっている。僕が、僕たちの関係が、歪んでいっていることも。
それでも、僕は小さなお姫様の願いを、叶えてあげたかった。
なんて、言い訳だな。
深夜一時。少し肌寒くて、シーツを引き寄せる。隣で眠る僕の姫は、信じられないほど美しく、触れれば壊れてしまいそうだった。そんなことはないことを、僕が一番知っているのだけれど。
指が、ふれる。
「なに、おきたの?」
長いまつ毛を震わせて目を覚ました姫は、舌ったらずの甘い声で僕に問う。
「まぁね。音々は明日早いから寝なよ」
髪に触れると、音々はくすぐったそうに笑った。
「そうする。しょうちゃんも寝なよ」
「……そうする」
僕は短く答えて、姫が眠りにつくのを確認した。
柔らかな寝息が、都会の騒がしい夜に溶けていく。
「愛してるよ、音々」
こぼした本音は、喉が焼け付くような負担を伴った。
僕らは、愛し合ってはいけなかった。交わっては、いけなかった。
とりあえずプロローグです。
第二部始まります。




