ヴァンパイアと人間
きっと私が怜央にドキドキしているのは、今まで男の人と全然接してこなかったから!陰キャで男慣れしてなかったから、それでドキドキしてるだけ!
きっと、、ううん。絶対そう!
好きとか、そういうのじゃない、、はず、、、。
休日なのに早起きをしてしまって、特に予定もなくおうちでごろごろしながらそんなことを考える。
考え事しちゃって寝不足で、やっと寝たと思ったら早く起きちゃうし。もう!
今日は特になんにもないし、おうちでのんびりでもするかなぁ。
今日は怜央何してるんだろう……って!私なんであいつのこと考えてるのよ!
そういえばこの前お花屋さんの見学させてからお仕事見つかってない気が……そのうちこっちの世界で当分は暮らしていけるように教えてあげないとだなぁ。
気づけば頭が怜央のことばっかりで埋め尽くされてる。
まったく!世話が焼けるんだから!
私は世話焼きだったんだ!そうそう!
自分を言い聞かせるように頷く。
ピンポーン。
はーい、と玄関の扉を開けると安定の怜央さん。
怜央「ゆき、今日は休みか?」
そういえばお兄ちゃんの服に着替えさせてからずっとこの格好をしているような。気に入ったのかな。
ゆき「休みだけど、その服、、、」
怜央「あぁ、人間界に馴染むならこっちの格好の方がいいかと思ってな。」
毎日ちゃんと洗濯してるぞ。と得意げに話してくる。
洗濯はできてるのね。(笑)
怜央「休みなら暇かと思って、会いに来た。」
俺が来てやったぞという顔をして勝手に家に上がると彼は私のソファーに座ってくつろぎ始めた。
ゆき「あなたの家は隣でしょ!?」
もう!休みなんだからほっといてよ〜!
怜央「俺の家は隣だ。でも今はこっちに会いに来た」
行くあてがここしかないからな。とぶつぶつ言いながら、テーブルの上にあるお菓子を不思議そうに眺めて、これは食べ物か?とひとりごとを話している。
なんでそんなに会いに来るのよ!私じゃなくたって女の子はいくらでもいるじゃない、男だって!
怜央「ん〜……」
ソファーに横向きになると寝転がる体制になってくつろぐ怜央。
目にかかる前髪とまだ少し眠そうな目が色っぽい。
ゆき「ねぇ、怜央は何歳なの?」
怜央「人間界だと何歳くらいなんだろうな。見た目はゆきと同い年のように見えるが、吸血鬼界では100歳だ。」
ひ、ひ、ひ、ひゃくさい!?はて!?
またまたフリーズする私。
怜央「おーい、大丈夫か?……吸血鬼は老いないんだ。人間界に来る時は好きな年齢の容姿に変身する事もできる。もっと若返ることもできるしそれとは逆にもっと歳をとることもできるんだ。」
そんなに自由自在なんだ、、、!すごいなぁ。
今の怜央は人間界でいう18歳に合わせた姿なのか。
ゆき「吸血鬼さんも奥が深いのね、、、」
怜央「そんなこと言ったら人間こそだ。まだまだ知らないことも沢山ある。だからゆきに教えてもらいたい。」
ゆき「私もヴァンパイアのことは全然知らないからなぁ」
お互いWinWinか。
怜央、初めて会った時よりなんだか心を開いてくれている気がする。
これから、色々知っていきたいな。
せっかく出会ったんだし、ヴァンパイアのことを知ってみるのも悪くないのかも。