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出会ったばかりの彼


それから数日間、怜央の姿を見かけていない。

彼が人間界に来てお隣に引っ越してきた日から毎日家を訪ねてきては質問してきたり、家に勝手に上がり込んできたりの日々だったのにこの間彼が帰って行った日から姿を一度も見ていない。

あれからもう3日くらい経つ。

なにかあったのかな、本当に大丈夫かな。とさすがに心配になってきた。

家とか道端で倒れたりしてるんじゃ!?

やっぱりおうちに訪ねてみるべき!?お隣さんだし?一応!


私は隣の怜央の家を訪ねてみることにした。

しかし、インターホンを鳴らしてもノックをしても一切反応がない。

やっぱり、倒れたりしてるんじゃ、、、!

どうしよう。私のせいかな。

何も食べられてなくて死んだりとかなんてしてたら、、、!

血の気がサーッと引くような感じがする。

とりあえず1回自分の家に帰って考えよう、、!

「おい、どうした?」

帰ろうとした瞬間、聞き覚えのある声。

ガチャっと扉が開いて隙間から怜央が覗いている。

ゆき「わぁぁ!!!!」

怜央「おい、声が大きいぞ、びっくりするだろ。」

ゆき「い、生きてたー!」

よかったぁ、死んでなくて!

怜央「お前、俺が死んだとでも思っていたのか?」

ゆき「ごもっともです。」

その通りの図星をつかれたような顔をしてしまう私。

怜央「その顔はその通りみたいだな。ヴァンパイアはそんなに簡単に死なない。今は普通に眠っていたところだ。」

ゆき「いや、私があんなこと言っちゃって何日も何も食べてなくて倒れてるんじゃないかって、心配で、、、!」

勢いで思っていたことを彼に話す。

怜央「なんだ、餌になる気になったか?」

ゆき「ち、違う!バカ!///」

なんだ。違うのかという顔でこっちを見つめる怜央。

ゆき「とりあえず無事でよかった!ばいばい!」


すごく心配してたことを自ら怜央に言っておいて、言ってから恥ずかしくなって逃げるように自分の家に入る。また顔が熱い。なんなのよ!

あーあ、心配して損した!

でも、無事でよかった。倒れちゃってたらどうしようかと思ったもん。

てか、なに安心までしちゃってるのよ、私。

心臓がぎゅーっとなる感覚がした。


もし怜央が倒れてしまっていたら、私はどうしていたんだろう。助けてたのかな。それとも血を捧げていたのかな、、、。

人間と吸血鬼では住む世界も、生きる人生もきっと違うはずなのに。きっといけないことだってわかってるのに、気づけば引っ越してきた吸血鬼のことを私は少しずつ気になって彼に惹かれていってしまっているような気がした。

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