もうひとつの秘密
怜央「そのもうひとつはだな……一度異性の人間の血を舐めたら、その人間が死ぬまでパートナーとして契約が成立してしまうことなんだ。」
ゆき「え!!!そんなこと言ってなかったじゃん!」
ちょっとちょっとー!どういうこと!?
じゃあ私は怜央のパートナー、つまり血の提供者として契約が成立しちゃったってこと!?
怜央「だからひとつ伝え忘れていたことだと言っただろう。」
その忘れていたひとつ、がかなり重要だった気がしますが、、、?
ゆき「一番肝心なところだったじゃない!さっき私の血なんて舐めたりしなきゃそんなことにならなかったのに!」
怜央「それは本能的に血を求めていた、、ゆきが甘い匂いを放つのが悪い。」
人のせいですか!?
ゆき「人間には血の匂いなんてわかりません!」
あーあ、知らない間に突然現れたヴァンパイアと契約を交わしちゃったなんて、、、!
これからどうしていけばいいの、私。
怜央「ということだ。ゆき、お前は生涯を終える時まで俺のパートナーとして生きてもらう。」
ゆき「やだ。」
怜央「、、、、なんだと。」
ゆき「私死ぬまで怜央のえさってことじゃない!(怒)」
怜央はまぁたしかに。という顔で考える人のポーズをとっている。
怜央「しかしパートナーと契約が成立した以上、それは変えられない。俺達は今から吸血鬼とその血の提供者という契約で結ばれたんだ。」
なんって勝手なの!?このバカ吸血鬼!!
ゆき「私断ったのに!どうしてこんなことに、、」
怜央「俺だってお前をパートナーにするつもりはなかった。」
ツン、とした態度でそう言う。
じゃあなんで、私の傷口なんて舐めたのよ!
ゆき「そうだ!私と契約が成立してても、血は吸わずにあの血液ドリンク?だっけ!それを飲んでいればいいじゃない!」
怜央「仮にそういうこともできなくはないが、契約が成立すると本能的にパートナーを求めるようになる。つまり俺が我慢しない限りそれは難しいな。一応今契約が成立したことも向こうのブラックスピネルにも話は行っているはずだ。近々挨拶に行くことになるかもしれない。」
なんとまぁ、、そんなことに、、(このたった数時間で)
ゆき「れ、怜央が我慢すればいいでしょ!?///あんなよくマンガやアニメで見るような吸血?みたいなことされるの、私恥ずかしいし!!そんなことされたことないしっ!あ、挨拶ってなんの挨拶よ!///」
パートナーです。とでも私は紹介されるのであろうか、いや。えさです。かな。。。
もやもやと色んな事を考えてしまう。
怜央「わかった。ひとまず俺のせいだ、悪かった。とりあえずこの事は聞かなかったことにしてくれ。俺は当分お前には会わずに血液ドリンクで生きるようにする。」
これだけ話しておいて、じゃあな。と怜央は私の前から去ると自分の家に戻って行ってしまった。
なんか勢いであれこれ言っちゃったけど、吸血鬼って本当は人間の血をもらわないと生きられない。みたいなことマンガとかではよく書かれてるし、大丈夫なのかな、、、。って!!なに気にしてるのよ私!
どちらかと言えば私が巻き込まれ被害者でしょ!
私ももう今日は何も気にせずゆっくり休もう!!
その日はいつもより早くベッドに潜った。