2人きりの時間
お花屋さんに来てもう何時間も経過してるからそろそろ怜央も飽きてきそうかなとか思ったけど、未だに飽きている気配なし……!
興味深そうに店内の花を眺めている。
怜央「これはバラだな。俺の世界にもあった。」
何も聞いてないのに知ってることを得意げに私に話してくる。
ゆき「そう!それはバラだよ。」
手に取って怜央に見せてみる。
ゆき「あ、でも待って。刺があるから気を付けてね」
怜央「トゲ?このちくちくしているやつか。」
トゲも切って渡してあげよう。そう思った時だった。手が滑って棘で指を切ってしまった。
いたーーーい!こんなミス普段はしないのに!
ゆき「痛い!ごめん、ちょっと洗ってくるね」
洗いに行こうと思ったその時だった。
怜央にぐいっと腕を引かれて、棘で切ってしまった指は気づけば彼の唇に触れていた。
怜央「んっ、、、、ん」
私の手をぎゅっと握ると傷口から出血していた血を舐めている。
ゆき「え、ちょっと、!怜央!やめてっ、」
怜央「、、、んっ、」
こちらをじとっと見つめながら指を舐める彼は不覚にも色っぽく、ドキドキしてしまった。
ゆき「ちょっと、!あのっ、、/////////」
なんだか恥ずかしくて、変な感触。
怜央「やっぱり、甘い。ゆきの血は甘くて美味しい」
恥ずかしいことをしてきた後にそんなことを言われて尚更恥ずかしくなって顔が熱くなる感覚がわかる。
ゆき「洗ってくる!!!//////」
その場から逃げたくなって洗い場に駆け込む。
な、なんだったの!?あんないきなり恥ずかしいことしちゃってさ!
たしかにヴァンパイアだし、血が欲しいのはわかるけど!あんなに突然、、、。
怜央「ゆき、」
!?!?!?
背後から声が聞こえてビクッとする。
怜央「、、、、ごめん。」
怜央はそう言うと店を出て歩いて行ってしまった。
なにさなにさ!結局その後怜央は店に戻ってこなかった。
私はお仕事を終えて戻ってきた店長さんと片付けをした後お花屋さんから帰宅。
店長さん、怜央が帰っちゃった後に戻ってきて残念がってたなぁ。。。
てからあいつどこに行ったのよ!
私の指にあんなことしておいて!!
マンションに戻ると、私の家の前に怜央が座り込んでいた。
普通だったらこんなとこで座りこまれてなんかいたら不審者通報レベル100なのですが、、、。
ゆき「ちょっと、そんなとこでなにしてんの」
怜央「ゆき、、、今日はごめん。お前は俺のパートナーになれないってこの前言っていたというのに。つい本能的に我慢ができなかった。」
俺が悪い。と怜央は下を向いて落ち込んでいる様子だった。
意外と素直なとこあるじゃん。ちゃんと謝るタイプなのね。
ゆき「別にいいよー、気にしてないし。それにただの切り傷だったし。」
怜央「いや、実はまだひとつ、伝え忘れてたことがあるんだ」
ゆき「え??」
え、なにそれ、、!そんなの聞いてないよ!えぇー!?!?