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あなたはどこから来たの?


変な人だなぁとは思ったけれど、あれから数日が過ぎてやはり本当に変な人が隣に引っ越してきてしまったことを実感した。


自分の部屋に帰っていったその後も、、、


「おい!」と何度も私の部屋を訪ねてきては、

これはなんだ、あれはなんだ、の質問コーナー。

この人もひとり暮らしが初心者なのかなぁくらいで最初は思っていたけれど、あまりにも知識がなくて私でも驚く。

顔と容姿はかっこよくてイケメンって感じなのになぁ、、、様子がおかしいイケメンとはもしかしてこの人みたいなことを言うの!?


そんなことはさておき、ここ数日ずっとそんな感じなのである。

てか、私の呼び名は【おい】ではない!!

一体何者なんだ、黒河怜央、、、。

不審者だ!って通報する人もいない訳ではなさそうよ?まぁ、私は優しいからそこまでしないけど、、、。


とりあえず今日はお仕事。

いつもの花屋さんにてくてく向かう。

この前の休日はほとんどアイツの質問コーナーで潰されてしまった。ぜんっぜん休めなかったんだから!

けれど、花屋さんのお仕事は楽しい。

元々私は小さな頃からお花が好きだった。

大きくなったらお花屋さんになりたい!を大人になって本当に叶えたタイプだ。

そのため、今の仕事も楽しくやっている。

あんまり体は休まってない気がするけど、今日も頑張ろうっと!!


こうして今日も私は労働労働!


お仕事を終えて外は真っ暗、お店の片付けも終えると近所のスーパーで買い物をしてから家に帰宅する。

ゆき「今日も頑張りましたっと〜!」

ふぅ、、やっとおうちだ〜!

ガチャっと扉を開けて玄関に座り込む。

ゆき「お腹空いた〜……」

靴を脱ぎ終えると手を洗い、キッチンに向かう。

今日は疲れたし、ぱぱっと簡単ごはんにしますか!

スーパーで買ってきたものを広げ、簡単にごはんの準備をする。

今日はお魚が安かったから、お魚とごはん〜♪

準備を終えて食卓についたところだった。


ピンポーン……とインターホンが鳴る。

ほよ??こんな時間に!

夜はあんまり訪ねてくる人いないんだけど、誰だろう?まさかまた、、、。


………そのまさかでした。

怜央「よ。」

ゆき「なぁーにが、よ。よ!!」

怜央「美味しそうな匂いがした。」

まさかそれだけ!?!?

ゆき「これからご飯なの、あんたはご飯食べたの?」

怜央「ごはん、、、?」

怜央は不思議そうな表情を浮かべ、首を傾げている。

ゆき「そう。」

怜央「お前のご飯はそれか?」

ゆき「そうよ!それ以外なにがあるの!?」

やっぱり変な人〜……てか勝手に家に上がり込んでるし!!

ぐぅぅ〜、、、部屋中に怜央のお腹が鳴った音が聞こえる。

ゆき「まさか、ごはんまだ?」

ご飯の匂いに釣られて家に上がり込むなんて!!

怜央「ここに来た日から何も食べていない。」

たしかによく見たらやつれてふらふらしているような。

ゆき「は!?ちょっと!大丈夫なの!?」

怜央「食べるものがない」

食べるものは自分で用意するもんでしょ!と突っ込みたいとこだがもうこの男は少し変わり者?なのでほっとこう。

怜央はふらふらしながら私に近づいてくる。

ゆき「ちょっと!大丈夫!?」

怜央「………俺の、ごはん、、、」

ばたり!と私を押し倒すようにそのまま怜央は私の上に乗るように倒れ込んだ。

え!何が起きてるの!?てか、お、重たい、、、!

高身長で全身の体重をかけられている気がして身動きがとれない。

ゆき「う、うぅ、、!」

怜央「お前、ごはん。」

、、、、、、、はい?いま、なんて???

怜央「お前、いい匂いする」

よくマンガとかに出てくる、人喰いモンスターみたいなことを言ってくるじゃない!

私は食べてもおいしくないですよー!?

怜央はそう言うと私の首筋を指でなぞってきた。

ゆき「ひゃっ、、、!」

怜央「、、、食べていいか?」

ゆき「な、な、な、!!!!!何言ってんのよ!!」

その顔でそんな変なこと言って!何考えてんのよこいつ!

そう思った私は反射的な馬鹿力で彼を押し返した。

少しだけ反対側に体が動いた、、気がした。

どうしよう全然ビクともしない!

お、襲われる!?ひぇぇ!そんなぁ!

こんな引っ越してきたばかり&突然押しかけてきた男に!たすけてー!

そんなことを思っていると、またインターホンが鳴った。


その音に反応した怜央は1度私の上から退いてくれた。

その隙に逃げるように彼から離れる。

そして玄関の扉を開けると、宅配便を持ったお兄さんが立っていた。

宅配便のお兄さん「宅配便でーす!お隣がお留守のようですが、、」

あ!となり!てことは、、

怜央「あぁ、俺です」

宅配便のお兄さん「それでは黒河様宛のお荷物です。」

はいはい、と荷物を受け取るとお兄さんは帰って行った。隙ができたのでナイス!宅配のお兄さん!


ゆき「何が届いたの?随分大きな箱だけど」

怜央「魔界ストアからだな。」

ま、魔界!?厨二病かなにかですか???

たしかに出会った日も黒づくめコーデだったし、、、。

ゆき「なにそれ、、」

怜央「魔界ストアだ。魔界にしかないものが通販みたいに頼める。」

ダンボールを人の家で開けながらごそごそと中身を取り出す。


中には真っ赤な瓶が!まさか、血!?

ゆき「ち、血!?」

怜央「これは血液ドリンクだ。まぁそんな名前なだけでトマトジュースだけどな。」

ゆき「あぁ、よかった、、、」

怜央「あと少しで危ないとこだった、、、」

怜央は瓶の蓋を開けるとドリンクを夢中で飲んでいる。

余程トマトジュースが好きなのかな、、、?

謎が多い男ね。

ゆき「あんた、、、怜央はどこから来たの?」

怜央「俺?俺はヴァンパイアの住む国、ブラックスピネルから来た。」

、、、そういう設定!?

ゆき「ふ、ふーん???」

怜央「信じてないだろ。本当だぞ。」

にやっと笑った彼の口元には2本、吸血鬼の牙のようなものがついていた。

ゆき「ひゃあ!!!びっくりした!」

そういうドッキリ?これ!

怜央「俺はヴァンパイアの国から人間界に送り込まれてきたんだ。」

???頭にはてなが浮かぶ。

彼の言ってることがちんぷんかんぷんで頭が追いつかない。

そうか、私はやはり、とんでもない男に出会ってしまったのだ。

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