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1.アルマとカモミールティーと寝落ち

雲でも抱きしめているような感覚に違和感を覚えて意識が覚醒していく。


「あがっ!...ん?...んん?!」


飛び起きた。いつも寝ている煎餅のような布団ではなくふかふかのベッドで目を覚ました。

枕なんて特大サイズでベッドの横幅はどんなに寝がえりをうっても落ちなさそうな程広い。

無駄に大きすぎて床に降りるのも四つん這いで這っていかなくては行けなさそうだ。


「あ~...そういえば。お風呂に入れてもらってから記憶がない...。」


どうやら侍女のアルマさんにお風呂に連れられてマッサージを受けたところまでは覚えているのだが、そこから記憶が無いという事はいわゆる寝落ちしてしまったのでは...?


コンッコンッ


「ハイ!すいませんすいません!起きてます!開けます開けます!あっ!!イタ!!!」


扉をノックする音に驚いて急いで扉に駆け寄る...いや、駆け寄ろうとしてこけた。

もふもふな掛け布団に足を取られて顔からいってしまった。


「聖女様、開けてもよろしいでしょうか?お食事のご用意と、喉が乾いていると思いカモミールティーの用意がございます」


「あい...。起きてます...。開けて大丈夫ですぅ」


音もなく扉を開けてワゴンを入れた後、「失礼します」と断ってから優しく抱き起してくれる。


アルマさんは褐色の肌に黒くて艶のある長髪で背がとても高い。女性にしては身長が高めの170cmの私と比べても10cm近く高く見える。

付き合いはまだ数時間にも満たないがあまり表情が変わらないイメージが既に付きつつある。いや、完全にこれは偏見なのだが...。

クールな雰囲気と鋭い目元が整った顔に出来るOL感を付与している。


「ありがとうございます。アルマさん。ちょっとドジってしまって...恥ずかしい所を...すいません。」


「聖女様、昨日も申し上げましたがわたしは侍女にございます。どうぞ、アルマと呼び捨てで敬語も抜いていただければと思います。聖女様は王太子殿下とエレオノーラ様の大切なお方ですので」


そう言ってニコッとしたアルマさんの笑顔は誰かに似ていて滅茶苦茶ギャップを感じた。


「えっと、そうですよね。その二人とも偉い人で立場もありますからね...頑張ります」


「はい、よろしくお願いいたします。お食事の前にカモミールティーはいかがですか?リラックス効果がありますのでまずはリラックスして、体から力を抜いていただければと思います」


あの金髪のイケメンはやはりエレオノーラの婚約者で、恋愛相談されたとき私が無い頭を絞って何とかアドバイスしたエレオノーラの相手なのだろう。


それからソファに座って紅茶をいただきながら作業しているアルマさんを眺めていると昨日のことをふと思い出した。


「アルマさん...。ア、アルマ、昨日もしかしてお風呂に入れてもらって私寝ちゃった?」


「はい、お気になさらず。それほど聖女様のお疲れが溜まっていたと言う事です。それを少しでも軽くして差し上げられたのなら大変嬉しく思います」


部屋に入った後、小腹は空いていないか、お風呂に入るか聞かれてお腹も空いていたがお風呂を取ったのだ。

しかしそこで予想外だったのがなんとアルマさんがお風呂の世話をすると言ってメイド服のまま一緒に入ってきたのだ。


はじめは慌てて拒否したのだが、「失礼ながら聖女様の歩く様子を見たところ、右半身に少し傾いて負荷が掛かっております。マッサージの心得がありますゆえ、任せていただきたく思います」

あまり肌を見られたくなかったのだが、結局押し切られてマッサージを受けたのだった。


アルマのマッサージの腕前が良すぎて寝落ちしてしまって恐らくだが、服を着させてベッドまで運んでくれたのもアルマだろう。


初対面でこの対応はかなりやらかしているのではないか?

私の感覚では急にやってきた知らない人間の世話を頼まれて、業務に従事していたら勝手にベッド以外のところで全裸で寝てしまったのだ。


意識がない人間を世話するのはとても力と体力のいる作業だ。

ましてやお風呂に入っていたのだし、髪も洗う前だった気がする。

考えれば考えるほどアルマに申し訳がなくなってきた。


「アルマ、ごめんなさい。ありがとう、重くなかった?起こしてくれてよかったのに」


「いえ、これでも鍛えているのでお気になさらないでくださいませ。お食事のあとで王太子殿下とエレオノーラ様がお時間を作ってございます。体調がすぐれない場合は遠慮なく延期する旨を伝えるよう言われております」


「いえ、大丈夫です。むしろ私に時間を合わせてもらって申し訳ないです。急いで食べますと伝えてもらえますか?」


どうやら本格的に説明してくれるようだ。

正直目が覚めた時、部屋のありようで夢でなかったことにビックリした。


私がイマジナリーフレンドだと思っていたエレオノーラは実在していて、一生叶うことはないと思っていた顔合わせを果たした。

まだ現実を理解しただけで、受け入れて明日を考える余裕はないけれど早く食事を食べてエレオノーラの顔が見たいと私は心の底から思うのだ。


アルマは個人的に好きなキャラでほぼ初登場なのに設定だけやたら細かく既に決めています。


モデルになったものはあるのですが、皆様好きに想像してみてください!


私も読むときは好き勝手想像してます。


続き気になると思っていただけたらお気軽に☆☆☆☆☆を★★★★★にポチっとよろしくお願いいたします。

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