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僕と僕の婚約者筆頭候補②

「い、今なんと仰いました...?」


「その...だから...えっと...今まで申し訳ございませんでした...」


「.........」


今日は憂鬱な婚約者筆頭候補のエレオノーラとの久々のお茶会の日だった。


正直憂鬱な時間ではあるけれど、致し方ない。


側近のフィリップも声を掛けられる位置に居るだろうし、頑張ろう。


なんて思っていたのだが...。


初め彼女の表情は非常に暗く、思いつめたような印象だった。


彼女のそんな表情を見るのは初めてで、フィリップと顔を合わせて何事なのだろうかと警戒していた。


いつもはひたすら自分と自分の家自慢が始まって退屈極まりないお茶会なのだが、今日の彼女は相槌しか打たない。


ずっと下を向いて、両手でスカートと扇子を握りしめている。


何か言いたげであったので、思わず言いたいことがあるなら話すように促したのだ。


そうしたら...


「今まで、大変ご迷惑をおかけいたしました...。その...大変ご迷惑であったと...思います」


初めは耳が壊れたのかと思った。


「反省しております。しかし、婚約者候補からは降りたくないのです...。殿下さえ良ければ、改めてチャンスを頂きたいのです。


これからは心を入れ替えて、殿下のお役に立てるように精進してまいります」


ど、どういうことだ!?


ここから冒頭に戻るのだが、思わず言われた僕ではなくフィリップが聞き返してしまっている。


当の僕は絶句している。


このお茶会の前にエレオノーラは自宅で頭を強く打って意識が戻らない期間があった。


一応義務でお見舞いにも行ったがその時はただ元気がないだけのように見えた。


それから家から出る許可を両親が出すまでずっと自宅にいたらしいので随分久しぶりの対面ではあった。


三日会わざればなんとやら...とも言うが、これは余りにも変わりすぎている。


それからというものエレオノーラが勝手に執務室に来ることも、勝手に鍛錬に来て邪魔をすることも、勝手に一応まだ決まっていない僕の婚約者を名乗ることも、勝手に僕を舞踏会のパートナーにすることも無くなった。


それどころか、僕に絡んでくる令嬢を牽制する様子も無く、婚約者候補としてあれだけ嫌がっていた勉強も苦労しながらこなしていき、僕たちは逆に引いていた。


我儘令嬢として有名であったエレオノーラは今、木の陰からコッソリ僕とフィリップの鍛錬を覗いている。


いつもなら...


『その様な退屈な事はやめて、わたくしとお茶でもどうですか?』


なんて指南役が居る前で平気で言ってくるのだが...。


今は僕たちの邪魔にならない様に隠れて...まあ、隠れられてはいないけれど見ているだけだ。


フィリップは珍獣でも観るかのような表情を隠そうともしていない。


この前の舞踏会もいつもなら...


『さあ、殿下!踊りましょう!さあ!さあ!』


と会場のスケジュール等をすべて無視するのに...


「その、殿下。お嫌なら構わないのですが...一曲だけでもエスコートしていただけると嬉しく思います」


なんて言うものだから僕は驚きながらもエスコートした。


いつもは何曲も強請るのだが、何事か独り言を囁いた後それぞれあいさつ回りに戻るようになった。


フィリップは相変わらず警戒している。あの変わり様が怖いようだった。


悪いうわさは零では無いのだが、徐々に少なくなっていき最近では努力している話しか聞かない。


僕とフィリップは流石に真相と言うか何故彼女があそこまで変わったのか気になった。


そこで彼女が最近熱をあげている魔術の鍛錬や習い事をこっそり覗いてみることにしたのだ。


今まであれだけ邪魔されて来たのだ。黙って少し覗くくらい良いだろうと判断した。


と言うかフィリップが気になると煩かった。


そして空いた時間にエレオノーラを覗くようになって暫くして気が付いたのは、やたら独り言が多くなった事だった。


他にも魔術に秘められた才能があったのか、凄まじい勢いで魔術を習得したり、他の令嬢とも上手く付き合えるようになっていたり成長していた。


独り言以外は良い事ばかりであったが、肝心の更生した原因はすっかり闇の中...。


仕方がないのでフィリップと相談して本人に直接聞いてみようという運びになった。


「それは...その...」


初めは素直に答えてくれず、フィリップもヤキモキしていたが...。


「新しい友人に...このままだと殿下に愛想を尽かされると...言われて...はい...」


その時は詳しいことまでは教えてくれなかったが、これがきっとみさと様であったのだろうと思う。


のちにみさと様の事も教えてもらうのだが...。


自分が原因に関わっているのにも驚いたし、もしこれが本当なら僕に嫌われたくないから頑張ってる?なんて思い至ってしまった。


今まで厄介な存在でしかなかったエレオノーラが急に僕の中で存在感を持った瞬間だった。


そんな事がありつつも、僕は彼女と一線を引いた付き合いを続けていた。


そりゃあ今まであれだけ我儘三昧だったのだ。もしかしたらまた我儘三昧に戻ってしまうかもしれないし、相変わらずシルヴァ夫妻は彼女を甘やかしている。


フィリップはエレオノーラを珍獣扱いだ。


そんなある日、いつものようにエレオノーラを影から観察していた時だった。


彼女の前に複数の令嬢が現れて詰問されている状況に至った時、今でも忘れない彼女の気持ちに触れることtなる出来事が起きたのだ。


我儘だった子が急に更生するなんてリアルでは見たことないのでこれですごさが伝わると嬉しいです。


続き気になると思っていただけたらお気軽に☆☆☆☆☆を★★★★★にポチっとよろしくお願いいたします。

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