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主人公の最後

「本当にお嬢様も立ち会われるのですか?」


「まあ、居てもらう分には色々便利で良いですが...」


ここは薄暗い監獄...イルマと麻袋を抱えたフィリップに再三確認されるわたくし...エレオノーラ。


「あの女...恐らくみさとと同郷...。少なくとも似たような文化圏出身よ。それに、聞きたいことがあるのよ」


率先して前を進みながら今回、何回目かの尋問に参加する理由を話す。


「貴族との関係や他国との内通者のあぶり出しは済んで...あとはわたくしが聞き出すことくらいしか残っていないのでしょう?なら、何してもいいわけよね?」


「...ええ。イルマがヴィクターの尋問を徹底的に行いましたので。ある意味利用されていた彼女からはそれくらいでしょう」


イルマに徹底的にって...それ、生きてるの?


未来の王妃として知っておくべきだとは思うけれど今は目の前の事に集中する。


「お嬢様...」


なんでそんな心配そうな顔してるのよ...。


「ああ、帰ったらアルマとさっさと仲直りなさい。みさとが気にしていたわ...ほら、わかった?」


イルマの鼻頭を人差し指でトントンつつきながら誤魔化す。


「...はい、努力します...」


「では、開けますよ?ああ、みさと嬢を今度デートに誘います。その時はついて来ないでくださいね」


「は?ダメよ」


軽口を叩きながら彼女...ソフィアの牢に足を踏み入れる。


「彼女の能力の発現条件は接触、視界にとらえる、様々ありますが今は投薬で魔力を抑え込んでいます。異変があればすぐに退避を


まあ、禁薬の後遺症でそんな余裕も無いでしょうが...」


薄暗い牢の中、椅子に縛られて身動きが取れない女が一人...。


「あら、随分窮屈そうね。ソフィア」


「......あ、あんた......ひぃ!!!」


わたくしを見て...イルマを見てこの反応...なるほどね。


「イルマには随分お世話になったみたいね?どうだった?優しくしてもらえたかしら?」


「もう全部喋ったじゃない!!!これ以上何をするつもりよ!!」


まだ、割と元気じゃない...。


「全部?貴方は頭の方は余り優秀とは言えないようね...。手短に行きましょう。


主人公と悪役令嬢について聞きたいのよ」





結果から言えば正直おとぎ話を聞いているような気持ちになったとしか表現できない内容だった。


わたくし達の生きる世界は実は物語の中でそれを外から干渉できる世界がある...。


フィリップは半信半疑ではあったものの、実際に異世界から渡ってきたみさとと言う前例がある分、狂った女の狂言として片付けられないみたい。


「あの子、どうするの?」


「欲しかったですか?」


冗談じゃない。それにフィリップが明言しないという事は禁薬の影響で長くないか、貴族への見せしめのために派手な最後が用意されているかのどちらかだ。それを邪魔する気は微塵もない。


「趣味が悪いわ...。貴方こそ、その良く回る悪い口を治さないとみさととの関係は認めませんわ」


「それは、みさと嬢の決めることです。貴方も是非応援していただきたいのですが」


そんな軽口を叩きながら情報を整理する。


「わたくしは幼い頃に『このままだと悪役令嬢になっちゃうよ!』ってみさとに口酸っぱく言われてきたのよ。殿下に愛されないだけならまだしも...家ごと没落すると。


今のわたくしがあるのはみさとのお陰。


あの女の話いう通り、わたくしは殿下に纏わりつく厄介な女性の一人のはずだった...」


「ええ、らしいですね。殿下は初め、貴方との婚姻に消極的だった」


そうよね...。


「しかし、婚姻を結んだ。殿下が自分からもう出る形で。その意味を少しご自身で考えていただきたい」


なによ...。フィリップのくせに。


「...主人公にはこの世界から外れた理に準拠した力が備わっている。全く、厄介ね...」


「転生?転移?色々あるとか何とか...原理に関しては脅しても出てこなかったですし、ここまでかと」


ソフィアは”とらっく?”とやらに轢かれて、気が付いたら転生していたらしい。


彼女曰くベタな展開、使い古された”設定”らしい。


「イルマが絞った後なんでしょ?なら出ないわ。


...そもそもあの麻袋...本当にヴィクターが入っていたの?」


床に置いて、「これから少しずつ血がにじむように幻影魔術を掛けられませんか?」なんて細かい事を言われた時はどうしようかと思ったけど...。


「イルマが目の前でヴィクターの○○を○○って麻袋に○○いったをの目の前で見せたらしいです」


聞かなきゃよかった...。


「イルマ、アルマと仲直りする前にちゃんと手をもう一度洗いなさい」


「はい、承知いたしました」


結局ヴィクターはイルマに色々弄られて...あの貴族...殿下とわたくし達を冤罪で訴えたバックスよりひどい目にあったらしい。


罪を犯した王家の血筋など、あの王と王子がタダで許すはずがない。


「あ~...これはみさとには聞かせられないわ...」


結局、多くの貴族の悪事が明るみになり、殿下とエレオノーラ、みさとの地位が盤石になった今回の事件はこうして幕を閉じた。


ソフィアは禁薬に侵されてはいるものの、貴重な検体として秘密裏に弄られて死ぬか、見せしめになるか...そんなところだろう。


殿下...、このまま自分が婚約者のままで良いのか...。正直終わった事件よりそのことで頭がいっぱいだった。


だって、ソフィアが言うには私の最後は殿下の手によって下される哀れで残念な悪役令嬢。


全て信じたわけじゃないけど、みさとの言っていたことも相まってわたくしの心に暗い影を落とす。


これはエレオノーラがアルマとイルマに嫉妬して、そのあとアルマへの意地悪でお仕置きされる少し前の話。


ざまあとしてこれが十分な表現量かどうか分かりませんが、テンポを優先してサクッと終わらせてしまいました。


いかがだったでしょうか?


次回もお楽しみに!


続き気になると思っていただけたらお気軽に☆☆☆☆☆を★★★★★にポチっとよろしくお願いいたします。

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