表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

31/53

5.イースの運命とアルマの失態

「アルマに罰を与えます!」


今日はエレオノーラの実家、シルヴァ家のタウンハウスに挨拶をしに行く日であった。


エレオノーラの恋愛相談から一週間。未だ照れ屋は解消していないが本人のやる気はあるようなので長期戦になるだろう。


閑話休題。


話の焦点はイース、馬車にはねられた孤児であり、バックスから守るため保護していた少女。


アルマは少女の意外な所に目を付けた。


身体を洗ったり体に合うサイズの服を用意する過程で、とてもしなやかでバネのある筋肉をしていると報告してきたのだ。


始めは「ああ、アルマにとても重い心労を掛けてしまった。陛下のおにぎりを食べる様にも強要したし...思い当たる節が多すぎる...」と割と真面目に焦ってエレオノーラに相談した。


エレオノーラによると今からきちんと育てれば、護衛にピッタリだと言う意味らしい。


しなやかでバネのある筋肉は怪我に強く、伸びしろがあるらしい。


つまりイースはこのまま孤児に戻って暮らすか、公爵家の令嬢付き侍女のアルマの弟子として、厳しい訓練を乗り越えて主を持つか...人生の選択をすることになったのだ。


世間的に言うとこれは大出世であり、訓練は厳しいだろうが将来は確実に良くなる。


イルマも一口噛んでくれるらしいので英才教育と言っても過言ではないだろう。


けど、すぐにイースは首を縦に振らない。私は始め、この選択の意味が分からないから黙っていると思っていた。


するとエレオノーラが詰まらなさそうに...「貴方、わたくしのために死ねるの?」とイースに問いかける。


ギョッとしてエレオノーラを見るが、目がとても真剣だったので口を挟めなかった。


「ああ、不敬とか考えなくていいわ。まあ、そうねぇ~...じゃあ、このお姉さん...みさと、わたくし、そして貴方の友達、誰か一人しか救えないとしたら誰を貴方は選ぶのかしら?」


私は意味不明すぎる質問に絶句してしまったし、私はこんな苦しい質問には答えられないかも知れない...。


けれど、イースは早かった。


「聖女様...、お姉ちゃん...です」


エレオノーラではなく、私を見てはっきり答えるイースに正直びっくりした。


「ふふっ!...ふふふ...分かってるじゃない!いいじゃないこの子!気にいったわ!みさとの侍女にしましょう。アルマも休みを取らせないといけないし丁度いいわ!」


淑女らしからぬ声量でケラケラ楽しそうなエレオノーラの一言でイースの運命は決まった。


それから王城で一カ月、侍女短期集中講座を受けて本日から正式に私に付いたイース。


最低限聖女の侍女として失礼がない様にだけしてきたらしい。


他の仕事は実際にアルマとイルマが教育していく。


そんなイースに久しぶりに再会したのだが...様子がおかしい。


まず、お姉ちゃんと呼んでくれない。聖女様と呼ぶのだ。


口調も固いし...なんとか前のように話してほしくて...イースにひたすらお願いして...駄々をこねて...戻してもらった。


この原因はアルマにあった。行き過ぎた聖女様第一主義教育の影響だったらしい。


「アルマ、流石にやりすぎ!怒ったからね!それに陛下に口止めされていたとは言え、庭園でロバートさんが陛下だって気付いてて教えてくれなかったの、根に持ってるんだから!」


因みにあれから頻繁に庭園へ手伝いに行っている。これからもそのつもりだ。


以上の事から、私はシルヴァ家に向かう馬車の中で膝の上にイース、左右にエレオノーラとイルマ、対面にアルマ一人と言う偏った席にすることで罰としたのだ!


ああ、待って。ちゃんと理由があるの。


アルマはエレオノーラとイルマが恐らく大好き、その二人を私が馬車の中で独占するの。


そしてエレオノーラとイルマに狭くて窮屈な思いをさせて、これはアルマの所為であるとはっきり告げるのだ!


アルマ自身は広い座席に一人。侍女としてこれは由々しき事態のはず...!


けど、私にも誤算があった...。それは...


「あーせまいわ。これもアルマの所為なのねー。ああ、ナンテセマイノ。ナゲカワシイワ」


「ええ、姉さんの所為でこうして聖女様の腕を抱えていないと入り切れません。ああ、姉さんの所為で...」


「みさとお姉ちゃん、わたしはアルマさんの方に...」


イースの口にエレオノーラが飴粒をツッコんで黙らせる。


「あら、アルマ?なんでそんな小さくなっているのかしら?伸び伸びなさい。貴方は身長も高いのもあって、そちらに一人で座らせてるのよ?わたくしの好意を無駄にする気?」


「そうです、姉さん。いっそのこと、横になってしまうのはどう?きっとリラックスできるわ。ふふっ...」


二人がノリノリなのだ。


もう、アルマは無表情を崩して泣きそうだ。


「ふ、二人とも?それくらいで...」


「甘いわみさと。甘すぎるわ。それに普段からみさとと一緒に居るのだから、たまにはいいのよ」


ええ...なにが?


「あはぁ...いいですねぇ。こんな甘い攻めも...ああぁ、愛らしい顔。堪りません...」


「???イルマ?何か言った?...ごめん狭いよねすぐ着くらしいから...なんなら移ってもいいよ?」


「いえいえ、みさと様さえ不快でなければこの御腕(みうで)に触れていたく思います。不快でございますか?」


ごめん...本当にごめんねアルマ。軽い冗談だったの...。私、この二人を止められないわ...。


エレオノーラの悪役令嬢気質...想像以上だった。


本当にごめん、アルマ。


シルヴァ邸に着くまで、エレオノーラとイルマの攻めは続いた...。


私には口元をもにゅもにゅして耐えてるアルマの姿がはっきりと浮かびます...。


普段は無表情だけれど、弄りがいのあるアルマ。徹夜明けの自分の焼けた脳みそを褒めてあげたい。


アルマの話はちゃんと別に書くつもりなので、楽しみにしててください。


次回はシルヴァ邸での顔合わせと物語の進展を促せたらと思っております。


次回もお楽しみに!


続き気になると思っていただけたらお気軽に☆☆☆☆☆を★★★★★にポチっとよろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ