表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

20/53

9.謁見の場へ

翌朝、謁見の間にて貴族と現在王都に居る王家の方々と謁見する事が正式に通達された。


急に決まった風だが昨日フィリップさんに伝言で教えてもらった通りだ。


アルマと離宮の使用人達によって身支度を進める私。


因みにイースにはお留守番してもらうことになる。身分的にも立場的にも立ち会うのが難しい上に、連れて行っても居心地も良くないだろうしお留守番だ。


イースはあれから私の本来の色である黒髪に随分ご執心で「最近まであまり手入れをしてなかったからアルマとは比べないでね?」なんて言ったら首がねじ切れんばかりに首を振った後、「とても、きれいです」って褒めてくれた。


あまりに目をキラキラして言うものだから笑ってしまった。


なんだか年齢も合わせてかわいらしいイースには癒される。


黒髪の話からアルマは髪を切ろうとしたら、エレオノーラに止められたエピソードを私たちに話してくれた。


エレオノーラは髪の手入れを怠るとすぐ気が付くらしい。変なフェチに目覚めてないか今度聞いてみないといけないかもしれない。


準備もちょうど終わった頃にカスパール殿下にエレオノーラ、フィリップさんが私を呼びに来た。


三人ともいつも通り美形ぞろいだが、今日はいつもより更に綺麗に身なりを整えている気がする。


「実はお願いしたいことがあるの。おそらく途中で口を挟みたくなるような場面とか、わたくし達が劣勢かもしれないと思っても、黙って少し下を向いてジッとしていて欲しいの」


「え、えぇ...」


どういうお願いよ...。


「委縮してる演技って言うのかしら?どっちにしろ陛下がおいでになったら頭を下げなきゃいけないし一緒ね。まあ、任せておいて!」


「わ、わかった。黙って下向いておくわ...カスパール殿下、フィリップさんもそれでいいですか?」


「ああ、お願いするよ。貴族たちに少しだけみさと様の事を説明しなければいけないのでそこは多少許してほしい」


「場合によってはその場で魔術を行使していただく場合もありますが、基本的にはお任せを」


ようは黙って突っ立ってたらいいのだろうか。


今回、自分に何かできるとも思えないので、私は三人がどうか上手く事を運んでくれるのを見ていることしかできない。。


「じゃ、じゃあ、よろしくお願いします!」




謁見の間は王城中央の建物、その中腹に位置している。


大きく、重厚な扉の前には護衛の騎士が立っており、いかにもな雰囲気だ。


「さあ、行こうか」


カスパール殿下のそれを合図に、扉で待機していた騎士が扉を開けてくれる。


フィリップさんがそっとエスコートしてくれる。


出来るだけ目を合わせないように進んで行くが、中央の長く玉座に続く大きな絨毯の両端には多くの貴族と思われる人たちが並んでおり、私たちを見て各々相談や考えを巡らせている様子だった。


“あれが噂の...”


“確かに黒い髪だが...”


“黒髪であるだけなら南方の民族にも似たような...”


“宮廷魔術師もいるぞ...”


色々言われてる.........視線が刺さる。


どんどん進んでいき玉座の前にある三段ほどの段差を前に止まった。


カスパール殿下が進み出て、挨拶をするようだ。


「ルシウス卿、こちら聖女のみさと様です。陛下はまだ到着されていないのですか?」


現宰相、ルシウス・ド・ランギエール。


フィリップさんのお兄さんで若くして宰相に地位に就いた優秀な人だと聞いている。


「ええ、少し遅れるそうです。きちんと挨拶する前に些事を済ませても構わないと言われています」


「だそうですよ?オスカー・ド・バックス伯爵殿?」


ああ、あの馬車に乗っていた貴族だ。


オスカー・ド・バックス、バックス伯爵家当主で王太子派閥には属していないそうだ。


「な!なにを仰る!?このような大事な問題を前に!陛下抜きで話を進められると申されるのか!?


そもそも、カスパール殿下にランギエール家の次男坊が聖女を隠匿していた件について、陛下に裁決下していただくために!本日はこうして集まったのではないか!」


「ええ、私も陛下からそう伺っておりますが、一旦私がここで全容を聞いてから陛下のお耳に入れることとなりました」


え?王様来ないの?もしかして...意外にも適当な人なのだろうか?


「ランギエール家の当主がその家の次男坊を糾弾出来るのですかな?」


バックスさんが食い下がってるところに、玉座から近い位置にいるおじさんが口を開く。


「まあまあ、バックス殿。ここにいる者もそう暇ではない。時間は有限ですぞ。


それに幾ら宰相殿が陛下に脚色しようとも、ここにいる貴族全員が証人となるのだ。十分であろう」


明らかに位の高そうな人がバックスさんを諫めている。


「現国王の弟、王弟のヴィクター・ド・サンチェス公爵よ。陛下の弟君なだけあって権力を持っているから、関わらない方がいいわ」


私に内緒話のように隣から補足してくれるエレオノーラ。


正直誰が誰だか分からないので非常に助かる。


「サンチェス殿がそうおっしゃるなら......」


そう言ってバックスさんは前へ進み出て...。


「本日、皆様方に集まっていただいたのは、カスパール殿下とランギエール家のフィリップ殿がそこにおられる聖女様を隠匿されていた事実について、皆様に是非を問いたいと思った次第でございます」


始まった。この国の支配者層との顔見せ...私の処遇の是非とエレオノーラ達を糾弾する場が...。


私は足元の赤い絨毯をジッと見つめながら、どうかエレオノーラ達やお世話になったアルマやイースに類が及ばぬようにと、胸の前で手を組んで祈った。


今の私にはそれくらいしか...。


わたしは読者が登場人物一覧を作らなければいけないほど沢山キャラを出したくないのですが、孤児院回と今回で3名程新キャラが出ましたね。


書いてる方は特に困らないのですが、読者側はどれくらいまでなら登場人物をだしても良いかなどとても気になります


続き気になると思っていただけたらお気軽に☆☆☆☆☆を★★★★★にポチっとよろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ