File26.5木田編 名声を上げようとした者の末路
俺は木田和夫。藤松会直系高瀬組、幹部の男だ。
この間、弟分であった佐伯が死んだ。
会長である桂田が、佐伯の葬式を上げることを計画している。
しかし、俺はその葬式に参加するようなことをしない。何故なら、俺は佐伯の事が嫌いであった。
俺より優秀で、腕が立ち、舎弟の奴らから愛されている。
俺はそんな佐伯が嫌で嫌でしょうがなかった。
だが、佐伯が死んだ今、俺はとある計画を考えていた。
それは、チーム絵札の人間、特に幹部を殺害することだ。
今、藤松会はチーム絵札という半グレ組織と戦争をおっ始めている。
そんな中、敵対組織の幹部を殺せば、俺は地位は上がり、名声を上げることができる。
しかし、俺は知らなかった。まさか、この行動が自分を苦しめるなんて…
某日、この日は佐伯の葬式。高瀬組の組員の多くは葬式に参加していた。そんな中、俺と俺を慕う舎弟である白木と坂田は、とある廃工場にいた。
俺の知り合いである情報屋、楠木によると、チーム絵札の大安という男が、ヤクの売人と取引をするという情報を聞き、ここに来ているのだ。
大安を待つこと数十分。黒装束の男が現れる。
俺は後ろから刀で斬った。
「グアッッッッッッッ!」
ソイツは多くの血を流しながら死んだ。
「何をしている?」
後ろから声をかけられる。
「あぁん?」
後ろを振り向くと、そこには刀を持った男、大安がいた。
「貴様、藤松会の者か?」
「そうだよ。木田という名を覚えとけぇ!」
俺は大安に飛びかかる。しかし奴はすぐさま避けた。
「なっ」
「フン」
いつの間にか、俺は左腕を斬られていた。
「ぐぁぁぁぁ!」
俺は悶え苦しむ。そして。
「逃さん」
大安は、逃げようとした白木と坂田を切り捨てた。
「ぐはっ!」
「うべぇ!」
そして、大安はこちらに近づく。
「よくも、取引相手を殺してくれた。貴様は死に値する」
「そ、そんな!止めてくれ!そ、そうだ!藤松会の事を教えてやる!それで…」
「そんなもの、とっくのとうに知っている。たしか、楠木という情報屋から聞いたさ。その後、殺したがな」
「や、止めろ!止めてくれぇぇぇぇぇ!」
俺はこの言葉が辞世の句となり、大安は、俺を袈裟斬りで切り裂いた。




