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暴露屋∼社会的に殺す情報屋∼  作者: 蔵品大樹
第一部 藤絵戦争
11/139

File9 寺野勝

 俺は九鬼泰照。暴露を仕事にする男だ。

 さて、今回も依頼者は訪れる。

 今回の依頼者は、30代の男だった。名は、菱田敬一(ひしたけいいち)といった。

 「依頼内容を」

 「はい。自分の罪を人に擦り付けた男を抹殺してください」




 菱田は、とある会社に勤めていた。その会社の名は、『ウィング社』という貿易会社だった。

 ウィング社は大手で、多くの実績を出しており、巷では貿易会社といえばこれ!と言われるほどだった。

 とくに社長の寺野勝(てらのまさる)は、過去にまた別の貿易会社に勤めていたこともあって、貿易に関しては人一倍上手かった。

 しかし、この会社に居たが故に、菱田は不幸を負ってしまう。

 そんなある日、菱田は、業務上横領罪として、警察に捕まってしまった。

 無論、彼は無実だった。それを訴えるも、横領の証拠も残っていて、菱田は、やっていない罪を、認めざるを得なかったという。

 そして、裁判所で有罪判決が決まり、10年ものの月日を棒に振ってしまったのだ。

 勿論、会社を辞めることになり、一文無しで無職。家族からは見放され、ホームレスになったのは出所して直後だった。

 それから一年後、またウィング社で横領を働いた者が捕まったのだ。

 それを怪しんだ菱田は、会社の闇に詳しいホームレス仲間に、ウィング社について聞いた。そして、その友人からこんな情報が出た。

 『ウィング社の社長である寺野は、横領をして、それを社員に擦り付けている』

 無論、菱田は声が出なかった。まさか、あの時の事件が冤罪だったということに。

 そして、ここに来たのだとか。

 「お願いします。10年間という月日を殺した社長を、潰してください」

 菱田は懇願した。

 「わかりました。では、あの男を潰しましょう」

 俺はまず、寺野の事を調べ上げた。

 寺野勝。50歳。ウィング社の社長で、インテリ経営家として、巷では有名。

 彼には金欲が腐るほどあり、年に一度は、会社の金を使い、旅行に行き、そのことを社員に擦り付けるという下衆な男だ。さらに、衝撃の事実が発覚した。会社に秘密で裏ルートから海外のギャング組織から、粗悪品なものだが、拳銃を買っていたのだ。

 俺はマスコミにこの事をリークした。そして、寺野は失脚することになった。





 それから数日後、俺が夜道を歩いていると、ある死体を見つけた。その死体が、まさかの寺野だった。

 そして、その寺野の手にはある紙が握られていた。

 『無限絵札を舐めるな』

 と、紙に書かれていた。

 「無限絵札………あのチーム絵札の傘下か?」

 この時の俺は知らなかった。まさか、この無限絵札が、藤松会を苦しめることになるなんて。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 寺野さんの恨みを晴らすことができたかと思ったのに……この後もずっと無限絵札が関わってきそうですね(;´・ω・)
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