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エルフ始めました。  作者: 東郷 アリス
第2章
42/50

閑話 夢みる少女はコスプレイヤーの夢を見る。

お待たせいたしました。

今回は南ちゃん視点からお送りします。


私はアニメが好きだ。かっこいい主人公や可愛いヒロインたちを見ることによって日々の活力を貰っている。

そんな私がアニメの主人公やヒロインになってみたいと思ったのはいつからだろうか。それは分からない。


そんなある日。私は見つけてしまった。私の天職を。コスプレイヤーのいう天職を。







中学校の卒業式も三月の早々に済まし、特に卒業旅行にも行く予定もないため暇になった。


しかし私は暇ではない。何故ならコスプレのことに関して勉強しているからであった。

私はコスプレに関しては素人だ。トゥイッターやら他のSNSでも見るハイクオリティーなコスプレは並大抵の努力がいるだろう。

何着か買ってみて衣装は着てみたりもしたものの、確かにそのキャラだとは分かるが対してクオリティは良くない。


どうしたらいいだろうか?実際に現場とかで見せてもらったほうが勉強になるだろうか?それとも……


そうやって悩んでらうちに私の高校の入学式が近づいてきた。


まだまだ一人前のコスプレイヤーになるには前途多難だが、取り敢えずレベルの高いコスプレイヤーの元へ行き、少しでも技を盗みたい。けど、そんなことをさせて貰える人は身近にいない。


どうしよう。


そんなことを考えながらいつものようにトゥイッターをチェックしていると、一つのコスプレ写真が目に入った。


「この人のコスプレすごい!!」


エルフだろうか?嘘とは思えないエルフの特徴である長い耳。透き通った輝いている金色の髪。そして何より人形ではないのか?と疑ってしまうほど可愛くて美しい顔、碧い瞳にも目を取られてしまう。こんな人が現実にいては私たち他の女子では叶わない。


この人のトゥイッターの情報を確認する。名前はそのままエルフって名前だった。


エルフのコスプレを専門でやっているのだろうか?

是非とも本人に確認したい。


そんな気持ちが強くなっていき、春の桜が散り始めた四月の上旬。遂に私の前にエルフが舞い降りた。


見た瞬間気づいた。あのトゥイッターの子だって。エルフのような耳に金髪の髪、そして碧い瞳。あり得ないほどの整った顔をしている。


あれはコスプレじゃなかったってこと!?


そんなエルフの子の名前は姫咲 エルというらしく、話しかけたいのは山々だったが流石にこれから入学式もあり、話し掛けるのはやめておいた。


しかし、そんな入学式の帰り道にチャンスが訪れた。


彼女と公園で二人っきりになることができた。そして私は彼女に打ち明けた。コスプレイヤーになりたいということを。

そしてその姿はコスプレなのか自前なのかを。


しかし彼女は去り際に行った。 


「これ自家製!!」


そう言って彼女は去って行った。


しかし私の興味は彼女から離れることはなかった。もっと彼女のことを知りたい。知り尽くしたい。


次の日の放課後。それは思わぬ形でチャンスが訪れた。


クラスメイトの女子達でカラオケに行くことになったのだ。アニメ好きな私だが、クラスメイトや友達で遊びに行ったりするのは中学生時代から勿論大好きなので断ることはなかった。そして意外だったが、彼女も行くことになったのだ。


これは彼女のことをもっと知るチャンス。私は期待を胸に目を光らせた。

次回は24日の17時公開予定です。予約投稿済みなのでミスってなければ次話がでるはず!

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