第３８話 エルフの寄り道２
最近、22/7計算中にはまっているのですが、推しが全く決まらない！というのが最近の悩みです。
「君は……えっと」
「私は南 來花です」
淡々と答える彼女に少し違和感を感じつつも、俺は改めてお礼を言うことにした。
「えっと、南……さん？ありがとう。私お財布持ってなくて助かったよ」
「そう……」
南さんとの会話は、そこですぐに切れてしまった。てか、またまた俺のことじっと見てる気がするんですけど。
この場もささっと退散するとしますか……。
「あ、あのー、南さん？私、姉さんたちに呼ばれてるから行くね？」
そう言ってすぐに退散しようとしたが、何故か南さんに手を掴まれた。
「タダでやるとは言ってないわ」
「えっ？」
「貴方と話したいことがあるの」
その時の南さんは、どこか真剣な眼差しをしていた。
てな訳で、俺は南さんに連れられて公園に戻っていた。
俺は南さんに促されるままベンチに腰を下ろし、さっきもらったオレンジジュースをごくごくと飲んでゆく。
「ぷはぁ……」
これで乾ききった喉も潤いを取り戻しただろう。それにしても、俺と話したいことって何なのだろうか？
そんな中、南さんはというと、買ったオレンジジュースを手に持って、何か考えている様子だった。
それは暫しの間続き、それから南さんは何かを決意したかのように立ち上がった。
「あの、話のことだけれど」
「あ、はい」
いきなりのことに躊躇い、息を飲む自分。
「見てほしいものがあるの」
南さんはポッケからスマホを取り出して俺に見せてきた。
「これってあなたかしら？」
「えっ、どれが？ーーーーっ！？」
そこに映っていたのは、トゥイッターにあげたピースしているエルフの姿であった。
「な、なぜそれを！？」
俺の耳はエルフデビューしてから、ピクピクと最大級の動揺を見せていた。
「そんなの当たり前よ！こんなにエルフの再現度が高くて美少女な子を世間が見逃さないじゃないの！」
「へ、へー、そうなんだぁー」
「何よ、その疑いは。まあいいわ。話の主旨はそのエルフのコスプレについてよ！その長い耳、その艶々でさらっさらな黄金のような髪、碧い透き通った瞳は本物なの？それともコスプレなの？ズバリ、それが私の聞きたい話よ！」
南さんがそれを疑問に思っているのは当たり前のことだろう。てか、なんで今まで指摘されてこなかったのかが不思議であることに気がついた俺である。
まあ、今後もっと世に出ていく中で、これ以上隠す？のも得策ではないか……。
「あの、南さん、逆に何故それを聞きたいんですか？」
「それは……」
「それは？」
「それは……私がコスプレイヤーになりたいからよ！」
今までの僕は、誰かに理解されようなどとは思もってもみなかった、寂しさなど感じたこともなかった。
君と出会うまでは。
あの夏僕は突然現れた君のせいで、恋という酷く曖昧で抽象的で証明も立証もできない人類特有の感情を知ってしまったのだ。
夜空に浮かぶ月、今までそれは観測する対象にすぎなかった。
あの夏の夜、君と二人で眺めた月を僕は一生忘れない。
君と二度と会えないと言う事実を前にして、僕は別れがこんなにも辛く切ないモノだと初めて知ったんだ。
君に触れた時、僕は決意した。僕の手で必ず君の想いを叶えてあげたいと。
お互いの道を行くと約束して別れた。
だから君の助けになればと願い、この生成式を残こそう。
今の僕には完成させられなかったが、君ならきっと為し遂げられるだろう。
どうか力を尽くして欲しい。
忘れない。
月の名を持つ君のことを……。
いやー、このアニメ感動。泣けます。
あと、これだけでアニメ分かったらすごいです。
後書きまで関係なくてすみません……。
