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今度誇るよ。おとうさん。

パソコンがぶっ壊れたので、スマホから何ですけど、何故か段落がつかない。

なんででしょう。

まぁ、どうぞ。五話目です。


ハロー、クオ君だよ。

ご飯を食べ終わったから、これからおとうさんと魔法の稽古をする事になった。

魔法なんて使ったことないから、ワクワクしちゃうね。楽しみだ。


***


おとうさんに連れてこられたのは、書斎だった。

ここで魔法力と、属性の適正を知るらしい。まあ、雷だろうって、おとうさんは言ってたけどね。


属性の適正を知るためには、とある宝玉に触れればいいらしい。

めちゃくちゃ高いんだけど、おとうさんは持ってるんだぞって自慢された。すごいね。


「さあ、触ってみなさい」


そう言ってぼくの目の前に出されたモノは、とっても綺麗な水晶玉だった。それも子供の顔ほどある大きさの。


「触るね。」


ぺたっ、と触れた手から何かが吸い取られていく。 そして、水晶玉の中をグルグルと渦を巻くように風がでて、嵐が吹き、雷が轟々と唸った。最後に全ての嵐、雷、雨が黒く塗りつぶされ、水晶玉を漆黒に染め上げたのだった。


「はは、これは驚いた。まさか3属性魔法使いだったとは。びっくりだね。」


「3..属性?」


「あぁ、そうだ。3属性だ。雷と風、そして闇だ。にしても闇とはね、とても珍しい。ふふ。さすが僕とルーの息子だ。とっても誇らしいよ。」


おとうさんにそう言ってくれると、凄い落ち着いて、ぽかぽかする。幸せだな。


***


「さぁ、魔法を使ってみようか!まずは、風属性から行こう!体を魔力が循環するようにイメージして、指先に少し集めて、僕の言葉を繰り返してね!

『我が魔力を糧に 顕現せよ《そよ風》』」


「『我が魔力を糧に 顕現せよ 《そよ風》』 」


そう言うと、僕とおとうさんの指先からふぉぉぉ、と風が吹いてきた。涼しいね。


なんて思っていると、おとうさんの驚いた顔が視界に入って、なんかまずいことでもしたのかな、って不安になった。


「まさか一発で成功するなんて...やっぱりクオはすごいや!」


本当は一発で成功するものじゃないんだ...また..


「こらこら、またそんなこと考えるんじゃない。その才能は誇っていいんだ。まったく、本当に優しい子だね、クオは。でもね、時に謙遜は侮辱にもなる。だからちゃんと誇りなさい。その才能はクオ自身のモノだからね。」


かぁっと、目頭が熱くなって泣きそうになったけど、僕はくっと堪えた。

それで、笑って言ったんだ


「ありがとうおとうさん!僕この力を誇らしく思うよ!」

ってね。


***


この日は一通りの初級魔法を使って、お開きとなった。

自分の属性の初級魔法を扱うには、普通3日かかるらしい、ちなみに1属性につき3日だよ?だからおとうさんはすごいって褒めてくれた。

うれしいね。


それで今は、刀のお稽古中だ。構えと、基本の振りは、教えることが特にないっておかあさんが言ったから、体力作りのためにマラソンをしているよ。


日本にいた頃じゃ、もうバテて歩けないくらい走ったのに、まったく疲れないのはすごいや。

まぁ、多分スキル《黄金律》の影響なんだろうけど。


「くーちゃん〜、もうマラソンしなくて良いわよ〜。」


「ん!わかったー。」


じゃあ、何をするんだろうって思ったら、おかあさんが真剣を二本取り出してきた。


「これからは試合をするわよ〜。体力もいっぱいあるし、他にやること無くなっちゃったからね〜。」


うっ、なんか心が痛い。でも、誇って良いものなんだ。頑張ろう。


「うん。わかった。でも、この刀刃付いてるよ?危なくない?」


そう言うと、おかあさんが目をスッと細めて、ふふっと笑った。


「大丈夫よ、流石に寸止めするわ。これでもおかあさん強いんだからね?」


あっ、ですよねー。流石に刀客に一本取れる気はしないわ。

いくらこの体がチートでも、数多の戦場を超えてきたホンモノには、絶対に負ける。ここはそういう世界だ。

ゲーム時代でも、トップランカーと言われる人たちにはチーターでもかてなかったからね。

ま、まあ?僕もその1人で数多のチーターをぶちのめしてきたけどね。


まあそんなこんなで、今、おかあさんと少し離れた位置で見合っている。

僕もおかあさんも、刀は抜いてない。当たり前だ。間合いを先に読まれたら、それはもう負けだ。

多分もう読まれてるけどね...あはは。


緊迫した空気のまま、かなり長い時間が経った、その時。ぶわりと僕とおかあさんの間に、一陣の風が吹いた。


それが合図だった。


ほぼ同時に地を蹴った僕とおかあさんだけど、流石と言ったところか、おかあさんが懐に入ってきた。

刀術スキル《居合》。ゲーム内でも屈指の人気を誇ったスキルだ。

エフェクトがカッコいいとか、たくさんの理由があるけど、もっとも大きな理由としては、ゲーム内最速の攻撃だから、というのがある。予備動作もほとんどなく、鞘から抜く一撃。間合いを詰められ、この技を使われたらもう終わりとも言われるスキル。


だがーーーーその技を使われると分かっていれば、対処は余裕の技だ。

間合いがとってあり、また鞘に収まったままの刀とくれば、《居合》、または《居合派生》スキルだと容易に想像がつく。


腰からの一閃。横薙ぎの一撃は、強いて言えば受けやすい。

縦に武器を構えて防御してしまえば、容易にガードすることができるし、またパリィにも繋げられる。

武器ごと叩っ斬られる以外ことさえ無ければ、タイミングゲーとも言えるレベルだ。


今回の武器は、おそらく両者同ランクの武器。同ランク帯ならば、いくらレベルが違ったとしても、武器破壊などそうそう起きることではない。

そのためーーー今回は後出し、縦斬りの居合で相殺することができた。


「フッ...!!!」


ギャリリリリンッ!!!


二つの居合が噛み合い、鍔迫り合いに持ち込まれる。

だが、基礎のステータスから違う僕では、すぐに吹き飛ばされてしまう。

それを防ぐためにはーーー力を流すしかない。


体を半身にずらし、前へ出るのと同時に、両の手で握る刀のうち、左手から力を軽く抜いた。

すると、鍔迫り合いから、フッと力が抜け、おかあさんの体がつんのめって前傾姿勢となる。

その瞬間、僕は石突き、つまり持ち手の先で額を強打させようとした。


だがーーーおかあさんの体がグリンと片足で回り、顔をずらした。

そのため、僕の突きは躱され、今度は僕がつんのめってしまう。

そして、その隙を見逃さないおかあさんが、僕の首に刀を添えたのだった。


「決まりよ、クオ。」


張り詰めた声が僕にかかる


「やっぱり強いや。勝てないね。」


「ふふ。でも初めてじゃ恐ろしい程上出来よ。少し本気を出しちゃったわ。」


やっぱ刀客は凄い。勝てるビジョンが一切見えてこなかった。


「やっぱり、クオ、あなたは本物の天才よ。誇りなさい!」


おかあさんはそう言って、いつものふにゃふにゃの雰囲気を纏って、抱きしめてくるのだった。


あっ、まって、これまた落ちーーーー


「ルーちゃんだめだってばー!!!」


遠くからおとうさんの声がする。なんて思いながら、フッと意識が落ちていったのだった。












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