表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/16

第9話 大どんでん返しの控え室(ドラマティックルーム)

「なにーーーーーーっ!?」


今度は〈俺〉がさけぶ番だった。


ひかえ室に戻った“〈ジー〉と〈AIユニットピー〉”に、〈女先生ドクター〉から通信が入ったのだが……。


陸軍上層部うえ介入かいにゅうがあったみたいね。

 さっきのニセ警備員(ターゲット)が、直接は爆破予告に関係ないと……。

 諜報部ちょうほうぶが結論づけた時点で』


「なるほどな。

 そういうことか」


リハーサルで関係者しかいなかったのをいいことに……。


ほかにらすなと、箝口令かんこうれいいたな。


『政府としても、ここである程度はケリをつけておきたいみたいね。

 この件に関しては』


このままライブイベントを敢行かんこうしたい主催者しゅさいしゃサイド……。


そして、軍部の利害が一致いっちしたか。


GP00(ジーピーオー)手柄てがらだったわね!

 まだ、いけるかしら?』


「もちろんよ!

女先生ドクター〉。

 こっちから志願したいぐらいだわ!!

 ね?

隊長ジーピーワン〉」


気が進まないようなことをいっておいて……。


なんだかんだで、いつの間にかヤル気になっている。


「すまない。

 残念だが、〈俺〉は辞退じたいさせてもらうよ。

 今日は月曜じゃなかったかい?

 部屋いえでビールを飲み(やり)ながら……。

 夜のフットボール中継を観なきゃならないんだ」


「それは、ダメです!!」

『それは、ダメよ!!』


まあ、それは冗句ジョークとして……。


女先生ドクター〉と〈AIユニット(かのじょ)〉。


なんだか、息が合ってるなと思う。


「でも、〈隊長チーフ〉。

 衣装どうしよう?」


「何かえがあるだろう?

 贅沢ぜいたくはいえん。

 この際、ピッタリじゃなくても……」


「そりゃあ。

 あるかもしれないよ。

 でも……」


〈俺〉は、スタイリストの女性がいっていた言葉を思い出す。


「あのが新曲の舞台ステージで着るハズだったの……」


「ちょっと待ってろ。

 この場を動くんじゃないぞ!」


〈俺〉はメインステージに向かう。


そして、カメラマンか大道具スタッフがいないか探す。


いつもの装備ならば、背嚢バックパックに忍ばせているのだが……。


今日のスーツ姿(そうび)には、ふくまれていないものを入手するためだ。


いそがしいところ、もうわけないが……」


「少し分けてもらえないか」と、ちょうど通りかかった大道具スタッフたずねた。


すると、彼は「会場の備品だから」と……。


使い終わったら、ひかしつにそのまま置いておけばいいといってくれた。


「親切にありがとう」


〈俺〉は、彼に心から感謝した。


彼は、実はさっきの・・・・を見ていたと。


あなたと〈機械仕掛け(かのじょ)〉のおかげで、ライブがはじまる前からおひらきにならずに済んでよかった。


自分もみんなも感謝しているといった。


箝口令くちどめのことが頭をよぎり、〈俺〉がモゴモゴしていると、彼は口元に人差し指を1本立ててニヤリと笑った。


そして、口だけ動かして「ナイショでしょ」といいウインクした。


〈俺〉は何もいわず、彼に右手を差し出した。


「〈機械仕掛け(かのじょ)〉に応援してるっていって!

 俺、ファンだからネ!!」


彼は軍手ぐんてを右だけ外して、〈俺〉の手をにぎりながらいった。


〈俺〉はまた、さっきとはちがった意味で言葉にまる。


そして、また口は開かず右手の親指を立て、うなずいてみせた。


AIユニット(かのじょ)〉に伝えなくては……。


最低でもふたりのファン・・・・・・・が、今日の〈機械仕掛け(キミ)〉のステージを楽しみにしていると。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ