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第10話 修復の控え室(リペアルーム)
「なにコレ?」
「養生テープだ。
剥がれにくいし。
剥がしやすい。
優れものだ。
“現場”には欠かせない」
「そうじゃない!
コノ衣装のことよっ!!」
〈俺〉は〈AIユニット〉を見る。
裏から貼り付ければ、そんなには目立たないと思ったのだが……。
まあ、たしかに見る者が見れば歪ではある。
ところどころ、テープの色が透けてしまっているし……。
やはり、コレではダメか?
「……」
「ごめん。
〈隊長〉は、わたしのために……」
〈AIユニット〉は、姿見の前に立った。
双眼で自らの姿を見る。
「ありがとう。
〈隊長〉」
そういうと〈AIユニット〉は、出口に向かう。
そして、控え室の扉を開けた。
「わたし、行くね!」
そして、メインステージへ向かって歩き出した。




