金魚鉢の中
同じような経験をした人もいるかもしれません!
ぜひ、読んでみてください。
わーー
キャー
賑やかな声が聞こえる。
ここは、6年2組の教室。今は休み時間。
男子は、取っ組み合いをし遊んでいる。
私も、友達の渚と絢乃とくすぐりあっている。
「やめて。やめて。もう限界~~」
こんなしょうもないことでも、すごく楽しかった。
そして、こんな生活は壊れないと思っていた。
そして、宿泊合宿が始まった。
私は、もちろん渚と絢乃と同じ班。
初日、私たちは、動物園に行った。
私は、2人の行きたいというところについていった。
そして、2人の出した会話に乗っかった。
その日は、そんな感じで楽しく平凡に過ごしたつもりだった……
次の日、絢乃は朝から熱を出してしまった。
だから、その日は2人で行動することになった。
その日は、博物館に行った。
3人のときは全く感じなかったが、渚と2人きりになると、沈黙がおとずれそうになることが多々あった。
でも、そんなときもなんとか渚が会話を産んでくれた。
ありがたかった。
私もできるだけ話すようにした。
最後は、帰る日。
絢乃の風邪も治り、無事学校に帰ってきた。
その帰り道。
渚がなにかつぶやいた。
聞き返すと、こんなことを言った。
「金魚のふんみたい。」と。
そう。それは私のことだった。
驚いた。傷ついた…。
私は、なんとか声を振り絞って言った。
「どうして、そう思うの?」と。
こんな答えが帰ってきた。
「だって、いつも自分の意見なんか言わないで、ついてくるだけだし。あんまり、自分から話さないし……。つまんない。」
衝撃を受けた。
ただ、私は、2人ができるだけ楽しんでくれればいいと思っていた。それに、私は、口下手で話すのが少し苦手なだけだ。
そんな風に思われていたなんて、心外だった。
でも、周りから見れば確かにそう見えるのかもしれない…。
次の日から、私は1人でいるようになった。
でも、休み時間に2人が遊んでいるのを見ると、入りたくないはずなのに入りたくなる。
1人で帰り、ペアを作るときも1人。
そんな日々が1か月くらい続いた。
いい加減、寂しくなってきた。
そんな時、渚が話しかけてきた。
私は、びくっとした。また、何か言われるんじゃ、と思って。
しかし、渚はこういった。
「なんだ。誰かについていかないと何もできないのかと思ったけど、案外できるんじゃん。」
うれしいのか、悔しいのかわからなかった。
絢乃も笑顔を向けてくれた。
また、私に平和な日常が戻った。
遊園地に遊びに行くときも積極的になってみた。
ペア作りも自分から声をかけてみた。
例え、自分はそのつもりがなくても、だれからも金魚のふんと言われないように。
読んでくれてありがとうございました。