第91話 新婚かな?
どうも、魔理沙だぜ。
今更だけど、これだけ言っておこうか。
こころの話し方、性格、過去等々は、全てオリジナル設定だな。
この物語に関してはもう本当に今更だな。
そろそろ本気で自重すべきだと思うんだぜ。
「なら、膝枕。」
「ん、良いのか?それで良いんだな?」
「……(こくり)今はそれで良いよ?」
……なんか聞こえたけど、気のせいということにしておこう。とりあえず、膝枕だな?
一度部屋に戻り、正座で『陽炎』の手入れを始める。
後ろからついてきていたこころが、僕の太股に頭を乗せ、幸せそうに笑う。
「気持ち良い……。もう何も思い残すことはない。」
何か思い残してくれ。流石に大袈裟すぎるだろ。
ツッコミを入れても意味がないようなので、何も言わずに刀の手入れをしていることにした。
──────────(view side Kokoro)
あの人を好きになったのは、いつからだろう。
救われた時?初めて話した時?笑ってくれた時?
いくら探しても、答えは見つからなかった。
『好き』という気持ちは難しいものだ。いつそれに捕まってしまったのか分からず、どうやって抜け出すかも分からず、膨らむその想いを止める術は無い。
「……優都、おはよう?ごめんなさい、寝ちゃってた。」
膝枕されたまま寝てしまっていた。すごく気持ちよかったから、仕方がないと思う。
返事がない。顔を見ると、目を閉じていた。寝ているのだろうか。
手入れをしていた刀は鞘に納められ、部屋の壁に立て掛けられていた。部屋に差し込む夕日に照らされている。
「私、結構寝てた……?優都、絶対に疲れてる。少し休んでてもらおう。」
部屋の隅に置かれた布団を広げ、優都を寝かせる。
穏やかな寝顔だ。いつもより少し幼く見える。
「可愛い。……私は夕御飯の準備をしてくる。ゆっくり休んでてね───」
優都の額に口づけする。優都は眠ったままだ。気づいた様子はない。
私は優都の可愛い寝顔を少しの間眺めて、夕御飯の準備をするため部屋を後にした。
──────────
何を、してるんだろう。
僕には、他に何かやることがあったはずだ。
何か、とても大事なこと。
………思い出せない。何も、思い出せない。
確かに何かやるべきことがあったはずなのに、今にも思い出せそうなのに、どうしても思い出せない。
「………寝てた、のか?」
唐突に目を覚ます。
ぼんやりとした視界が少しずつクリアになり、ここが博麗神社の一室、自分の部屋であることを理解する。
外を見ると、空は茜色に染まっていた。いったいどれくらいの間眠っていたのだろうか。
「あ、そう言えば……こころに膝枕してたんだっけ。いつの間にか寝てたんだな。」
こころは……夕方だし、夕御飯の準備でもしてるか。
まったく、そんなに毎日頑張らなくても、僕がやるって言うのに。
「あんな子が、僕の何処に惚れたんだか。……いや、そう思うのは好きになってくれたこころに失礼か。」
自分を卑下するのは、好きになってくれた相手に失礼……とは言え、無意識のうちに自分を貶めてしまうところに関しては勘弁してもらいたい。わざとやってるわけじゃないんだ。
どうも、霊夢よ。
あれじゃもう完全に夫婦じゃない!
何よあれ、夫婦の新婚生活を見せられてるのと何が違うのよ!ラブラブじゃない!
何なのよ私だってあんな風になりたいとか憧れるわよそりゃ私だって女だから当たり前じゃないラブラブの夫婦になりたいじゃないでもあの二人悔しいけどお似合いよお幸せに!
次回までゆっくり待っていなさいよねっ!