第84話 霊夢の緩んだ頭のネジ
どうも、魔理沙だぜ。
久々のコメディ展開か!?
シリアス続きだったからなぁ。笑える展開を作ってくれるはずだぜ?(プレプレ半端ない)
「まぁ、それは冗談として。僕が倒れてから、何か変化はあった?」
「え?……特には、無いわね。貴方が倒れてからそんなに時間も経ってないからね。」
そう言えばそうだ。僕が倒れたのが昼。目が覚めたのが同日の夜だから、本当に大した時間は経っていない。
「紫と霊夢は?一緒じゃないの?」
「霊夢は居間で寝てるわよ。紫は……知らないっ。」
「え、そう………?」
な、なんで怒ってらっしゃるのでしょうか。紫のヤツ、レミリアに何かしたのか?いや、レミリアの反応からして絶対に何かしたよな。
まぁ、それは良いとして。
唐突に向こうの世界へ呼ばれるのは本当に面倒だな。
あいつのことだから、倒れてる間に何かあった時の対策くらいしてるんだろうけど。
「じゃあ、私はそろそろ紅魔館に戻るわね。フランが待ってるから。」
「ん、分かった。色々あって疲れただろう?今日はゆっくり休んだ方が良い。」
「ふふっ。そうさせてもらうわ。おやすみなさい、優都。」
見送ったレミリアの背中は、あれほどの過去を背負うには小さすぎる気がした。
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朝の日差し。顔に日の光が当たって、眩しさで目が覚める。
霞む視界の中で、空は一面青に染まっている。気持ちの良い快晴だ。
「ん、起きたみたいね。じゃあ、行きましょうか。」
「うん、ちょっと待て。ツッコミどころが多すぎてやってられないけど、とりあえず一つ聞かせてくれ。」
なんでここに居るんだとか、言いたいことは山ほどあるが、今はとりあえずこれだけ聞いておこう。
「……今度はどこへ連れていく気だ?」
「何処って、紅魔館よ。レミリアに呼ばれてるからね。今回に関しては、行かないわけには……。」
霊夢が顔を青くして身体を震わせる。大丈夫かこいつ?というか、レミリアのヤツ、霊夢に何をしたんだ?
しばらくして落ち着いた様子の霊夢。まだ若干顔色が悪い気がするが、本人が何も言わないので何があったのかは聞かないでおく。
「分かったよ。じゃ、準備するものも特にないし、早速行こうか。霊夢の準備は終わってるの?」
「ええ。優都が良いなら、今すぐ行きましょうか。早く行かないと、レミリアに……ぶるぶるがくがく。」
……うん。『ぶるぶるがくがく』とかわざわざ口に出すくらいおかしくなってるのは何となく分かった。
ここの医療がどれ程のものなのかは知らないが、緩んでる頭のネジを締め直すことは出来るんだろうか。
「……なんか失礼なこと考えてるでしょ?」
「いえ、滅相も御座いません。」
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またもやって来た紅魔館。
以前来たときはレミリアと戦い、フランと戦い……。
吸血鬼二人を相手にして、よくもまぁ……と、自分がどれだけ命知らずのアホなのか再確認していた。
「うん。よく生きてたなぁ、僕。」
「何を馬鹿なこと呟いてるのよ、今更でしょ。さっさと入るわよ。」
どうも、霊夢よ。
なんか、久々に構ってもらえたと思ったら、私の扱いが酷くない?ねぇ酷くない?
私の頭のネジは緩んでなんか……チルノよりは緩んでなんかないわよ!
次回までゆっくり待っていなさいよねっ!