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東方 永恋郷『Absolute Sense』  作者: 如月 椿
第2章 悔夢異変
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第83話 乙女な紅い月

どうも、魔理沙だぜ。


私の出番が少なすぎて、忘れられたのかと思ってる頃なんだが。

もう少し出番を増やしてほしいものだぜ。

『……まぁ、その件もそうだけど。異変の件も、しっかり考えてみるといい。』


そう言い残して、『僕』は消える。

どうやら用件はそれだけのようだ。


世界が……消える。


──────────


意識が覚醒する。目を開けて最初に目に入るのは、見慣れた天井。

どうやら誰かが居間に寝かせてくれたようだ。


「……いちいち『あっち』に呼ばれるのも面倒だな。急に倒れたら『こっち』で何をされるか分かったものじゃないぞ。」


ゆっくりと起き上がる。空には孤独な月が輝き、暗闇を照らしている。


月明かりに照らされる廊下を歩いて居間へと向かっていると、外にレミリアが一人で立っているのを見つけた。

何も言わず月を見つめる彼女は、思わず見惚れてしまうほど綺麗だ。


「ん……あら、優都?起きたのね。身体は大丈夫なの?」


僕に気づいたレミリアは、ゆっくりと歩いてこちらへとやって来る。

心配してくれたのか。……心配してくれるのが、彼女らの普通、なのか。


「大丈夫だよ。心配してくれてありがとう、レミリア。」


「べ、別に心配なんてしてないわ。無事なら良いの、無事なら。」


笑顔で言うと、レミリアが顔を真っ赤にして目を反らした。照れているのか?


「何を、してたんだ?」


「特に何かしていたわけではないわよ。ただ、昔のことを思い出していただけ。今夜は満月かと思ったのだけど、十六夜の月だったみたいね。」


レミリアが夜空を見上げる。空には、少しだけ欠けた十六夜の月が孤独に輝いている。

夜空に散りばめられた星は、輝きを失って夜の闇に溶ける。


「本当に、月が綺麗だ。」


「あら、それは愛の告白かしら?貴方はなかなかロマンチックな告白をするのね?」


レミリアが悪戯っぽく笑う。

何故それをレミリアが知っているのか。いや、今はそんなこと、どうでもいいか。


「仮に告白だとして、君はそれを受け入れるのかい?」


「え、それはそのぉ……。う、受け入れないこともなくもないというか……何と言うか。」


てっきり『当然断るわ。』とか言われるかと思ったが、予想外の反応で寧ろこちらの方が困ってしまう。

ちょっとした仕返しが失敗してしまったようだ。


「うー。どうせ優都にそんな勇気なんて無いから、別に良いのよ。そういう冗談を言うのは、本当に告白する勇気を持てるようになってから、かしら?」


「……レミリア、僕が告白したら受け入れるの?その口ぶり、捉え方によってはそんな風に聞こえるよ?」


その言い方だと、『貴方が本気で告白するなら受け入れる』なんて風に受け取れるけど、良いのか?

出会ってまだ長くないし、お互いのことを深いところまで知っているわけでもない。

流石に恋人まで関係が発展するのは、早すぎると思うが。


「そそ、そんなこと言ってないわよ!?だだだ、大体ねぇ。出会ってからそんなに経ってないのだし、もう少しお互いを知ってからそういう話をすべきじゃない?」


なんで顔真っ赤なんですかレミリアさん。

ついでに言えば、それも『お互いを知ってからなら恋人になっても良い』って言ってるようなものだぞ。

レミリアって、こういう話には弱い方なのか?意外……でもないか。

どうも、霊夢よ。


もう、レミリアだけ贔屓しすぎじゃない?

もっと私も登場させなさいよ!出番が欲しい!


優都の鈍感も酷いものね。『モテる=鈍感』は全世界共通なのかしら。


さぁ、少年よ鈍感であれ!(モテるとは言ってない)


次回までゆっくり待っていなさいよね!

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