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東方 永恋郷『Absolute Sense』  作者: 如月 椿
第2章 悔夢異変
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第76話 その永い時間を背負う者

どうも、魔理沙だぜ。


あれ、今回は優都とレミリアの視点の方が長いみたいだな。

紫と異変の戦いはまだみたいだぜ。


あと、オリジナル設定が多用されてるぜ。

もうこの小説は、ほとんどオリジナル設定で構成されてると考えてもらって良いぜ。

「貴女、すごく厄介ね。霊夢を傷つけられない私からしたら、物凄く面倒だわ。」


私の攻撃は、『それ』に直接作用するものがない。

そもそも、私の攻撃が通じるのかすら怪しいものだ。


「あら?貴女が幻想郷最強の妖怪なんじゃなかったの?これじゃあ拍子抜けよ?」


……なんとも腹の立つ言い方で煽ってくる。

こいつがレミリアを乗っ取っていたのか。優都はどうやって追い出したのだろう。


「……はぁ。彼が助けに来てくれたら良いんだけど。来るはずはないわよね。」


おそらくはまだ、レミリアと話でもしているんじゃないだろうか。

たとえこちらにやって来たとしても、この空間の位置は分からないはすだし、この空間に入ってくることは幾らなんでも無理だ。


つまり、助けに来てくれる見込みはなし。可能性は全くのゼロ。

やはり、私がなんとかする必要があるのだろう。


「あはっ、貴女が私をここに閉じ込めたんじゃない。自業自得よ♪」


相手は霊夢の顔で、嘲笑うようにこちらを見ている。

本当に腹が立つ。霊夢じゃなかったら消し去っていたかもしれない。


「霊夢の顔でそういう口調になるの、やめてくれるかしら?……寒気がするの。」


ここは、私の空間。

勝てなくても、負けるつもりはない。


──────────


「……そう。貴方も、人を殺したのね。私と同じだわ。」


「……そっか。君も人を殺しているのか。」


過去を話し終えた僕は、 レミリアと背中合わせで座り、手を繋ぐ。

少しの沈黙。それはどこか、心地のよいものだった。


人殺し二人が木漏れ日の差し込むこの場所で静かに目を閉じる。


「……貴方と同じように人を殺した者は、この幻想郷には掃いて捨てるほど居るわ。人間、妖怪を問わずね。」


「……この世界に、それを裁く者は居ないのか?」


「居るには居るのだけどね。そういうことではないのよ。」


よく、分からない。


「ふふっ。私達妖怪はね、人間達に存在を忘れられたら消えてなくなるの。だから、異変を起こして自分の存在を見せつける。」


僕の心を読んだんじゃないかと疑いたくなるようなタイミングで、レミリアが話し始める。


……なるほど。だから彼女たち妖怪は、こんなにも何度も異変を起こすのか。


「時に、それで誰かを殺すこともあるわ。……でも、それは自分が消えないようにするために必要なこと。例え人間に憎まれることになっても、私達はそうするしかなかった。」


「……今は、どうなんだ?今も、君達は人を殺しているのか?」


僕の質問に、レミリアは首を横に振った。

真剣な表情のまま、レミリアは僕の手を強く握る。


「……これは、300年ほど昔の話。まだこの地で、人間と妖怪の殺し合いが当たり前に起こっていた頃の話よ。」


300年。そう聞いて、レミリアが吸血鬼であったことを思い出す。

人間の少女と何も変わらないその小さな背中に、500年もの長い時を背負って彼女は生きているのだ。

どうも、早苗です。


『人間に忘れられたら消えてなくなる』という設定は原作にはないオリジナル設定ですね。

この物語を語る上で、必要な設定です。


ちなみに、『300年前には人間と妖怪が殺し合っていた』というのも、オリジナルの設定ですよ。


レミリアさんの話が、次回にも入るようですね。


次回までゆっくり待っていてくださいね。

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